2階から光庭を見る。吹き抜けとハイサイドライトからの外光が、床面積では計れない心地よさをつくりだしている

札幌都心、住宅密集地の一角に建つ28坪の住まい。土間の小さな緑がガラス越しの緑とつながる「光庭」には、「緑を楽しめる家にしたい」という願いを叶えるため大きなフィックス窓が設置されています。限りある予算と敷地を最大限に生かしながら、デザイン的にも美しい建物を実現したいという思いがつまった美しい空間となりました。

◎家族構成/夫婦40代、子ども1人
◎構造規模/木造・2階建て
◎設計/(株)アカサカシンイチロウアトリエ
◎施工/(有)脇坂工務店

大きなガラス面が家の内外の境界をにじませ、光庭に明るさと広がりを与える。土間の木は日常の管理がしやすいよう、あえて鉢植えを採用
光庭のシマトネリコ、フィックス窓越しの夏椿の緑が、階段を伝うように光とともに2階へもにじむ
2階リビング・ダイニングからつながる階段を上り、光を通すエキスパンドメタルを採用したキャットウォークのような通路を抜けると、屋上に出る
キッチンの真上に設けた屋上には地窓を設け、光と緑の気配を階下に送り込んでいる
吹き抜けに面してしつらえたリビングは、床高を下げて間仕切り。
光庭と水まわりの中間に設けた主寝室は、カーテンだけで間仕切り。コンクリートの床には床暖房を採用し、冬は足元から暖かい
窓の外に小さな庭を備えた1階の造作バスルームは、奥さんのお気に入り。これから大好きな紫陽花を植える予定だそう
隣接する建物からの視線を遮るフェンスを設けた屋上テラス。将来、緑化工事ができるように水道配管や屋根の防水処理などをしてある
コンクリート基礎の一部に植栽スペースを設け、夏椿を植えた。白いガルバリウム鋼板に映える明るい緑が、家の内外をつないでいる