ダイニングからリビングを見通す。リビングの奥にはご主人のアトリエスペースがあるが、部屋の角度の違いにより視線は遮られ、作業に没頭できる独立した空間として成り立っている

釣り好きのご主人と機織りをライフワークとする奥さんが求めた、季節を感じながら家族が安心して生活できる場。互いのプライバシーを適度に保ちつつ、家族の気配をいつも感じていられる住宅を目指し、各部屋が中央に設えた中庭を中心とした環状に回遊できる配置となっています。季節や陽の傾きによって、中庭から室内に届けられる環境の変化を楽しめるコートハウスです。


◎家族構成:夫婦
◎構造規模:木造2階建て
◎設計:アカサカシンイチロウアトリエ
◎施工:藤井工務店

ダイニングは遠く広がる市街地を切り取るように、横に長い窓をやや低めにレイアウト。天井は窓に向かって低く傾斜させ、自然と視線が引き込まれていく

右から、リビング、ダイニング、キッチン。それぞれの部屋が角度を変えながらつながり、移動するにしたがって景色が少しずつ変わっていく。窓から見えるのは、向かい側の部屋と裏山の森、空だけ。ここが札幌の中心部だということをつい忘れてしまう
右から、リビング、ダイニング、キッチン。それぞれの部屋が角度を変えながらつながり、移動するにしたがって景色が少しずつ変わっていく。窓から見えるのは、向かい側の部屋と裏山の森、空だけ。ここが札幌の中心部だということをつい忘れてしまう
玄関から見る。光の筋が射すほうへ、導かれるようにして2階へ。左手の部屋は寝室で、障子の手がかりの細かい造作に驚く
2階から階段を下りてくると、スリット窓から中庭が垣間見える。こういったちょっとした仕掛けで空間は魅力的に変わる

右から、リビング、ダイニング、キッチン。それぞれの部屋が角度を変えながらつながり、移動するにしたがって景色が少しずつ変わっていく。窓から見えるのは、向かい側の部屋と裏山の森、空だけ。ここが札幌の中心部だということをつい忘れてしまう

1階のアトリエ上部の吹き抜けは、ブリッジで部屋を行き来する。白い空間から板張りの空間を抜けて、また白い空間へと、周囲の景色だけでなく内装の変化も面白い
1階のアトリエは奥さんのスペース。白で統一した他の部屋とは一転、木のぬくもりに包まれる。2階のすぐ側にはご主人のアトリエがあり、吹き抜けを介して気配を伝え合う
南西にあるゆったりとしたバルコニーは、家庭菜園やハンモックでくつろぐスペースとして利用。アプローチ側には開口を設けず、上部と室内側のみに開いた空間なので、プライベート感が高い。周囲の自然の取り入れ方にメリハリをつけた好例だ
外壁は背後の森に溶け込むようスギ材を張り、グリーン系の塗装を施した。旗竿地のため、車の方向転換が敷地内でできるように配慮したことも、個性的な多角形の建物が生まれた理由の一つだ

多角形の中庭が室内にさまざまな景色を生み出す