規格住宅「美しい小さな家」は、地域工務店が提供する高気密・高断熱かつ高品質にこだわり、住み継がれる価値のある本物の家です。その開発経緯やコンセプト、特徴などを商品企画・資材供給元である北洲の池田 信さんと及川寿志さんにお聞きしました。

CONCEPT コンセプト

リプラン
 
池田さんは「美しい小さな家」に開発段階から携わっているそうですね。
池田
 
はい。「美しい小さな家」は、北洲が商品の企画と資材供給を行い、加盟の地域工務店が受注し施工する点が大きな特徴です。弊社が商品企画に携わり、商品を持たない地域工務店に仕事を生み出してもらうことを目的に、2008年にスタートしました。設計を担当したのは、北洲の家に40年以上携わり、北洲の思想やデザインを確立した牧子芳正設計士(開発時は北洲総合研究所 設計顧問)です。
リプラン
 
当初のコンセプトは、どういったものでしたか?
池田
 
一言でいえば、「暖かく包み込む三角屋根のコンパクトな家」です。古民家を思わせる大屋根と吹き抜け天井を設けたノスタルジックなデザインが特徴で、せがい造りや出し桁工法などによりディテールの美しさを追求しています。サイズも少人数世帯に最適な30坪以下に抑え、金銭面での大きな負担がないこと、安全で暖かく快適なこと、そして次世代にも残る上質な家であることを目指しました。

どこか懐かしい、それでいて新しい。
美凛 SERIES

伝統的な日本の建築様式である、出し桁工法の「せがい造り」を取り入れることで、懐かしさと格式高さをもたせた住まいです。シンプルながら大きく架けられた屋根は、落ち着いたデザインにより美しい街並みを創出。さらには高性能や現代の技術を合わせることで実現した大きな吹き抜け空間が住む人を優しくもてなします。ソファや椅子に腰を掛けて天井を見上げると一層、大きな屋根に包まれている感覚を味わうことができます。

Point.01 大屋根デザイン
家の絵と言えば、子どものころ描いた大きな三角屋根のものを誰もがイメージすると思います。いつまでも飽きがこない大きな屋根に守られているような安心感を得られるデザインです。
Point.02 素焼きタイル
半永久的にメンテナンスが不要な焼き物である石器質タイルを標準採用しております。数十年経過しても建物が古ぼけることなく、タイルの味わいが増してくることでしょう。
Point.03 深い軒下空間
ベンチを置いてコーヒータイムを。ウッドデッキに腰を掛け、ペットや子どもと過ごすひとときを。雨風をしのぐだけでなく、暮らし方次第で使い方が無限に広がります。

EVOLUTION 進化

リプラン
 
現在に至るまでの変遷を教えてください。
池田
 
近年、暮らし方や好みは多様化しており、従来の三角屋根の『美凛』シリーズ1本ではユーザーの要求に応えきれなくなっていました。また地域工務店においては、コロナ禍や原価高騰といった逆風により、仕事が取りづらい状況が続いています。そこで受注拡大につながるよう、2021年より3つのシリーズ商品を追加しました。
リプラン
 
商品企画は池田さん、及川さんのお二人で担当されたのですか?
及川
 
そうです。インダストリアルテイストの「SUPERB(スパーブ)」、日本人が好む和の要素を取り入れた「ニホンノイエ」、北欧デザインの「Etre!(エトレ)」と、選べる3シリーズを新たにラインナップしました。それぞれ特徴的なデザインですが、コンパクトサイズ、手の届く価格、高性能・高品質という開発時のコンセプトは踏襲しています。各シリーズに10の間取りプランを用意しており、色やデザイン、設備機器は厳選された商品の中から選択が可能。規格住宅でありながら注文住宅に近い自由度の高さが魅力です。

自宅で愉しむ、自宅を楽しむ。
SUPERB SERIES

住まいは建てて完成ではありません。そこで暮らす人々が心地よく生活し、その暮らし方に住まいがなじみ、汚れ一つでさえ思い出となる頃に初めて完成となるのです。自分自身が好きなものや空間・時間を“愉しむ”。そして、家族や知人もそこでの時間を“楽しむ”。自宅での時間がかけがえのない有意義なものとなりますように。新しいものが手に入りやすい中、長く暮らす家だからこそ、新品でも「新品臭さ」を感じさせない空間づくりをコンセプトとしています。

Point.01 洗練されたシャープなデザイン
スパンドレル調のシャープなラインが魅力的な金属サイディングが外装材のメイン。また退屈な建物にならないよう、アクセントとして木目調を採用するほか、軒を出すデザインで重厚感を演出しています。
Point.02 自分時間を愉しむ
趣味は住む人によって十人十色。想いを込めた住まいだからこそ、自分のお気に入りに囲まれた愉しい時間を過ごしてほしい。童心に帰り、趣味に没頭できる自分だけの空間を提供します。
Point.03 内と外をつなぐ間取り
家は、寝食するだけの箱として完結させてはもったいない。家族の時間や仲の良い友人との時間を楽しむため、ウッドデッキやタイルデッキを介して、内と外をつなぐ空間を間取りに反映しています。

QUALITY 品質

リプラン
 
品質へのこだわりについて教えてください。
及川
 
まず一つには、耐久性が高くメンテナンスがほとんど不要の素材を使用していることにあります。どのシリーズも屋根は陶器瓦が標準仕様。外壁は『美凛』がタイル張り、『ニホンノイエ』が左官仕上げによる塗り壁を採用しています。フローリング材には、北洲が日本総輸入販売元であるベルギー製のラミネートフロア「PERGO(ぺルゴ)」を使用。耐摩耗性、耐衝撃性、耐水性に優れ、限りなく天然木に近い“究極の木質感 〟を実現した床材です。
リプラン
 
選べるオプションも多彩ですね。
池田
 
そうなんです。中でも照明、カーテン、家具、外構については、その道の専門業者と提携し、高付加価値商品をオプションでご提案しております。優先順位が低くなりがちな部分ではありますが、この4つをきちんと整備することで家の上質感や心地よさは劇的に変わるもの。プロの手を通したトータルコーディネートにより、建物のポテンシャルを最大限に引き出し、クオリティーの高い家を実現いたします。

暮らしにゆとりを。新基準、日本の家。
ニホンノイエ SERIES

日本の家には風情や情緒を感じさせる良さがあります。しかし、住宅先進諸国の中で快適性は劣るともいわれています。和の要素を取り入れながら、高性能を追求することで快適性を高め、大きな家でなくとも暮らしにゆとりを感じられる住まいです。自宅時間が長くなりつつある近年、心穏やかにリフレッシュできるような住まいづくりをコンセプトとしています。和風だけれど和風過ぎない、新たな日本の家をお届けします。

Point.01 塗り壁・伝統色
建物にやわらかい印象をもたらす塗り壁には、アクセントとして日本の伝統色を採用。耐久性の高い塗り壁材に、低汚染性のあるトップコートを施し、美しさを保つ配慮もしています。
Point.02 通り土間
玄関ドアを開けるとそこには、中のような外のような曖昧さを感じる空間が広がります。リビングに入る前にほっと一息つける、日本の住宅の情緒を感じられる、そんな和の設えがあります。
Point.03 ただいま手洗い
近年、生活様式の変化で一番に挙げられるのがウイルス感染予防対策ではないでしょうか。玄関ホールにはニホンノイエオリジナルの手洗いカウンターを設置しています。

PERFORMANCE 性能

リプラン
 
住宅性能にも大きなこだわりがあるそうですね。
池田
 
「北国にこそ豊かな住まい文化をつくろう」という北洲創業者の想いを、「美しい小さな家」もしっかりと受け継いでいます。躯体を支える構造部材のプレカットや屋根、外壁、断熱などに関わる工事は弊社が施工し、品質の均一化を図っています。特に暖かさに直結する断熱工事については、美しい小さな家を知り尽くした断熱専門のプロが担当。これにより、北海道基準を上回る性能を実現しています。また、室内の温熱環境を安定させることで、環境ストレスや光熱費の軽減、建物そのものの耐久性の向上など、さまざまな効果が期待できます。
リプラン
 
その他、断熱性能を高める工夫は?
及川
 
高断熱玄関ドア、断熱樹脂サッシとペアガラスを標準仕様としています。さらにオプションとして、トリプルガラスのサッシや付加断熱を採用することも可能です。断熱は住む人の健康や快適性に最も影響する部分。その断熱施工の質を高めることで、数値だけでは表せない安心や安全、心地よさを追求しています。

自然に同調し、やがて景色となる。
etre! SERIES

北欧の住宅で見られるシンプルで大きな屋根を架けた、包み込まれるような外観デザイン。優しく迎え入れてくれるようなインテリアテイスト。時が経つことが楽しみになるナチュラルな住まいを追求しています。住まいは自己主張するのではなく、自然に同調し周りに溶け込むことこそが「美」であると考えます。その中で、さりげなく自分らしさを表すことで美しい街並みをつくり出す。「Etre!」が織りなす街並みは、美しい景色となることでしょう。

 
Point.01 北欧デザイン
ヨーロッパの住まいの美しさの一つは、等間隔に配置され、花で彩られた窓のデザインにあります。配列に気を配り、フラワーボックスを標準設定、ドレーキップ窓を採用するなど、外観の美しさにもこだわりを持っています。
Point.02 ラップサイディング
ざらっとした木の手触りやテカリのない質感、そして立体感。超親水性の特殊コーティングや耐候性の高いクリア塗装を施し、つなぎ目が気にならない加工など、見た目にもメンテナンス性にも富んだ外装材を採用しています。
Point.03 健康志向の室内塗り壁
結露抑制効果や調湿効果が期待できるなど、健康志向の珪藻土を配合した塗り壁を標準採用しています。左官職人の手仕事による仕上げにより、オンリーワンのナチュラルなインテリア空間を演出します。

地域工務店×住まい手×北洲の三方良しを追求

美しい小さな家は、「地域工務店が住まい手と打ち合わせをして間取りやデザインを決定し、契約を結ぶ」→「その内容に応じて、北洲が資材を供給する」→「その資材を使って地域工務店が家を建て、住まい手に提供する」という流れで成り立っています。

この規格住宅は、住まい手・地域工務店・北洲の三方良しを追求して開発されました。中でも大きなテーマの一つは「地域工務店の活性化、地域産業の市場創造」です。地域工務店は建てるのに必要な資材・住宅部品を共同購入できるので、同じ価格でもより良質な商品をユーザーに提供できます。個々の工務店独自での商品開発の必要がないため住宅建築に注力でき、北洲からの広告宣伝支援によって、より多くのユーザーにこの住宅をPRすることも可能です。

住まい手にとっては、高品質・高性能な家を手の届きやすい価格で建築できるのが最大のメリット。規格住宅でありながら自由度の高い家づくりができることや、施工が身近な地域工務店なので相談しやすく、アフターフォローの面でも安心、といった点も大きな魅力です。

加盟店一覧はこちら▶ https://www.utukushii-chiisanaie.jp/builder

規格住宅(企画住宅)とは? 

一般的に規格住宅(企画住宅)というと、画一化されたプラン・仕様でつくられた建売住宅を連想し、住む人々が家に合わせて暮らしていくようなイメージが強いと思います。しかし規格住宅(企画住宅)とは、間取りやデザインに一定の規格が定められており、複数の選択肢の中から希望のタイプを選ぶ仕組みの住宅。一部仕様にはオプションがあり、ある程度アレンジしていくことも可能で、時間とコストを抑えながら家づくりができます。

そこで、地元に根ざし、気候風土を知り尽くした地域の工務店・ハウスビルダーが提供する規格住宅(企画住宅)は、さらに一味違う良さがあります。豊富な注文住宅づくりの実績で培われた設計力・技術力をベースにつくられた多様性のあるプランは、さまざまな住まい手に寄り添えます。そして、ビルダーや工務店の色が現れる素材づかいなどは、規格ながらもオリジナリティーのある住まいを演出できます。

地域の工務店・ハウスビルダーによる「自由度とコストを両立させた規格住宅(企画住宅)の提案」に注目です。