大切な家族の歴史と暮らしの楽しみを詰め込んだミニマルな田園の家
Replanが取材した、北海道・東北の素敵な住まいづくりの話をご紹介します。
アクト建築工房(株) / 和寒町・Aさん宅 本人40代
愛着のある旧居のたたずまいを残し
将来にわたって住みやすい家に
祖父の代から家族が守ってきた土地に立つ建物は築60年余り。代々住み継いできた建物は、Aさんにとって家族の歴史そのものでした。「愛着はありましたが、老朽化による寒さが年々こたえるようになりました」と、Aさんは建て替えに至った理由を話します。



学生時代に建築を学びながら異なる業種に就いていたAさんは、「自分で設計した建物を終の棲家にしたい」という夢を持っていました。その願いを叶えるパートナーになったのがアクト建築工房でした。
「昔の実家のイメージを残しながら、別荘のようなシンプルかつミニマルな建物にしたい」。そう語るAさんは、2階建ての建物の1階は、床面積の半分を土間仕上げにし、子どもの頃から慣れ親しんでいた薪ストーブの設置を想定した基本設計を考えました。




アクト建築工房の澤田さんはAさんのプランがより生きるよう、自然石やタイル、ステンレス、針葉樹合板などを用いた内装プラン、照明計画を提案。二人三脚でプランを完成させていきました。
設備や素材感を吟味し
心豊かな空間を実現
2025年秋、家族の思い出が詰まった敷地にAさんの新しい住まいが完成しました。木造2階建ての住まいは、水まわりやトイレ以外はオープンな間取り。標準仕様で次世代省エネ基準をクリアする性能を備えていることもあり、薪ストーブ1台で家の隅々まで暖かく快適です。「旧居の寒さも、今では思い出話の一つになりました」と、Aさんは笑顔で話します。



澤田さんが「ラフな素材を用いながらも、山小屋風にならないよう素材の美しさを大切にした」と語る室内は、端正な造作、照明器具も随所に採用。中でも目を引くのは、業務用設備を採用したダイニング・キッチンです。コンパクトな空間にはAさん設計の大きな造作ダイニングテーブル、伊藤豊雄デザインのペンダント照明、薪ストーブが設置され、モダンな空間に仕上がっています。



「これからゆっくりと好みに合う椅子や照明器具を少しずつそろえ、模様替えも日々の暮らしの楽しみの一つにしたいと思っています」と、笑顔で語るAさんです。
代々受け継いできた持ち山があり、古い納屋の解体材も保管しているので、建て替えを機に薪ストーブを主暖房にしたいと考えていました。澤田さんに相談し、選んでくれたのがデンマーク製の最小サイズのストーブでした。炉壁が不要で、コンパクトな空間にすっきりと納まったストーブは、今の暮らしにしっくりなじむモダンなデザインでとても気に入っています。炎を眺めながらビールを飲むのが、冬の日常の楽しみになりました。(Aさん談)
2階リビングで眺望とプライバシーを両立。自然素材に包まれた和風の住まい












