西側は開口部を限りなく抑えて西日を防ぐ。シンプルな屋根型が特徴的なデザイン

結婚を機にやがて授かるだろう子どものことや将来同居するかもしれない両親のことなど、人生設計を話し合うなかで、家づくりを決意したご夫妻。建築家とじっくり話し合いながら、キッチンを中心とした家族がほどよい気配を感じながら過ごせる、のびやかな平屋ができあがりました。「寒くない家を」という希望を叶えるため、予算の範囲で最大限の住宅性能を備え、冬も暖かく快適な暮らしが実現しました。

◎家族構成/夫婦40代・30代、子ども1人
◎構造規模/木造・平屋建て
◎設計/菊池佳晴建築設計事務所
◎施工/(株)キクチ

冬も温かな陽射しが入るリビングから縁側へ。晴れた日には風が心地よい空間

南側にゆとりをもたせた庭を配置。ほどよく閉じた外観は平屋ならではの美しいフォルム
玄関脇には、将来の同居も考慮してSさんのご両親のための部屋を配置。バスルームやユーティリティなどへはリビングを介さずに行けることでプライバシーにも配慮
ダイニングは天井高を抑えて、落ち着いた空間に。木調の家具と白の内装で調和の取れたインテリア
屋根型がそのまま室内に反映された傾斜のついた天井。賃貸暮らしでは体感できなかったSさんの希望のひとつ
建物の中心に位置するキッチン。背後の壁は半透明のガラスをはめ込み、子ども部屋の気配が感じられるようにプランされている
ダイニングの南側に設けられた書斎スペースは、将来的には子どもたちの勉強部屋や奥さんの仕事部屋として利用される想定
リビングの大きな開口部にはトリプルガラスの樹脂サッシを採用。Sさん自らも勉強して、住宅性能については予算の範囲で最大限のスペックを希望した。冬も暖かいリビング・ダイニングが実現した
キッチンの上部に設けられたトップライトによって、どんな天気でもLDK全体は明るく
子ども室は中心で間仕切れるように設計されている。北側に面しつつも、ハイサイドライトと地窓によって明るい室内
両親のための部屋は、現在は孫の顔を見に来る際の寝室として活用されているそうだ