限られた空間を有効活用。明るく開放的なスキップフロアの家

公開日:2025.10.11 最終更新日時:2025.10.8

Replanが取材した、北海道・東北の素敵な住まいづくりの話をご紹介します。
(株)アーキブルグ / 札幌市・Oさん宅 夫婦30代、子ども2人


コンパクトさを感じさせない
広がり感のある明るい家

2人の娘が小学校に入る前に一軒家を建てたいと考えていたOさんご夫妻。Oさんの実家の土地を分筆する形で、2024年の春から家づくりがスタートしました。新居の設計・施工を依頼したのは「語らいから始まる家づくり」をコンセプトに掲げる設計事務所アーキブルグです。「いくつか検討しましたが、一番親身になって相談に乗ってくれたのがアーキブルグの熊谷さんでした」。

交通量の多い幹線道路沿いに佇むOさん宅。3面に大小の窓を配したことで、周囲の目線を巧みにかわしつつ、自然な明るさを確保した
交通量の多い幹線道路沿いに佇むOさん宅。3面に大小の窓を配したことで、周囲の目線を巧みにかわしつつ、自然な明るさを確保した
ガリバリウム鋼板の白い外壁。玄関はカラマツ板張りでアクセントをつけた
ガリバリウム鋼板の白い外壁。玄関はカラマツ板張りでアクセントをつけた

Oさんご夫妻が目指したのは「開放感があり、明るい、スキップフロアの家」。土地の分筆により発生するさまざまな制約の中で、家を建てられるスペースはわずか28坪。この限られた空間をいかに広く見せ、光を取り込むかというのが熊谷さんに課せられた大きな課題でした。ヒアリングの末、熊谷さんは、スキップフロアを家の中心に据えた間取りを3案提案。お二人が一番気に入った間取りをもとに内観パースを作成し、より具体的にプランを練っていきました。

玄関ホールを広く見せるため上がり框を斜めに。階段下スペースはシューズボックスとして活用している
玄関ホールを広く見せるため上がり框を斜めに。階段下スペースはシューズボックスとして活用している
洗面スペースはカーテンで目隠し。帰宅後すぐに手を洗えるよう生活動線に配慮しつつ、省スペース化を実現
洗面スペースはカーテンで目隠し。帰宅後すぐに手を洗えるよう生活動線に配慮しつつ、省スペース化を実現
南向きの大開口窓は、あえて縦のラインを強調することで、より天井の高さを感じられるように。各々が好きなところに腰かけ会話が生まれるのもスキップフロアの家ならでは
南向きの大開口窓は、あえて縦のラインを強調することで、より天井の高さを感じられるように。各々が好きなところに腰かけ会話が生まれるのもスキップフロアの家ならでは

随所に散りばめられた
空間を広く明るく見せる工夫

ご夫妻の希望を叶えた新居での暮らしは2025年の春からスタート。家族が集うリビングと、そこからつながるスキップフロアのスタディコーナー、さらに天井高5mの吹き抜けと、緩やかに空間を区切ることで、各層にまんべんなく陽射しが届けられます。

リビング奥のキッチンはあえて明るさのトーンを落とすことで陰影をもたらし、リビングをより広く、明るく感じられるように設計
リビング奥のキッチンはあえて明るさのトーンを落とすことで陰影をもたらし、リビングをより広く、明るく感じられるように設計
奥さん念願の回遊動線を備えたキッチン。奥には収納力のあるパントリーも設けた。1階には全室床暖房を完備していて、冬でも快適に料理ができる
奥さん念願の回遊動線を備えたキッチン。奥には収納力のあるパントリーも設けた。1階には全室床暖房を完備していて、冬でも快適に料理ができる

幹線道路に面した大開口の窓は、車や通行人の視線を感じることなく、見たい景色だけを切り取れるよう高さや大きさを調整しました。リビング上にある寝室の壁面をあえて斜めにすることで、窓から射し込む陽光が壁を照らし、間接的な光がリビングに降り注ぐようにするなど、より明るく、そして広く感じられる空間を演出するための工夫が施されています。

リビングから1段下がった畳床のスペースはこもり感のある空間。子どもたちのプレイルームとしてはもちろん、ゲストルームにもなる
リビングから1段下がった畳床のスペースはこもり感のある空間。子どもたちのプレイルームとしてはもちろん、ゲストルームにもなる
スキップフロアはOさんの希望だったスタディコーナーに。デスクでの作業中も家族の気配を感じられる
スキップフロアはOさんの希望だったスタディコーナーに。デスクでの作業中も家族の気配を感じられる

家づくりを振り返り、「私たちの要望を取り入れつつ、生活動線や使い勝手などを踏まえた現実的な提案をしていただいたおかげで、不便なく快適に暮らせています」と奥さん。Oさんも「いつか娘2人と並んで、スタディコーナーで勉強するのが夢です」と、顔をほころばせながら話してくれました。

西側にある寝室には室内窓をつけ、スキップフロアにある窓から間接的に朝の光が射し込むようにした
西側にある寝室には室内窓をつけ、スキップフロアにある窓から間接的に朝の光が射し込むようにした
ランドリールームは2階に設置。作業台で畳んだ洗濯物はそのまま隣のファミリークローゼットへ
ランドリールームは2階に設置。作業台で畳んだ洗濯物はそのまま隣のファミリークローゼットへ

もともと広い家は望んでいなかったので、限られたスペースでどれだけ自分たちの理想を実現できるかというのが家づくりの課題でした。「家は3回建てないと理想の家にならないという言葉があるけれど、それは打ち合わせがちゃんとできていないからなんです」という熊谷さんの言葉どおり、最初から密にコミュニケーションを取り、私たちの納得のいくまで突き詰めていただけたことで、初めての家づくりでも満足のいく出来となりました。(Oさん談)

会社情報
社名 株式会社 アーキブルグ
URL https://archiburg.com

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