北海道室蘭市・Kさん宅
家族構成/夫婦30代・40代、犬
薪ストーブ/[morso]7110CB
設計・施工/小松建設(株)

薪ストーブのある暮らしをしたい、というKさんの希望から家づくりがスタートしたというご夫妻。実績のある会社ということでまず小松建設を訪れました。キャンプ好きのご夫妻は、木をふんだんに利用したモデルハウスで、森の中にいるようにリラックスできたといいます。

家を建ててから迎え入れた元保護犬の愛犬も薪ストーブがお気に入り。火を入れると薪ストーブの前にやってくる
家を建ててから迎え入れた元保護犬の愛犬も薪ストーブがお気に入り。火を入れると薪ストーブの前にやってくる

地産地消で、標準仕様に地元産ホタテの殻を使った漆喰壁や道産カラマツのフローリングを取り入れているところも、サスティナブルやエコに関心の高い奥さんは共感したそう。家づくりへの強いこだわりとともに、家をつくるだけでなく暮らし方の提案もしてくれる会社だと感じ、他社を検討することなく小松建設との家づくりを決めました。

薪ストーブが家の中心に。キッチンと洗面所は隣合い、朝は土鍋でご飯を炊きながら洗濯もできる動線の良さも確保した
薪ストーブが家の中心に。キッチンと洗面所は隣合い、朝は土鍋でご飯を炊きながら洗濯もできる動線の良さも確保した
暖炉に火を入れるのは主に帰宅の早い奥さん。手際よく焚きつけを組み火を大きくし、薪を加えていく
暖炉に火を入れるのは主に帰宅の早い奥さん。手際よく焚きつけを組み火を大きくし、薪を加えていく

アウトドア好きのご夫妻に小松建設が提案したのは300坪の原野。家を建てる時も木を残し、隣家の視線を気にすることなく過ごせるよう森に向けて大開口を設けました。リビングにはカーテンがなく、森の景色をそのまま家に取り込んでいます。薪は、その日常的に眺めている森から調達。薪割りはKさんの担当です。「以前は休日になるとショッピングなどに出かけることが多かったのですが、今は庭仕事や薪割りなどをして家で過ごすことが増えました」。また、ストーブ用に枝払いした枝をいただくようになったりと、ご近所さんとのお付き合いも増えたといいます。

薪にするのは敷地内のさまざまな木。Kさんのお気に入りは、火持ちがよく炉内がほんのり香るサクラ材
薪にするのは敷地内のさまざまな木。Kさんのお気に入りは、火持ちがよく炉内がほんのり香るサクラ材
ストーブは小松建設の紹介で北海道リンクアップがセレクト。図面を送り、家の広さに合うものを選んでもらった
ストーブは小松建設の紹介で北海道リンクアップがセレクト。図面を送り、家の広さに合うものを選んでもらった

共働きのため、薪ストーブを使用するのはほぼ夜のみ。パネルヒーターもありますがほとんど使用せず、家全体をストーブ1台で暖めています。「家の気密性が高いので可能なのかもしれません。冷気が入ってくる、とよく言われる窓辺も全然寒くないんです」と奥さん。何よりも、薪ストーブはエアコンと違い、体が芯からぽかぽかになると話します。火を点けると愛犬もやって来て家族の団らんの時間がスタート。ご夫妻そろって、薪ストーブには焚きつけの手間を超える魅力がある、と実感しています。

ストーブまわりには耐熱ガラスとケイ酸カルシウム板を採用。レンガよりも仰々しくなく低コストで、家になじみやすい
ストーブまわりには耐熱ガラスとケイ酸カルシウム板を採用。レンガよりも仰々しくなく低コストで、家になじみやすい
森を背負ったAさん宅。キャンプ用品などのアウトドアグッズは小松建設がつくった玄関近くの物置に収納
森を背負ったAさん宅。キャンプ用品などのアウトドアグッズは小松建設がつくった玄関近くの物置に収納
薪割りはKさんの担当。玄関横のスペースで割った後に乾燥させている薪がオブジェのように並ぶ
薪割りはKさんの担当。玄関横のスペースで割った後に乾燥させている薪がオブジェのように並ぶ

DATA

◆家のこと
構造規模/木造(在来金物工法)・2階建て
延床面積/93.56㎡(約28坪)
◆薪ストーブのこと
機種/モルソー[7110CB]
炉台/耐熱ガラス
炉壁/通気層付ケイ酸カルシウム板
役割/主暖房、料理
使い方/帰宅後に着火
使用期間/10月末~4月末
メンテナンス/2、3シーズンに1回
◆薪のこと
ひと冬あたりの使用量/2.5㎥
使用樹種/マツ材、ヤナギ材、サクラ材、ウメ材
調達方法/主に敷地内の木

PLAN

リビングの大開口から、薪棚へつながる最短の動線が楽。住まいの中央に位置した薪ストーブから発せられる熱は、シーリングファンのある吹き抜けを通して家全体に伝わる。

Kさんとお父さんがDIYでつくった薪棚。リビングから近くて運びやすい場所に設置
間取りのポイント① Kさんとお父さんがDIYでつくった薪棚。リビングから近くて運びやすい場所に設置
薪はリビングの大窓からウッドデッキを経由して取りに行く。冬は、広めの土間になっている玄関にもストック
間取りのポイント② 薪はリビングの大窓からウッドデッキを経由して取りに行く。冬は、広めの土間になっている玄関にもストック

2階に熱を送る吹き抜け。1台のストーブで家全体が暖まる。2階ホールはヨガをするときなどに使うフリースペース
間取りのポイント③ 2階に熱を送る吹き抜け。1台のストーブで家全体が暖まる。2階ホールはヨガをするときなどに使うフリースペース

owner’s voice

電気やガスの暖房もいいのですが、薪ストーブはまず実際に炎を見られるところがいいですよね。炎のゆらめきを見ていると心が落ち着き、視覚的にも温まります。また、停電時にも影響を受けることなく暖を取ることができるし、料理にも活用できる。うちでは天板に鍋を置いてリンゴジャムを作ったり豆を煮たり。あと火が弱くなった炉にカボチャやサツマイモを入れて焼いたりしています。この味がいいんですよ(笑)!家でできる料理が増えましたね。薪ストーブは手間もかかりますが、不便さの中にある贅沢を感じることができます。夜中に、薪ストーブの灯りだけで過ごすのもまた贅沢な時間。炎と外の雪景色とのコントラストも素晴らしいです。(ご夫妻談)

リンゴジャムなど、長時間火にかけるものを電気代やガス代を気にせずにつくれるのも薪ストーブの長所
リンゴジャムなど、長時間火にかけるものを電気代やガス代を気にせずにつくれるのも薪ストーブの長所