LDK奥の畳コーナーから室内を見返す。片流れの屋根形状をそのまま現すことで、凹凸のないシンプルな矩形に変化が生まれている

「掃除のしやすさ」「シンプル」「メンテナンスフリー」という条件をコンパクトな平屋空間の中で充たした住まい。プライベートな寝室と人が集うリビング・ダイニングの中間にキッチンや収納などの中立的空間を挟み、無駄を省きながら部屋の役割を緩やかに区分しています。片流れの屋根形状を生かした天井がコンパクトな中に開放感をもたらし、広さ以上の寛ぎを与えてくれます。

家族構成/本人
構造規模/木造・平屋建て
設計/サルワタリ・アトリエ 一級建築士事務所
施工/ASJ奥州北上スタジオ<伸和ハウス(株)>

手入れがしやすくシンプル。25坪の小さな家
タタミコーナー横に設けた飾り棚。オープンな空間は雑多に見えがちだが、「ちいさな家」では隠すものと飾るものがオーナーのセンスによって決められ、そのメリハリで室内は常にすっきりとした状態をキープしている

 

キッチンから一直線にレイアウトした水まわり。徹底的にムダを省き、必要なスペースを確保している

キッチンの横には小さな洗面所。その奥にはユーティリティと一室にしたトイレがある
傷ついた椅子や廃棄処分となった学校の机。時を経て味わいを増したどこか懐かしい家具がさりげなく置かれ、この場所に溶け込んでいる

 

北側の寝室はLDKよりもさらに天井が高く、コンパクトながらも開放的な仕上がり
ダイニングと寝室の間にあるのはキッチン。単なる調理の場ではなく、パブリックとプライベートを緩やかに切り替える中立空間としても機能

 

細長いLDKに沿うように設置したウッドデッキ。深い軒に守られた半屋外空間が室内外のつながりを深め、空間に広がりを与えてくれる
玄関の横には専用の収納を準備し、さらにその奥の車庫まで動線がつながる。合理的でムダのない計画

迫力と軽やかさを併せ持つ片流れの屋根が印象的。南側に張り出した軒は夏の日射遮蔽にも有効で、ウッドデッキをくつろぎのアウトドアリビングにしてくれる