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スマイルプロジェクト100のメッセージ

Replan北海道 100人スマイルプロジェクト

NPO住宅110番とReplan北海道がその趣旨に賛同し、取り組みを進めてきた「スマイルプロジェクト」。
皆様の善意が形となった作品が完成し、このたび宮城県石巻市の北上小学校に寄贈してまいりました。
2013年5月20日に行われた贈呈式の模様をレポートします。

北上小学校写真新設された北上小学校。ボランティアの人たちが掃除をし、ペンキを塗り替えるなどして開校の日を迎えたそうです

被災地の子どもたちに笑顔を…。 作品に込められた100の想い

札幌の企業、Sachi&Akiコーポレーションが取り組んでいる「スマイルプロジェクト」は、言葉を使ったアートの力で、被災地の子どもたちを支援することを目的とした活動。たくさんの人々の言葉を集めて一枚の絵のように仕上げた作品を、子どもたちの元へ届けることで、少しでも元気と笑顔を取り戻してもらえたら…、との思いで2012年3月にスタートし、今回で第3弾となります。

Replan北海道が創刊100号を迎えるにあたり、NPO住宅110番とReplan北海道はこのプロジェクトに賛同。「Replan北海道 100人スマイルプロジェクト」と題し、インターネットやイベントなどの場で100人分の言葉と参加費を募集してまいりました。そしてこのたび、たくさんの方々にご参加いただき、100人のメッセージが形となった作品が完成。快く寄贈を受け入れていただけることとなった宮城県石巻市の北上小学校で、去る5月20日、贈呈式が行われました。

Kouhiさんと三木理事長Kouhiさんと三木理事長から、代表児童に作品が手渡されました

新たな歴史を刻む北上小の児童へ 心と心をつなぐ言葉でエールを

北上小学校は、今年4月に開校したばかりの学校です。震災前、石巻市北上地区には3つの小学校がありましたが、そのうちの相川小学校と吉浜小学校は津波で校舎が全壊。両校は被災を免れた橋浦小学校の校舎を間借りして授業を行ってきました。そして今年4月、3校の統合により、旧橋浦小の校舎を利用する形で、北上小学校が新設されたのです。

うららかな陽気の中、行われた贈呈式には、全校生徒130名が参加。橋本惠司校長から「みんなに元気になってほしいというメッセージを100人の人から集めて、すばらしい絵にして届けていただきました」と紹介を受けた後、NPO住宅110番理事長・三木奎吾が壇上に立ち、「みなさんの元気そうな顔が見られてほっとしました。ぜひこの作品を見て、感じてもらえるものがあればうれしいです」と児童たちに語りかけました。作品を手がけた作家のKouhiさんは、「今日、私は北海道の100人の方の代表として、この作品を届けに来ました。北海道からいつもみんなのことを思っています」と話し、作品について子どもたちに説明する際には、感極まって声を詰まらせる場面もありました。作品を手渡された代表児童は、「北上小学校のために北海道から来ていただきありがとうございます。いただいたメッセージを大切にしていきたいと思います」と力強く語ってくれました。

北上小学校学生たちと記念写真一人一人に小さな花を持ち寄ってもらうように、100の言葉によって描き出されたカラフルな作品。青は海、ピンクは幸せ、オレンジは活気ある町、黄色は光、緑は大地を表現しています

100人のメッセージを見る児童作品を見つめる児童たち。笑顔になれる言葉は見つかったでしょうか?

作品は昇降口奥の目立つ場所に飾られ、さっそく足を止めて見入る児童の姿も。新たな歴史を刻み始めた北上小の子どもたち一人ひとりの心に、作品を通してささやかな希望の光を灯すことができれば、これ以上の喜びはありません。

Sachi&Akiコーポレーションでは、これからも「スマイルプロジェクト」を継続していく意向とのこと。NPO住宅110番とReplan北海道も、微力ながら今後ともこのプロジェクトを応援していきたいと思っています。

Sachi&Akiコーポレーション Kouhiさん

北上小学校 校長 橋本 惠司さん

NPO住宅110番 理事長 三木 奎吾

(有)ササキ設計 佐々木 文彦さん

Sachi&Akiコーポレーションホームページ:http://www.sachiaki.co.jp/
(有)ササキ設計:http://www.sasakisekkei.co.jp/

「スマイルプロジェクト」の第3弾は、NPO住宅110番とReplan北海道の多大なるご協力を得て実現いたしました。本日、北上小学校での贈呈式に立ち会わせていただく機会にも恵まれ、大変うれしく思っております。

今回寄せられた100のメッセージの中で、一番多かった言葉は「笑顔」、その次に多かったのが「未来」です。みなさんが被災地のことを思い、どういう言葉であれば気持ちを伝えることができるかを考えた結果、紡ぎ出された言葉なのだろうと思います。作品にするにあたっては、預かった言葉を大切にし、お一人お一人の想いを込めるようにしました。100の言葉の中から、子どもたちが1つでも勇気づけられたり癒されたりする言葉を見つけることができたら、このプロジェクトは成功なのではないかと思っています。

真の復興にはまだまだ時間がかかるかもしれませんが、5つの色で表現した故郷の光景を一日も早く取り戻せるよう、北海道から応援しています。

震災後2年が経っても、こうして被災地を気にかけていただき、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。一方で、100人ものメッセージをどういう形で絵にして贈っていただけるのか、非常に楽しみでもありました。今日、初めて拝見いたしましたが、カラフルで元気が湧いてくるような作品ですね。100の言葉の中には「笑顔」と「未来」というフレーズが多く入っていると伺いました。実は北上小のキャッチフレーズは、「笑顔いっぱい北上小」「未来を創る北上っ子」なんです。言葉を寄せてくださった北海道の方々の想いとリンクしているようで、胸が熱くなりました。

さまざまな支援のおかげで物資面はだいぶ整ってきており、これからは「心」の支援が重要だと考えていた折、こうした作品を寄贈していただき、とても感謝しております。みなさんからのメッセージは子どもたちの心にきっと伝わることと思います。今後とも北上小と子どもたちを温かく見守っていただければ幸いです。

KouhiさんとReplanのスタッフが友人関係だったことから、今回、Replan北海道創刊100号記念イベントの一環として「スマイルプロジェクト」に参加、NPO住宅110番も活動に協力してまいりました。そして、建築家・佐々木文彦さんのご仲介により、本日、北上小学校に作品を寄贈させていただく運びとなりました。多くの方々とのご縁とお力添えによって、このようなプロジェクトを実現することができたこと、本当に感謝しております。特に今回は、北上小学校という新設された学校で、児童のみなさんの記憶に残るような形で支援ができることを、大変ありがたく思っております。

地域に希望をもたらすのは、子どもたちの笑顔です。子どもたちの成長こそが、復興への一番の大きな力です。悲しい出来事を乗り越え、未来へと立ち向かっていく北上小の児童さんたちに、北海道の地にも応援してくれる人たちがたくさんいることを、この作品を通して伝えられたらうれしいですね。

私は今回のプロジェクトで北上小学校との橋渡し役を務めました。きっかけは、お付き合いのあったReplan東北のスタッフの方から「寄贈を受けてくださる学校をどこか紹介してもらえませんか」という相談を受けたこと。そこで当時、相川小学校の校長を務めておられ、復興支援を通して顔なじみとなっていた橋本先生をご紹介しました。橋本先生に快諾していただいたことで、今回のプロジェクトが実現に至ったのです。

実は私も津波で流出した相川小の卒業生。また、自宅兼事務所は相川小のすぐそばに建っており、やはり津波で流出しました。今回のプロジェクトは、OBの一人として、被災者の一人として、地元の子どもたちに対して大きな励みになるものだと、心から感謝しております。

北上地区は昔から人と人とのつながりが密な地域。 そのため、震災からの立ち直りも比較的早かったのだと思います。北上小の児童のみなさんには、地域を誇りにぜひ大きく羽ばたいてほしいと願っています。