二本松市中心部の北側。阿武隈川の支流の川沿いに建つSさん宅は、スギ板張りの外観が目を引きます。ご夫妻には3歳と1歳の2人のお嬢さんがおり、小学校が近いことや買い物などの便利さも考え、この分譲地を選んだといいます。

煙突が立つリビングから、家全体がL字形に。リビングと庭は川側なので、人目は気にならない
煙突が立つリビングから、家全体がL字形に。リビングと庭は川側なので、人目は気にならない
玄関扉は引き戸を採用。玄関前にはアオダモやキリシマツツジなどが植えられた
玄関扉は引き戸を採用。玄関前にはアオダモやキリシマツツジなどが植えられた

設計、施工に当たったのは「タカモク」。猪苗代町で小さな製材所「高梨材木店」としてスタートしたタカモクは、文字どおり樹木と向き合ってきた会社です。その後、建築工事業も手掛けるようになり、平成2年より地元密着の家づくりを続けています。自然素材を大切にした家づくりをしており、今回のSさん宅でも、外壁のスギ板に加え自然素材をふんだんに用い、コンパクトな心地よい住まいをつくり上げました。

玄関ドアを開けると、連なる梁が印象的なLDKが迎えてくれます。梁とは垂直方向に伸びるスギのフローリングは柔らかく、子どもたちが走り回っても安全で静か。床から30センチ程の高さに設けた掃き出し窓は、ベンチや収納としての機能とともに、シンプルなフロアに変化を付けています。

キッチン横のダイニングテーブルを中心に、家族ののどかな時間が過ぎていく
キッチン横のダイニングテーブルを中心に、家族ののどかな時間が過ぎていく
梁が連なるLDKの掃き出し窓の段差は収納としてもベンチとしても活躍。薪ストーブの炎を眺める時間は、格別のひととき。窓に設えた建具も、全体に配慮して緻密なデザインが施されている
梁が連なるLDKの掃き出し窓の段差は収納としてもべンチとしても活躍。薪ストーブの炎を眺める時間は、格別のひととき。窓に設えた建具も、全体に配慮して緻密なデザインが施されている

そんなLDKの中心となるのがキッチン。お子さんが小さいこともあり、浴室やトイレ、ユーティリティも含め、個室以外のすべてが見える、キッチンはまるで司令塔のような場所です。また、ユーティリティの洗濯機の横にはアイロン掛けのスペースが設けられるなど、仕事を持つ奥さんの家事負担の軽減にも配慮されています。寝室のクローゼットに、廊下・畳コーナー・キッチンなど随所にたっぷりと設えた収納も、スッキリした住まいには欠かせません。

キッチン背面の収納はそれぞれの家電の置き場所を決めて設置した
キッチン背面の収納はそれぞれの家電の置き場所を決めて設置した
畳コーナーからキッチンは一直線。カウンターの高さで目隠しされスッキリ
畳コーナーからキッチンは一直線。カウンターの高さで目隠しされスッキリ
ユーティリティもナチュラルな木の風合いで使い勝手抜群
ユーティリティもナチュラルな木の風合いで使い勝手抜群
リビング奥の畳コーナーは小上がりの分天井が低くなり、和室らしい落ち着きが生まれた
リビング奥の畳コーナーは小上がりの分天井が低くなり、和室らしい落ち着きが生まれた

タカモクでは30年、50年後にも変わらず居心地がよく、美しい住まいであるために、たとえば手入れのしやすい素材を選ぶなど、経年後にも思いを馳せます。

Sさん宅のスギのフローリングには仕上げに蜜蝋ワックスを施し、その作業はSさんご家族も一緒に行ったそうです。「良い思い出になった」と話すSさんですが、実は一緒に作業をすることで、今後必要となるフローリングの手入れ法を学ぶ機会にもなったそうです。柔らかいスギフローリングは、ちょっとした傷ならアイロンと蒸しタオルで修復が可能。その修復法もワックス塗布の際に学ぶことができたのです。木の特性を知っているタカモクだからこそ、お客様に木を大切にする方法も知ってほしいといいます。

スギフローリングの柔らかな風合いが感じられる廊下
スギフローリングの柔らかな風合いが感じられる廊下

飾り棚に並ぶ家族の写真は、これからどんどん増えることでしょう。この家はきっと、家族の笑顔をずっと見守ってくれるに違いありません。