株式会社ホーム企画センターが、2021年に立ち上げた新ブランド「HOME CODE」。地場ハウスメーカーとして実績を重ねてきた同社が、(株)コウド一級建築士事務所の代表である建築家・前川尚治さんとのコラボレートで、近年の住宅動向や現況を見据えて布石を打つ試みです。2021年10月にオープンした「HOME LAB」も企画・設計を前川さんが担当。住まい方の体験・情報発信の拠点の施設として、注目を浴びています。
ホーム企画センターが向かうニューフェーズとは。建築家の前川さん、同ブランドのプロジェクトリーダーである古川秀彦さんにお話をうかがいました。

前川尚治さん  −PROFILE−
株式会社コウド一級建築士事務所 代表。北海道工業大学建築工学科卒業後、株式会社アトリエアク勤務を経て、2002年にコウド一級建築士事務所を設立。日本建築家協会(JIA)会員。JIA北海道支部住宅部会 新人賞、その他受賞多数。

建築家の考える
空間そのものを体感する

ホーム企画センターの敷地内に立つ「HOME LAB」。同社の特許工法「スミノイエ」の体験ブース、専属シェフが常駐するカフェスペース、そして訪れる人の感性を刺激するオリジナルキッチンや趣味スペースなどで構成されています。

ホーム企画センターの特許工法「スミノイエ」が体感できるブース。スミノイエを含む同社の基本スペックは「HOME CODE」の住まいにも実装される
ホーム企画センターの特許工法「スミノイエ」が体感できるブース。スミノイエを含む同社の基本スペックは「HOME CODE」の住まいにも実装される

「HOME LABは従来のショールームとは異なる施設です。オリジナルキッチンや趣味スペースは、一般的な住宅では目にしないもので、私たち自身も販売を目的にしているわけではありません。HOME LABという空間自体から、私たちの考えるこれからの住まい方を体感してもらうことをコンセプトとしています」と古川さん。「特殊な素材を使っているわけではなく、凡庸性のある素材でディテールや納まりを整え、建築家が考える空間を体感してもらいたいと思っています」と、前川さんもその意図を話します。

専属シェフが常駐する、HOME CAFÉ「DAIDOCORO」。住宅の打ち合わせをするお客様にランチを提供する場。食事を楽しみながら空間を体感する
専属シェフが常駐する、HOME CAFÉ「DAIDOCORO」。住宅の打ち合わせをするお客様にランチを提供する場。食事を楽しみながら空間を体感する

ショールームではなく、空間自体を体感する。その発想は、長く実績を重ねるホーム企画センター自身にとって新奇的な驚きだったそう。「HOME LABの在り方は、これまでの私たちのノウハウとは違うアプローチで、その考えに当初は追いつくことができませんでした。ここを訪れるお客様が、施設の利用を通して心地よさを実感しているのを目の当たりにして、私たち自身も一緒に気づいていく、という感覚でした」と、この施設での体感が、古川さん自身にも変化を与えたと語ります。

住宅を取り巻く環境が大きく変動する中で、変化を傍観するのではなく、自分たちのノウハウを越えたアクションを起こしたい。ホーム企画センターのそうした思いを体現したのが、前川さんとのコラボから展開するHOME LAB、そして新ブランド「HOME CODE」です。

(株)ホーム企画センター取締役の古川秀彦さん(左)と建築家の前川尚治さん(右)
(株)ホーム企画センター取締役の古川秀彦さん(左)と建築家の前川尚治さん(右)

第三者目線の監修で
より踏み込んだコラボレート

「HOME CODE」は、単に「建築家にデザインを依頼する」といった表層的なものとは一線を画すコラボレートです。

「施工するホーム企画センターとクライアント、そこに建築家が別会社として存在し、着工後も工事の品質・コストを含めて目を利かせます。建築家に依頼するということはもちろんですが、第三者の目線が入ることは、クライアントにとっても安心感があり、意義のあるものだと思います」と前川さん。建築家は、独自の深い知見を持ち合わせ、設計監理を行う専門家です。「会社都合ではなく、クライアント都合の家であるべきです」と語る前川さんによる第三者目線は、意匠にとどまらない品質の向上をコストの明確化や配慮を伴いながら適切に実現します。

HOME LABの2階でその存在感を見せるキッチン
HOME LABの2階でその存在感を見せるキッチン
吹き抜けに寄り添う2階ホール
吹き抜けに寄り添う2階ホール

家づくりにはさまざまな選択肢がありますが、建築家に依頼をすることに敷居の高さを感じている方も、決して少なくありません。「HOME CODE」は、そうした敷居の高さを越えて、建築家とクライアントを最短距離で結びます。

「自社で設計監理を行っていると、年間でアウトプットできる数は決して多くはありません。建築家への依頼を躊躇する人の中には、敷居の高さに加え、全体工期の面で問題を考える人もいるでしょう」と前川さん。前川さんとの伴走の中で、ホーム企画センターの企業力で施工を担うことにより、工期のコントロールを可能に。また、交通の利便性や周辺施設の情報を絡めた土地の見極めも、地場ハウスメーカーとしての実績と経験が活かされます。

建築家とハウスメーカーが、深いレベルで組む「HOME CODE」は、両者の技術や知見の共有と補完で協働する、より踏み込んだコラボレートです。

施設内に入ると、周辺の喧騒や日常を切り離すエントランスが出迎えてくれる
施設内に入ると、周辺の喧騒や日常を切り離すエントランスが出迎えてくれる

土地や環境と住まいの関わりに
建築家が応答する「世界でひとつの家」

「HOME CODE」がつくる住まいは、画一的な建売住宅・規格住宅ではなく、土地や周辺環境を深く読み取り、建築家としての創造力と知識で土地に応答するその地に建つべき住まいです。

住まいのプラスαの提案として展開する趣味スペース
住まいのプラスαの提案として展開する趣味スペース

「窓の位置から見える景色、光の陰影、素材や空間の捉え方、細かなディテール、すべてに住まい方や土地環境に紐づいた理由が存在しています。建築家の洞察によってこれまで気づくことのできなかった土地の魅力や暮らしの可能性が掘り起こされていて、私自身、その空間が持つ力を体感することで自分の中にも感覚やエッセンスが落としこまれていくことを日々実感しています」と古川さん。

そこに住まう人への配慮が行き届く合理性を内包し、環境と強固に結びつく「HOME CODE」は、一棟一棟が、さまざまなニーズに応え得る「世界でひとつの家」。「建築家はクライアントとの出会いから始まる、いわば受動的な仕事という側面があります。そうした中で、コラボレートを通して能動的にアウトプットすることは、私自身にも得るものがあると感じています」と、前川さんは話します。

2021年よりスタートを切った「HOME CODE」は、これまでに発表した住まいのほとんどが契約済み。将来的には注文住宅も含め年間で10棟程度の施工を見込み、現在も市内各地でさまざまな土地に向き合い、新たなプロジェクトを進行中。住まう人のライフスタイルや審美眼に応える上質な住まいを発信しています。

 


集う。楽しむ。発見する。複合型情報発信拠点
「HOME LAB」

「建築家の手がけた空間自体を体感する」という、従来のショールームとは異なる視点で提供される空間は、身を置くだけで上質な住まいづくりのスタートラインに立つことができます。家づくりの研究・情報発信と、近隣住民が集うカフェや、インテリアを扱うショップ、定期的に行うイベントなどのコミュニティースペースを併せ持つ、複合型情報発信拠点となっています。

〒001-0038 札幌市北区北38条西2丁目1-26(ホーム企画センター敷地内)
営業時間/OPEN 10:00 – CLOSE 17:00


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