札幌市北区の住宅街にひっそりと佇む「boiler」は、同店のオーナーが若い頃から愛し続けるモノだけを集めてつくりあげたカフェ&セレクトショップ。コーヒーの香りが漂うスタイリッシュな空間には、輸入盤や古きよきものたち、ロングセラーの生活雑貨がセンス良くディスプレイされています。

どこか懐かしく、温かな世界観を大らかに包み込む建物は、建築家の川村弥恵子さんの設計。「20歳の頃から憧れていたブルーノートやビルボードのような飲食と音楽を融合させた空間」をイメージして、好きなモノ談議に花を咲かせながら、1年がかりでプランを練ったといいます。

狭い通路から中庭を経て店内に導かれるアプローチも、プライベート感たっぷり。外構で覆われた店内は車の行き交う音も聞こえず、時間がゆっくりと流れるようです。週末には、開店から閉店まで自分の家で過ごすようにくつろぐお客さんも少なくないというのも、なるほど納得です。 2020年2月には、おひとり様に嬉しいカウンター席の増設をはじめとした空間リニューアルを予定。これからも深化を続ける大人の隠れ家カフェは、訪ねるたびに新しい発見と楽しみをくれることでしょう。

→「boiler」へのアクセス

Idea.1 ゆったりレイアウト

「昔からカフェが苦手で、長居ができなかった」というオーナー。カフェ開店にあたって、その原因の一つが座席レイアウトにあることに気づき、敢えてテーブルをゆったりと配置したといいます。 吹き抜けを設けた1階席には、定番の4人掛けテーブルのほか、ソファ席や窓伝いに設けたカウンター席、大きなテーブル。2階には吹き抜け越しに階下を見下ろせるテーブル席をレイアウト。座るテーブルによって見える景色が変わり、自分の世界を心ゆくまで楽しめる。これも、車を走らせてわざわざ通いたくなる理由の一つかもしれません。

Idea.2 フランスの古きよきものたち

壊れやすいもの、いつか壊れて朽ちていくものが好きと語るオーナーは、店内の什器やテーブル、椅子、調度品にフランスのアンティークやユーズド家具を採用。 中でも、目を引くのが、壁に立てかけられている1800年代に使われていたというアパートの木製ドア。“ヘブンズ・ドア”とも呼ばれ、カフェのシンボルになっています。また、お店のスピーカーは、1980年代に日本の映画館で使われていたもの。隔月に開かれる映画会では本領発揮。臨場感あふれる古きよき音で来場者をもてなしています。

Idea.3 造作で“見せる収納”

店名の「boiler」は“ライブの熱がこもった空間”ボイラールームが由来。音楽好きなオーナーは、店内に2ヵ所のDJブースも設け、壁には音響効果に優れた木毛板を採用。 また、若い頃に日参した洋楽輸入盤のお店の雰囲気を、カフェのエッセンスに採り入れたいと、アメリカからアナログ盤を自ら取り寄せ、店内で販売しています。額縁型の造作アイアン収納棚に収められたカラフルで個性的な紙ジャケットは、シンプルな空間のアクセントになっています。

 

 おすすめMENU 

エッグベネディクト

ATELIER TABLIER の森本まどかさんが焼くマフィンを使った看板メニュー。半熟卵のトロトロ感とこだわりのマフィンがベスト・マッチ!


自家製バスクチーズケーキ

甘さ控えめなバスクチーズケーキは、オリジナル箱、ロゴ刺しゅう入りの風呂敷付きのワンホール売りもあり、手土産にぴったり。

 

boiler

所在地:北海道札幌市北区新川7条16-709-1
営業時間:11:00~18:00
定休日:水曜日

アクセス:JR「発寒駅」より徒歩30分
URL:https://boilerstore.online/