昭和初期の台湾の面影と東川町の四季を愉しむ家
Replanが取材した、北海道・東北の素敵な住まいづくりの話をご紹介します。
(株)芦野組 / 東川町・Tさん宅 本人60代
通い慣れた第三の故郷で
心地よさを追求した家づくり
学生時代に起業し、台湾にビジネス拠点を構えるTさん。縁あって、東川町での新規事業立ち上げに関わったのを機に、台北と東川町を頻繁に往来するようになりました。


「ここでも友人がたくさんでき、本格的に腰を据えて二拠点生活をしようと市街地に隣接する土地を取得しました」。そして、地元の知人が「ここなら間違いない」と紹介してくれた芦野組に新築を依頼。「東京での暮らしが長かったので、東川の気候を熟知し、助言が具体的だったのが心強く感じました。また、細かな要望にも熱心に耳を傾けてくれる姿勢も嬉しかった」と、Tさんは芦野組との出会いを振り返ります。

プランづくりはインターネットも活用しながら、1年以上かけてじっくり行いました。Tさんは長く暮らした台湾の意匠、骨董を生かした住まいを希望。芦野組は、Tさんが東川の厳しい冬も心地よく、安心して暮らせるよう、断熱等級最高レベルの住宅性能もプランに盛り込みました。
好きなものだけに囲まれる
安息の住まいを実現
長い構想期間を経て、2024年12月に完成した新居には、Tさんが台湾で見つけた古い花窓や花タイル、レンガが随所に散りばめられています。シノワズリーな空間のアクセントになっているのが、Tさんが「芦野組の丁寧な大工仕事で造作してもらった」という、ル・コルビュジエのデザインを参考にした階段。「こうした無茶な要望にも、柔軟に応えてくれたのが嬉しくて」と、声を弾ませて語ります。

階段の前には、青御影石を敷いた土間と薪ストーブが設えられ、床暖房とともに、冬の暮らしを優しく暖めています。朝はストーブ脇の大開口から朝陽がリビングを貫くように射し込み、黄昏には花窓の繊細な影が室内に映り込みます。



「台湾の風水を取り入れ、建物の配置にもこだわったかいあって、東川町ならではの光の四季を感じられる住まいが実現できました。帰るのが楽しみになる、心からくつろげる住まいに大満足です」と、笑顔で話すTさんです。
新築にあたり、庭を望むリビングの大開口に冬の激しい風雪を防ぐシャッター雨戸を採用しました。暑さが厳しい今年の夏は、熱い陽射しを遮るという想定外の効果もありました。不在時の防犯対策も兼ねています。併せて、どこにいてもスマートフォンで家のまわりの様子を確認できるカメラも設置。その画面に時々見まわりに来てくれている芦野社長が映っていて(笑)。地域の工務店の良さを、異国の地にいても感じています。(Tさん談)

