住宅雑誌Replan（リプラン）

無垢材の魅力を最大限に生かした
本格的な和室を備える2世帯住宅

上士幌町・Ｉさん宅　家族構成／夫婦60代、子ども1人
設計・施工／（株）とかち工房

　この6月に完成した延床80坪超の建物は、1階にIさんご夫妻の居住スペース、2階に息子さんの居住スペースを設けた2世帯住宅です。
　無垢材を生かしたゆとりある空間の中で最も目を引くのが、リビングに隣接する2間続きの和室。福島県から移住したご先祖から数えて、Iさんは4代目。新築にあたっては「一族が集う場として、2間続きの和室が欲しい」と考えていたそう。また奥さんは、ご先祖が残した古道具に触れたのがきっかけで、骨董や木の温もりに魅せられたと言います。「いつかは無垢材をたっぷり使った家を建てたい」。質の高さにこだわったその願いを実現するため、音更町の天然無垢材専門店「木蔵」に通い、気に入った無垢板を集めました。
　新居のシンボルである和室は、そんなご夫妻の夢の結晶。エンジュの床柱にニレの床板、オンコの幕板、イグサを用いた昔ながらの畳、松竹梅の欄間。貴重な天然素材を多用した和室は、自慢のもてなし空間となりました。「とかち工房さん、木蔵さんがタッグを組んで、私たち夫婦の長年の願いを実現してくれました。じっくりと腰を据えて仕事をしてくれたおかげで、何ひとつ不満のない終の棲家ができ、感謝しています」。