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STEP6 工事にはどんな種類がある? 見積書から見える工事内容


工事に入る前に施工会社から出される見積書からは、1棟の家が完成するまでに、さまざまな工事があることが見えてきます。それぞれどんな工事内容なのかを、見積書の見方とともに解説しましょう。


「○○工事」ってどんな工事?


どんな内容なのか想像しにくい工事と、要となる重要な工事をピックアップして、その内容を紹介します。

仮設工事

 工事用のトイレを設置する、というイメージがあるかもしれませんが、この工事内容は多岐に渡ります。地盤調査、基礎を掘る前の整地、基礎を打つ基準となる「遣り方(やりかた)」出し、高所作業用の足場の組み立てなど、それぞれに違う職人が担当します。また工事の際必要となる基礎や木材にかけるブルーの養生シート、仮設トイレのレンタル・設置・撤去、ゴミの処分といった費用も含まれます。

基礎工事

 家を支える土台づくりが、基礎工事。地味で目立たない作業ですが、正確さを必要とする大変な作業です。ブルドーザーなどの重機を使い、細かな部分はスコップなどを使った手作業で「土工事」。その後、型枠をつくり、対震基準に適合するように鉄筋をめぐらせ、コンクリートを打設します。地盤面からの防湿や断熱方法、土台となる木材との接合(緊結)など、多くのチェックポイントがあります。まさに「縁の下の力持ち」の工事です。

木工事

 基礎工事が終了し、コンクリートの乾燥が一定レベルまで進んだあと、いよいよ本体工事の中核である木工事がはじまります。木工事は家の本体構造を築く構造工事と、その他の仕上げ的な部分の工事に分かれます。
 耐震性や、長期的な構造強度に関わる部分は特に大切。また、構造工事と同時に、寒冷地住宅では断熱・気密工事がからみ、性能面をほぼ決定づけます。断熱工事はこの本体工事の一部と見なされることが多いようですが、特殊な工法では独立した工事となる場合もあります。
 目に見えやすい仕上げ的な部分はあとからでもやり直せますが、構造工事は妥協できない部分。サッシや床材の工事などやり直しがしにくい工事も絡んできます。それだけに家づくりで最も重要なポイントなのです。

屋根板金工事

 屋根葺きと、水切りなど家へ雨水が入るのを防ぐための工事です。屋根は一年中、直射日光と雨風にさらされ、季節や時間によって非常に温度差がある過酷な場所。この厳しい環境の中で長持ちする屋根をつくるために、防水下地のしっかりした工事、さらに雨水の浸入を防ぐ板金施工を行います。
 また北国の屋根工事では、雪の問題がからんできます。雪を落とすのか、屋根に載せておくのか、融雪水として処理するのか。それぞれさまざまな方法があるので、どうしたいかによって合理的で安全な方法を選択する必要があります。

外壁工事

 「防火」の法令基準がある日本では、外壁材にも防火性が求められることがほとんどです。モルタルは表情豊かな外装材で、細かなひび割れなどが生じやすいという欠点も工法的に改善されていますが、一般的には工業製品であるサイディングなどが使われるケースが多いでしょう。とはいえサイディングの場合も、つなぎ目の部分を接着するコーキング処理が行われますが、使われる接着剤は劣化が避けられないもの。外壁に完全なメンテナンスフリーはない、と考えておくことが肝要です。

給排水衛生・暖房工事

 水まわりは「快適性」に直結する部分。そのためにも配管工事がしっかりしていることが絶対条件です。漏水事故などがあっては台無し。メンテナンス面からも最も頻繁に問題が起きやすい部分です。建て主としても、基本的な配管部位について理解しておいたほうが家を長く安心して使えます。
 もう一つ、暖房システムは寒冷地住宅では言うまでもなく要。どのような設備を選択しても、暖房費用は必ずかかってくるものなので、無駄なく、エネルギーコストが抑えられるように、そのシステムについての理解を深めておきましょう。

雑工事

 階段の手すり、床・壁の換気口の取り付け、鏡やタオル掛けなど、仕上げに行われるさまざまな工事がここに入ります。雑工事以外のどの項目にも含められないこまごまとした工事をまとめた「その他工事」といったものです。施工会社によって、ここに含まれる内容は異なります。

「坪単価」は何の金額か?

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 よく、ハウスメーカーや工務店の広告で「坪単価00万円!」とうたっているものを目にします。坪単価とは、床面積1坪当たりの工事費のこと。「工事費=住宅購入金額」と思ってしまうかもしれませんが、ほとんどの場合、この価格だけでは家は建ちません。
 家の建築には、本体工事費と付帯工事費、設計料、諸費用が必要ですが、広告などで極端に坪単価が安く、「00万円~」と最低価格が示されている場合には、その金額は「本体工事費のみ」の価格で、設備や内装などが含まれていないかも知れません。これは、坪単価の定義が法的に定められておらず、業者はそれぞれ独自のルールで単価を出しているため。「本体工事費のみ」では当然、そのままの金額で住める家にはなりません。
 どこまで含まれているか分からない目先の坪単価に惑わされることなく、工事の内容とそれに見合う金額かどうかで判断するようにしましょう。

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家づくり安心知識は、Replan北海道 vol.80Replan東北 vol.20に「家づくりスターターズBOOK」として付録されております。

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