庇の下の縁側は社交の場。川に面した入り口は古い建具を使っているので低く、潜り戸のような風情が

敷地の北側は古くからある閑静な住宅地、川を眺めながら仕事や生活ができる環境と祖父母から譲り受けた築120年の古民家の材料をできる限り再利用したいという希望のもと、「新築だけど、新しい中に懐かしい物を取り入れて、緊張せずに過ごせる空間にしたい」という想いを実現した住まいです。居住スペースのほか、喫茶店やレンタルスペースとして使用する予定の土間と板の間を設け、地域に開いた空間となっています。

◎家族構成/本人40代
◎構造規模/木造・2階建て
◎設計/(有)SOYsource建築設計事務所
◎施工/(有)大坊建設
レンタルスペースとして使用予定の広間。床は建具の色に合わせて塗装した。正面に見える薪ストーブひとつで家全体が暖まる

土手に面した掃き出し窓からの眺めはのどか。天気のいい日はきらめく川面が美しい。通学や散歩で通りかかる人との会話も弾む

梁、柱、床板、建具は親戚宅から譲り受けたものをパズルを組み合わせるように使用

こぢんまりして落ちつく屋根裏に、パソコンを持ち込んで仕事をすることも。上り下りは梯子で
土間に置いた家具は弘前市の古家具店greenfurnitureで買い揃えたもの
キッチンのシックなタイルはLIXILのショールームで一目惚れ。窓辺にはお気に入りのガラス類を飾っている
廃業した銭湯から譲り受けたという畳ベッドの木枠にブルーグレーの畳表の畳をオーダーしてはめ込んだ
洗面スペースの壁の鏡はgreenfurnitureに依頼して囲炉裏の枠をリメイクしたもの
古い建具は洗浄と調整をしてもらい、そのままのサイズで使用。バラバラで不揃いなガラスがいい雰囲気に
公道と住宅街に面している北向きの玄関側は、プライバシー保護と寒さ対策のため、開口部を抑えめに。外壁は無塗装のスギ材