水まわりのあるフロアから階段を上がるとダイニング、下りると寝室。ダイニングから上層へ上がる階段の踏み板はあえて奥行きをとり、ベンチとしても活用できるよう考えられている

札幌市中心部から路面電車で20分ほどの住宅地に位置する木造3階建て住宅。東側に幅の狭い前面道路、西側には高層マンション、北側に3層のテナントビルが迫り、南側の空き地は将来住宅用地としての利用が予想されるという囲まれた立地のため、プリバシーに配慮しながら広がりや光を感じられる空間への工夫がなされています。限られた床面積の中で廊下的空間を最小限に抑えるスキップフロアによる構成と、その中心となる階段に寄り添って光井戸を設置することで、外観から想像が付かないほどの明るい室内を実現しています。

◎家族構成/夫婦
◎構造規模/木造・3階建て
◎設計/(株)アカサカシンイチロウアトリエ 赤坂 真一郎
◎施工/S・建築製作所(株)

3階予備室から半階分下がったダイニングは天井高が3.6mと、6つあるフロアの中で最も開放的で居心地のよいスペース

建物の奥、西側に位置するダイニング・キッチン。奥に見える窓は敷地裏の建物をかわす位置にレイアウト。キッチン背面の収納カウンターやダイニングテーブルは、部屋のサイズに合わせて造作
内装は空間を広く明るく見せる効果のある白を基調に。オープンな階段に光井戸を隣接させることで室内全体に光がまわり、視界も広がる
 

階段の踊り場が部屋になっているスキップフロアの住まい。左の壁から階段の右にある大開口までの距離はなんと2mしかないが、奥行きと高さのある空間構成で開放的に感じられる。大開口の外は太陽の光と風を室内に届ける光井戸で、外観からは想像がつかないほど室内は明るい

バスルーム。使用する時はカーテンを引き、普段は開けて空間をより広く見せている。右手には洗面化粧台があり、浴室利用時はカーテンを引いて脱衣スペースとして利用する
 
玄関から下がった半地下スペースは、洗濯室とクローゼット。階段下を利用して洗濯機を置き、背面のクローゼット部分に干し、そのまま収納。換気設備も設けている
寝室。多くの時間を過ごすリビングやダイニングを明るい上層に優先して配置し、寝室はその下にレイアウト
インターネットで検索して見つけたというこの土地。利便性やエリアの相場よりも割安な価格は申し分なかったものの、当初はあまりにも小さすぎるとスルー。だが試しに現場を訪れると「意外と建てられるかも」と思えたそうで、建築家に相談。この狭小地でも建てられると聞き、購入を決めたそう。敷地いっぱいに建築し、縦に伸ばして床面積を確保した
屋上にはテラスを設けた。外壁を高く持ち上げ、視線は空へと開放される。ペントハウス(出入り口のある建物部分)の右側にある光井戸のほか、ペントハウス南面に設けた大開口からもたっぷりと光を取り入れている