歯科クリニックを併設したこの住宅は、函館市内の新興住宅街の一角に建つ。全体のボリュームを10坪程度の直方体6つに分け、それらを敷地の形状や方位、環境に馴染ませるよう扇状に開いた設計

函館市内の新興住宅街の一角に建つ、歯科クリニックを併設した住宅。全体のボリュームを10坪程度の直方体6つに分け、それらを敷地の形状や周囲の環境になじませるように扇状に配置しています。住宅部分は主道路側から見て奥に配置することでプライバシーを確保。LDKのある2階は南に大きく開いた明るく開放的な空間。リビングからは南側に函館山、北側に駒ヶ岳を望むことができ、四季折々の変化を感じることができます。

◎家族構成/夫婦30代、子ども3人
◎構造規模/木造・2階建て
◎設計/弘田亨一設計事務所 弘田 亨一
◎施工/(株)山建中川組

住居部分の玄関まわり。2つのボリュームが30度の角度を持って開いている
玄関ホールはゆとりのある広さを確保。建物に備わる鋭い直線と、螺旋階段のたおやかな曲線のコントラストが、空間の重層感を演出する
ダイニング・キッチンゾーンは床材の張り方に変化を持たせ、ヘリンボーン柄に。テラスと床レベルを合わせることで、外との自然なつながりが感じられる
リビングの南側に開いた大きな窓からは函館山が見え、30度の角度がプライバシーの確保と、四季を感じられる暮らしの豊かさの両立を実現。また床レベルをリビングから階段ホール、ダイニング・キッチンへと1段ずつ上げることで、空間を緩やかにゾーニングしている
キッチンまわりは奥さんの要望を叶えるため、何度も検討を重ね完成させた。くの字型の作業台は、フルオーダーメイド。ダイニングとキッチンの壁面いっぱいに、4枚引き戸で目隠しできる大容量の収納棚を設けた
全体的に北欧デザインを意識したという内装は、以前Kさんが住んでいた岩手県盛岡市の家具屋さんのアドバイスを受けてコーディネート。壁材はクリニック・住居ともに、カラーバリエーション豊富で独特の風合いが楽しめる、ポーターズペイントで仕上げた
リビングの一角には小上がりの和室を併設。シックなボルドー色が空間のアクセントに
Kさんが仕事とプライベートで気持ちを切り替えやすいよう、クリニックと住居は基本的に屋内ではつながらない設計とした。唯一、テラスを介して行き来ができる
廊下に沿って、光が安定する北側に診察スペース、その向かい側にスタッフの作業スペースを配した
診察スペースおよび診察室はそれぞれ、出入り口上に付けたサインと壁の色で差別化。サインは、このクリニックのために建築家が知人のデザイナーと考案したもの
診察スペースおよび診察室はそれぞれ、出入り口上に付けたサインと壁の色で差別化。サインは、このクリニックのために建築家が知人のデザイナーと考案したもの
2階建ての住居部分は、プライバシーに配慮して主道路から見て奥、住宅街の中の道路沿いに配置。デザイン性とコストを検討し、外壁には金属サイディングを採用した