室内移動も楽しめる、旗竿敷地の平屋

2025.9.12 北海道札幌市
アカサカシンイチロウアトリエ

庭木や敷地内の樹々に囲まれた緑豊かな旗竿敷地。サイディングと木羽目板張の外観が周囲になじんでいる

20メートル超の旗竿敷地に佇む平屋。建物は敷地の「旗」部分に対して45度振った角度で配置。その角度は隣家との距離を確保し、敷地を目いっぱい楽しみたいというご夫妻の希望を反映する「前庭」「作業場」「ガーデン」「家庭菜園」といった異なる4つの庭をもたらしています。水まわりコアに沿って縁側、ダイニング、リビング、子どもスペース、寝室と庭を眺めながらコの字型に巡る動線も特徴的。ダイニングから先のメイン部分はダウンフロアで、天井高の変化やグランドレベルで眺める庭の草木など、室内移動の楽しさをも喚起します。

◎家族構成/夫婦30代・40代、子ども1人
◎構造規模/木造・平屋建て
◎設計・施工/(株)アカサカシンイチロウアトリエ

Kさん宅は仕切りを持たない。ダウンフロアで天井高を感じる開放的なダイニングスペース。食事の際はステージのようなキッチンから、直接手渡しで配膳する

Kさん宅は仕切りを持たない。ダウンフロアで天井高を感じる開放的なダイニングスペース。食事の際はステージのようなキッチンから、直接手渡しで配膳する

水まわりコアに出現するメインフロアを最短距離で結ぶ通路。縁側、キッチンと異なるエリアが層のように重なっている。室内の開口は対になるよう配置していて、視界の抜けが心地よい

天井高の変化や曲がり角は、仕切りのない室内を機能ごとにゆるやかにゾーニング。コの字型に進むたびにプライベートが色濃くなるように計画している。地盤を掘り下げて設けたテラスを介して内と外を行き来する

配管が床下を通る水まわりコアは、コンクリートを打ったその上に載せている
玄関から玄関ホール、テラスまでは基礎の天端の高さで、ダイニングへ向かうステップを下りると凍結深度の深さに床レベルが下がる。壁の石膏ボードの下のコンクリートが基礎部分

子どもスペースと、その先の寝室。「子どもの成長やライフスタイルの変化に合わせて仕切りを設けたり、造作の棚で仕切ったり、可変性のある家にしたいと思っています」とKさん

玄関まわりはKさん愛用の登山ギアが自作の棚にずらりと並ぶ。壁と合わせたラーチ合板でKさんがつくった建具のハンドルはクライミング用のハンガーを活用。露出配管も住まいの雰囲気になじんでいる

道路から20メートルを超える長いアプローチの先に、角度を振った外観が少しだけ見える
内と外はテラスを介して行き来する。「1年目は土の様子を見る意味で、試しにネギやズッキーニ、大根などを育ててみました。
来年はレイズドベッドで囲って育ててみたいと思っています」と奥さん
会社情報
社名 株式会社 アカサカシンイチロウアトリエ
URL https://www.akasaka-atelier.com