毎冬、山スキーやクライミングを楽しむために北海道を訪れていたというMさんご夫妻。「山とともに生きたい」と、住み慣れた東京からの移住をご主人が提案したのは、3年ほど前のことでした。

玄関を開けると広がる広々とした土間は、玉砂利の洗い出し仕上げ。料亭のような品のある和のイメージを演出している

「驚いたけれど、北海道は何度も遊びに行っていたし抵抗はなかったです。悩んだのはニセコ町にするか、東川町にするかということくらいかな」と奥さん。「土地探しを兼ねた道内旅行中、ニセコの町を車で走らせていたら『売地』の看板が目に留まったんです」。

スキー好きの友人が大勢宿泊に来るというMさん宅。和室は来客用の寝室となる
スキーやクライミングなどに使用する道具がぎっしりと置かれた1階の小部屋。「妻には趣味部屋と呼ばれています(笑)」とご主人

羊蹄山が目の前に広がるロケーションにMさんご夫妻は一目惚れ。巡り合わせに運命を感じながらすぐに土地を購入し、インターネットで建築会社を探していたところ、好みの住宅を発見。それが、ヨシケン一級建築士事務所との出会いでした。「早速連絡をして、手がけた家を実際に見てみたいとお願いしたところ快諾してくれたんです」。

大自然を感じるLDK。冬になると暖炉のある暮らしが始まる。奥の石積みの壁は、ご主人のこだわりから生まれた

期待に胸を膨らませ、再び北海道を訪れたMさんご夫妻が案内されたのは、なんと築13年を越える住まい。「てっきり新築を見せられるものだと思っていたので驚き、そして感激しました」。年を重ねるたびに魅力が深まる住まいに憧れていたMさんご夫妻にとって、素晴らしさを持続させている築13年の住まいは、2人の理想そのもの。「ヨシケンさんの家づくりに対する自信を見せてもらった」とご夫妻の気持ちはすぐに固まりました。こうして、ヨシケンさんとMさんご夫妻によるニセコでの家づくりが始まったのです。

奥さんの希望が叶えられたキッチンスペース。キッチン奥に隣接したパントリー空間は大量のスパイス類やキッチン家電が収納でき、使い勝手もバッチリ
「窓全体に景色が広がるようにしたい」というご主人の要望を叶えるために、窓に差し掛かる屋根の一部を切り取った
2階奥には奥さんのグランドピアノ。「時間や近所を気にすることなく、妻のピアノを存分に聴くことができて最高に幸せです」。腕前はかなりのものだとご主人
羊蹄山とは反対側にある2階の浴室。窓からアンヌプリが望める

「Mさんご夫妻には最初から『北海道らしい三角屋根を持つ、シンプルな住まい』という明確なプランがありました。ご夫妻自ら図面を描いてくれたりと、イメージの共有もスムーズで。ニセコは弊社にとっても初めての土地だったので、非常に楽しかったです」と同社の吉田専務は振り返ります。

どこまでも続く緑や、羊蹄山をはじめとした美しい山々は、豊かな暮らしとはなんなのかを教えてくれる。北海道らしい三角屋根が魅力的

移住して数ヵ月。2階の大開口に迫る羊蹄山を眺めながらご夫妻が日々感じることは「ありのままに暮らすことの大切さ」だそう。「太陽の光で目を覚まし、ニセコの風を感じながら、大自然と共に暮らす。人間が本来あるべき姿に立ち返ることができたような気がするんです」とご主人。「ニセコの町は、人も自然も全てがウエルカムな雰囲気。大雨や豪雪など、自然の厳しさと対峙することも喜びのひとつと思える、生涯最高の住まいに出会えました」。

2階LDKの主役は羊蹄山が迫る圧倒的な大開口。ソファに腰を下ろし、雄大な山の姿を眺めていると、ついつい時間を忘れてしまう
ストーブの背面には、職人さんの手でひとつひとつ積み上げられた石の壁が。石はMさんと吉田専務で登別の採石場へ行き、探してきたもの
ロフトへの階段は、Mさんの希望で片持ちの階段に
木張りの外壁が景色に映える。まさに「ここにしかない暮らし」

前居住地:東京都
住宅の施工会社:ヨシケン一級建築士事務所