公道側は開口を最小限に抑え、前庭風のカーポートを設えた。車2台が収まるカーポートも、ご夫妻の要望の一つだった

仕事と子育ての両立がしやすいように、1階にオフィス、2階に家族の居住空間を配し、それぞれに独立した動線を設けた併用住宅。大きな窓越しに近接する緑道や空を望む居住空間は、森の中にいるような心地よさ。オフィスと自宅を建物内で行き来しながらも、季節の移ろいを日々感じられ、暮らしのオン・オフが自然に切り替えられる住まいです。

◎家族構成/夫婦40代、子ども3人
◎構造規模/木造・2階建て
◎設計/(株)ATELIER O2
◎施工/(有)葉沢工務店

キッチンの造作背面収納は大きな引き戸をつけ、来客の際は中が見えないようにできる。さらに、裏側にはストック食材や調理用具などを収める大型のパントリーも設置し、奥さんの家事の省力化を図った

チェリー材とステンレスを用いた対面式キッチンは造作仕様。フルオープンにできる背面収納は、欲しいものにすぐ手が届き、片付けもしやすい。ダイニング側に延ばした天板下にも、収納棚が設けられている

キッチンに立っている時も、リビングや子ども室で遊ぶ子どもたちの様子が見渡せる。また、開口越しに1階の人の出入りの気配も感じることができる。リビングはホームシアター仕様、オープンな空間を生かして、友人を招いて映画鑑賞会も楽しんでいるそう

緑道の四季の移ろいをインテリアにしたリビングは、ご夫妻自慢のリラックス空間。「今でも季節の変化が新鮮」「見飽きることがありません」とご夫妻は目を輝かせて語る
キッチンに立っている時も、リビングや子ども室で遊ぶ子どもたちの様子が見渡せる。また、開口越しに1階の人の出入りの気配も感じることができる。リビングはホームシアター仕様、オープンな空間を生かして、友人を招いて映画鑑賞会も楽しんでいるそう

リビングに隣接し、収納式建具で間仕切りができる音楽室を設えた。音楽好きなHさんは、仲間と共にここでライブを楽しむこともあるそう

Hさんご夫妻のライフスタイルに合わせて設計された建物は、1階にオフィス空間が設えられ、2階の生活空間と分離されている。Hさんは毎朝、階段を下り、オフィスにつながる廊下を歩くことで、気持ちが徐々に仕事モードに切り替わるのだそう。また、夕方仕事を終え、2階階段ホールから開口越しにLD風景が見えてくると自然と気持ちはオフモードに。空間レイアウトの妙が生んだ2つの心のスイッチによって、ストレスフリーな職住一体生活を実現した。

オフィスの床を下げることで天井の高さを確保し、書類や資料をしまう小屋裏収納を設けた。小屋裏収納は2階LDの生活音を遮る緩衝帯の役目も果たす

オフィスの床は地面とほぼ同じ高さに掘り込み、基礎や土間の蓄熱を生かせるよう現し仕上げにし、夏涼しく、冬暖かな室内環境を実現
中古住宅の一室をオフィスにしていた旧居では、家族とオフィスの動線が混然一体化し、生活面にも様々な問題が生じていた。新築計画では、家族のプライバシーを守る動線設計も大きな課題だった。新居は一つ屋根の下に自宅とオフィスが共存しながらも、動線を完全分離。水まわりは住宅エリアの1階に収め、オフィスには独立したトイレと玄関を設置。生活空間から切り離されたオフィスは、就業時間後には地域交流の場としても活用されるようになった。
2階LDに設けた前庭側の開口は外部の目線を遮りながら、外光を室内に呼び込む。また、ガラス越しに1階の2つの玄関の人の出入りも確認できる
階段を上ると、前庭越しにリビングが見える。Hさんはこの風景が見えると、気持ちがオンからオフへ切り替わるのだそう

緑道側から建物を見る。緑道の風景に溶け込むよう、黒いガルバリウム鋼板の外壁を採用し、シンプルなフォルムで仕上げられている