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【イギリスDIY精神のDNA in 北海道ニセコ】



先日の当社スタッフのニセコ建築群見学のなかから。
Shouya P.T Griggさんによるリノベーション店舗の様子です。
かれは20年前くらいから数年、当社のReplan誌でカメラマンをしてもらった。
父親・母親は、イギリス人で何度も家を住み替えながら、
それに手を加えては購入時よりは高く売って、
いわば住宅をリノベーションして「わらしべ長者」のように過ごしてきた、
という話を聞いたことがあります。
で、イギリスからオーストラリア・パースに移住して
Shouyaは12才くらいまでイギリス、24才まではオーストラリアで育った。
家族がそんなふうに家に手を加え続けてきたことを見て育った。
たぶん、思春期のかれもそれを手伝っていた、自分でも手を掛けてきていた。
よく欧米人、とくにアングロサクソンの人間は家に手を掛ける、
DIYの伝統を持っていると言われますが、
今回、そんな実例を見させてもらいました。
写真3枚目のように、この店舗は倶知安市内のスポーツ用品店の
倉庫として使われていた建物のリノベーションです。
構造は鉄骨造で2階建ての大きな建物。これに手を加えて
いまは飲食店として再生利用している。
1枚目の写真は今回2階の床を一部撤去して、吹き抜けを造作し、
その2階から階段コーナーを「見せ場」にした変更をみたところ。
とくに階段は既存のものに上り初めの数段を角度を振って、
さらにカーペット状の敷物が踏み段に敷かれていたのを剥がした。
剥がしたところ、その剥がした表情がそのままでインテリアとしていいと感じて、
そのインスピレーションから、階段上り手左側の壁面も壁紙を剥がした。
そうしたら、やや経年変化した素材の古美の表情も「味があった」。
そこからインテリア全体を、そのイメージを膨らませていって再構築した。
要するに古びた階段の造作変更から全体の店舗イメージを想像し、
鉄骨のフレームに黒くペイントさせたりして、全体の基調となる空間を作った。
そこに無垢の厚板、十数センチの厚みのあるメインカウンターテーブルを据え付けて
重厚感のあるメインディスプレイとした。
そういうなかにワインセラーをガラスで造作して吹き抜け空間に据えた。
空間への好みはむしろ日本人の禅的な志向性も感じられる。
そういえばイギリス人と日本人って、やや暗め(笑)という共通性はある気がする。

インテリアへの日本人の無関心さを、
「立派な料理を作っているのに、ワインがない」みたいなものではと、かれは言う。
たいへんいい指摘だなぁと心に留めさせられた次第です。

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