太陽光を最大限に活用した
光熱費のかからない家を目指して

新居の建築にあたり、Kさんが漠然と思い浮かべていたわが家像は、省エネで暖かく暮らせる住まい。住み心地や経済性を左右する住宅性能には、しっかりと予算を充てようと考えていました。

大きな片流れ屋根とオビスギをアクセントに用いた外観が、隣接する公園の景色に溶け込むようなKさん宅。大屋根には、36枚の太陽光発電パネルが搭載されている
大きな片流れ屋根とオビスギをアクセントに用いた外観が、隣接する公園の景色に溶け込むようなKさん宅。大屋根には、36枚の太陽光発電パネルが搭載されている
庇の上には、自家消費専用の太陽光発電パネルを設置。冬季の積雪に備え、融雪ケーブルも実験的に採用した
庇の上には、自家消費専用の太陽光発電パネルを設置。冬季の積雪に備え、融雪ケーブルも実験的に採用した
渡り廊下の壁面に設置された蓄電システム。定格容量で7kWhの蓄電池を2台設置し、夜間の自家消費に備えている
渡り廊下の壁面に設置された蓄電システム。定格容量で7kWhの蓄電池を2台設置し、夜間の自家消費に備えている

これからの住まいづくりについて調べるほどに、エネルギーの自給自足を目指す発電・蓄電設備にまで興味がどんどん広がっていったというKさん。そこで住宅性能に定評があり、ZEHの実績も豊富なキクザワに新築を依頼し、最高レベルの住宅性能を備え、太陽光発電をフル活用する新居のプランづくりに二人三脚で取り組みました。

玄関はLDKにそのままつながる。玄関ホールには、目隠しを兼ねた収納を造作。土間続きに、シューズクロークも設けられている
玄関はLDKにそのままつながる。玄関ホールには、目隠しを兼ねた収納を造作。土間続きに、シューズクロークも設けられている
天井高を抑えて、落ち着いた雰囲気を演出したダイニング・キッチン。テーブルはキッチンの横並びに配置して、すっきりと納めた
天井高を抑えて、落ち着いた雰囲気を演出したダイニング・キッチン。テーブルはキッチンの横並びに配置して、すっきりと納めた
料理好きなご夫妻の要望でガスコンロを採用したキッチン。造作背面収納のほか、パントリーも設け、美しさと機能性を兼ね備えた
料理好きなご夫妻の要望でガスコンロを採用したキッチン。造作背面収納のほかパントリーも設け、美しさと機能性を兼ね備えた
最大5.65mの吹き抜けが心地よいリビング。造作テレビ台の壁には木毛セメント板を採用。左右の通路は玄関に通じる
最大5.65mの吹き抜けが心地よいリビング。造作テレビ台の壁には木毛セメント板を採用。左右の通路は玄関に通じる

新居は、UA値0.19、C値0.15という高い断熱・気密性能に加え、送電網から独立させた自家消費専用システムを設けて家電や蓄電池に利用し、電気自動車から住宅に配電できるV2Hシステムを導入しました。そしてキクザワ初の試みとして、寒冷地用エアコン1台で約46坪の空間を十分に暖房できるオリジナルの全館空調システムも採用。パネルヒーターを採用するセントラル暖房に比べ、コストを大幅に削減しながら、快適な室内環境が実現できました。

車と家で、お互いに電気のやりとりができるV2H(Vehicle to Home)設備はガレージ内に備えた
車と家で、お互いに電気のやりとりができるV2H(Vehicle to Home)設備はガレージ内に備えた
小屋裏を利用した全館空調の機械室に設置したエアコンからの暖冷気は、第1種換気のダクトを通じて各居室へ送られている
小屋裏を利用した全館空調の機械室に設置したエアコンからの暖冷気は、第1種換気のダクトを通じて各居室へ送られている
6kw弱の自家消費用太陽光発電でつくった電気が家電製品などに使えるよう、室内には専用コンセントを設置
6kW弱の自家消費用太陽光発電でつくった電気が家電製品などに使えるよう、室内には専用コンセントを設置

家族で育む楽しみを残した
余白も大切に考えた家づくり

高い住宅性能とエネルギーの自給自足に徹底してこだわった一方で、Kさんには、家族がお互いの存在を感じつつ、それぞれの時間を楽しめる居場所を備えたいという希望がありました。

リビングから続く吹き抜けを設けた通路は、水まわり、寝室へとつながっている
リビングから続く吹き抜けを設けた通路は、水まわり、寝室へとつながっている
「子どもたちが自分で身支度を整えられるように」と、家族それぞれに専用のハンガーラックを造作したユーティリティ
「子どもたちが自分で身支度を整えられるように」と、家族それぞれに専用のハンガーラックを造作したユーティリティ
ユーティリティの洗面台横に設えた造作収納には、3匹の愛猫たちのトイレもすっきりと収納
ユーティリティの洗面台横に設えた造作収納には、3匹の愛猫たちのトイレもすっきりと収納

設計を担当した菊澤章太郎さんはその希望に応え、奥行きのある建物の形状を生かし、1階はオープンなLDKから水まわり、寝室へとつながり、パブリックからプライベートへ、生活空間を緩やかにゾーニング。半地下にはKさんの趣味室兼書斎、中2階には子どもたちの遊び場となる和室、2階には奥さんの趣味室を設けました。

半地下を利用して設けたKさんの趣味室兼書斎。趣味のギターを楽しむために、壁には簡易防音を採用。心置きなく自分の世界に浸れる
半地下を利用して設けたKさんの趣味室兼書斎。趣味のギターを楽しむために、壁には簡易防音を採用。心置きなく自分の世界に浸れる
トップライトと採光窓から入る外光は、2階階段ホールに面した吹き抜けを伝って階下に降り注ぐ
トップライトと採光窓から入る外光は、2階階段ホールに面した吹き抜けを伝って階下に降り注ぐ

そして造作はつくり込み過ぎないことを心がけました。「住まいづくりは出来たときが完成じゃないので、ご家族で暮らしながら、変化を楽しみながら、ゆっくり育てていただきたいと思っています」と菊澤さんは話します。

中2階に設けた和室の木製飾り扉の奥に、全館空調の機械室が設えられている
中2階に設けた和室の木製飾り扉の奥に、全館空調の機械室が設えられている
将来、2室に分離することを想定した子ども部屋は、Kさんが語る「余白のある家」の象徴的スペース
将来、2室に分離することを想定した子ども部屋は、Kさんが語る「余白のある家」の象徴的スペース
「最も景色の良い場所に、自分の時間が楽しめる空間がほしい」という奥さんの要望で、2階奥に設けた趣味室。カフェのような造作カウンターは、木目が美しいシウリザクラ
「最も景色の良い場所に、自分の時間が楽しめる空間がほしい」という奥さんの要望で、2階奥に設けた趣味室。カフェのような造作カウンターは、木目が美しいシウリザクラ

道産ナラ無垢材の床、珪藻土の壁、タモ材を基本とした造作家具。太陽の恵みとキクザワらしい自然素材に包まれたシンプルな空間は、いまだ発展途上。これから家族の暮らしに磨かれ、彩られて華やかな表情をまとっていくことでしょう。

長く住み続けるマイホームだからこそ機能や性能など、目には見えない部分を大事にした、経済的にも環境的にも負担が少ない家が良いと考えていました。高性能住宅にこだわり続けてきたキクザワは、ZEHを数多く手がけた豊富な経験と知識も頼もしく、理想の住まいを一緒に追求していける最高のパートナーでした。おかげで、高性能・高機能ながら、子どもたちが安心して過ごせる環境を未来へ引き継げる、脱炭素化を意識した家づくりが実現できました。(Kさん談)



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