南東側に庭スペースを広く残す配置計画とし、二つのテラスを介して内と外を緩やかにつなぎ、住まい手の暮らし方や家族構成、生活スタイルの変化に応える、伸びやかでゆとりある南幌町らしい住環境(屋外も含めた)をつくります。また生活動線にできるだけ素直な平面計画にし、空間用途ごとにまとまった収納スペースを設けることで、暮らしやすさも大切にしています。
周囲に気兼ねなく屋外に洗濯物を干せる専用スペースがあり、脱衣室とは別に設けた広めの洗濯乾燥室が、雨の日の物干しや普段のユーティールームになります。将来を考慮し軽微な工事で、トイレは介助が必要になった際に洗面と一体の空間に、子供部屋は間仕切り壁を外し一室の広い寝室として利用することも。家族の暮らしと変化に寄り添う住宅です。
外皮UA値0.28以下、太陽光パネルを屋根と壁面に設置し冬場の発電も期待。蓄電池やEV充電設備、HEMSを併用し効率的な自家消費を行い、将来の薪ストーブの設置も想定しています。また、仕上げ材だけでなく構造材にも道産木材を使用します。南側は深い庇で日射侵入を抑制し、リビング上部の北向きのハイサイドライトから安定した光を取り込みつつ、煙突効果による自然換気で室温上昇を抑えます(北方型住宅ZEROのポイント数約20)。様々な設備や設え、暮らし方、地元素材の積極的な活用でCO2排出量の削減や地域経済の循環に貢献します。