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隈研吾設計「メム メドウズ」探しの旅

きのう、おとといと2日間、
北海道内住宅団体アース21の例会に参加してきました。
開催は十勝でなので、武部建設の武部専務の提案で、例会終了後、
昨年に竣工して案内が来ていた「メム メドウズ」を見学することにいたしました。
この施設は、案内によると、

 住宅・建材産業に関する調査・研究及び、人材育成等の事業に対し助成・支援する公益財団法人トステム建材産業振興財団(所在地:東京都江東区、代表:理事長 潮田洋一郎、以下:トステム財団)は、次世代住宅の研究を共同で進める「環境技術研究機構」を設立し、その中心的な研究施設「メム メドウズ(Memu Medows)」(所在地:北海道広尾郡大樹町(たいきちょう)字芽(め)武(む)158-1)を開設しました。
 研究施設「メム メドウズ」は、大樹町にある約56,000坪の牧場跡地を活用した施設です。その土地の気候を生かし、寒冷地における研究なども行えるほか、研究者が長期間の実証実験などを行うことも想定し、宿泊施設やレクリエーション施設も備えた研究施設です。
 さらに、同機構の趣旨に共感いただけたことから、同施設全体の設計・改修は、日本を代表する建築家 隈研吾 氏により行われています。また、同氏の“土地の持つ記憶をそのまま風情として残しながら改修し、資源も有効に活用する”というコンセプトの元、リニューアルを行い“土地の記憶”を残した施設になっています。築30年近い厩舎や、住宅、競走馬の運動施設などに断熱、耐震対策を施すとともに、内装を一新しています。
 研究施設「メム メドウズ」内のシンボル的な施設であり、第一号の“寒冷地実験住宅”「メーム(Même)」は、北海道古来の住宅をモチーフに、光を透過する白い膜材を二重構造(ダブルスキン構造)で壁と床を仕上げた隈研吾氏 設計、東京大学生産技術研究所 野城研究室 技術支援によるユニークな実験住宅です。ダブルスキン構造による高い断熱性や、地熱を利用した蓄熱式床暖房など、両者の先進のアイデアを取り入れ、デザイン性にも優れた「メーム」は、温熱環境の変化や、地震発生時のデータ計測など、長期的なデータ収集が可能な実験住宅でもあります。<以上、HPより要旨抜粋>

ということなんですが、
いかんせん、場所が帯広からもさらに1時間は優に掛かる大樹町。
それも、浜大樹に近い元牧場というものなので、
なにせ遠い。
ということでスケジュールのバッティングもあったので、
取材をスルーしておりました。で、いざ、見に来てみて、
なんとも大失敗であったなと反省させられた次第であります。
どうも東京の設計者による「寒冷地住宅」という触れ込みが
「あ、またかなぁ・・・」というトラウマ体験が根強くあって
やや引き気味になっていたのが正直な心情でありました。
ただ、その披露に確か、北総研のどなたかが出席されていた記憶があり、
「そうでもないかも・・・」というようなかすかな記憶はありました。
というようなないまぜな心理状況に、十勝での例会という好都合があり、
渡りに船のお誘いもあったということであります。
で、隈研吾設計の建築の撮影という楽しいいっときを過ごさせていただいた次第。
まぁ本職のカメラマンではないけれど、
一眼レフカメラも持参しておりましたので、
見たいアングル、はおおむね収められました。
夕景もいいみたいなんですが(笑)
まぁ・・・(笑)。

ということでめでたしめでたし、ということにはなったのですが、
実は「メム メドウズ」探しの旅は波瀾万丈の展開でありました・・・(汗)。
というのは大袈裟ですが、
武部さんからの情報では、大樹町の町役場のすぐ近くだよ・・・、
というごくごく大ざっぱな地理把握でした。
で、約束時間から若干早めに大樹町に到着。
一行4名、腹ぺこでしたので、
地元の人に聞いた「地域一番」のラーメン店「龍月」さんで腹ごしらえ。
「人気がありますよ」という店員さんのひとことで、
わたしは「辛味噌」ラーメンをリクエスト。

これは美味・美味・美味・・・。
なんですが、やや時間を気にする武部さんから
「三木さん、時間遅れるよ」
ということで、熱い麺を大急ぎで・・・アチチ。
で、さっそく目的地に到着・・・なんですが、それらしきものは見当たらず。
武部さんがケータイで連絡する。
どうも要領を得ないし、その上ときどき「え〜〜〜〜」という
完全に前提条件が狂ったかのような、裏返った叫び声が車中にこだまする・・・。
運転手をやっている当方には、
なんとも心臓に悪い「え〜〜〜〜」であります。
・・・・。
ようやく、写真のような建築とご対面であります。
ほっ。
で、「メム メドウズ」の本体の様子は、あすにそのさわりを紹介します。
ではでは。

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One Response to “隈研吾設計「メム メドウズ」探しの旅”

  1. […]  さて四国シリーズ、今回から建築家・隈研吾建築との出会い編であります。今回の四国旅では淡路での安藤忠雄建築、そして高知での竹林寺の堀部安嗣氏の建築を巡って、四国の山岳地域の梼原(ゆすはら)での多数の隈研吾建築群というように探訪したのです。  なかでも隈さんの建築が6つも集中的に建築されていて梼原のアイデンティティにまで昇華しているという。その様子を取材したいという動機にかられてもいた。  隈研吾建築については、これまでもいろいろ遭遇し記事にも取り上げてきています。わたしとしては北海道の十勝に建てられた「メーム」がいちばん印象に残っております。このブログの2012年6月15日と16日版で詳報しています。http://kochihen.replan.ne.jp/blog2/?p=6910 http://kochihen.replan.ne.jp/blog2/?p=6900 。ぜひごらんください。  アイヌチセにインスピレーションを受けて、化学的な建築外皮によってアイヌ語で湧水池を意味する「メム」と対比させながら風景としての建築を作っていた。  一方で、隈研吾といえば木を生命感に満ちた表情でデザインする手法が特徴的。そういう建築家としての原点として、この四国高知の山岳地・檮原の公民館舞台建築「ゆすはら座」とのかかわりを自ら語っている。以下、四国電力広報誌『ライト&ライフ』から要旨抜粋。氏はこの建物の保存運動に取り組んでいた地元建築家から強く誘われたという。  〜初めて梼原町を訪ねたとき、長いトンネルを抜けるとパッと別世界が現れたという不思議な感覚を抱きました。当時の私は「今後、自分はどんな建物を造ったらよいのか」と悩んでいました。それを払拭してくれたのが「ゆすはら座」。地域の人たちの建物への愛情と木造建築の素晴らしさを肌で感じ、自分がやるべきことの答えを見つけることができました。そして、足しげく梼原町へと通ううちに、当時の町長さんが「公衆トイレを設計してみますか」と声をかけてくれました。施主や職人さんと話し合いながら進めたその仕事が実に楽しくて、それが「雲の上のホテル」に結びついたのです。この町は私を初心に還らせてくれた場所であり、仕事で迷いが生じたときにはここで感じたこと、得た知恵を判断基準にしてきました。後に私は梼原町を「物差しのような場所」と呼ぶようになったのはそんな経緯があるからです。〜  上の写真3枚は、その「ゆすはら座」の様子。そういった経緯から少し集中的に「まちと建築家」との関わりとしてブログシリーズで掘り下げてみたいと思います。 […]