美しく強く、今に住みよい道産カラマツ木組みの家
Replanが取材した、北海道・東北の素敵な住まいづくりの話をご紹介します。
岩見沢市生まれのMさんは、神奈川県で長くサラリーマン生活を送ってきました。北国とは異なる文化に触れる暮らしの中で、最も興味を持ったのが社寺仏閣やお城の建物でした。「薬師寺や法隆寺の再建の指揮を執った宮大工、西岡常一棟梁の仕事に触れ、その技に魅せられました」と、Mさんは話します。

そして4年前、岩見沢に残る築70年の実家を建て替え、帰郷し第二の人生を送ろうと決意。「日本古来の伝統工法を用い、省エネ性の高い木造住宅を建てられる地元の工務店を調べたら、依頼先が自然と武部建設に決まりました」。現在、道内で建てられる住まいの9割以上がプレカット材を採用する中、武部建設は職人の技を生かした家づくりに取り組み続けています。「職人が手刻み、墨付けした材を組み上げた住まいは、100年の寿命をもち、震度7の地震にも耐えます。改築も容易ですから、実は家族形態が変化していく子育て世代にもぴったりの家づくりなんです」と、武部建設の設計・施工担当者は話します。

プランづくりの中で、Mさんが工法や性能とともに強く要望したのが、社寺仏閣にも多く用いられているヒノキの無垢床でした。「無垢床といえばナラなど堅い材が定番なのでしょうけれど、ヒノキ特有の香りと足触りの柔らかさを日常で楽しみたいと思いました」。



2024年春から旧宅の解体、新居の施工が始まりました。現場近くに仮住まいをしていたMさんは毎日、大工の仕事を飽きずに眺め続けたといいます。「現場がいつもきれいだったことに驚きました。工事が進んで床が張られると、家じゅうにヒノキの香りが満ちて、とても幸せな気持ちになりました」と、Mさんは施工時を振り返ってしみじみと話します。
道産カラマツを組み上げ、日々カタチになっていく様子を眺めていた新居が、12月初旬に完成。玄関ドアを開けると木の香りをまとった暖かな空気が、Mさんをふんわりと包み込みました。「柱や梁、手仕事で仕上げた階段、真壁にヒノキの床。どこを見ても、家づくりに尽力してくれた大工、職人の技を感じることができ、住み心地も抜群です」と、Mさんは満足そうに話します。


また、引き渡し後も担当者が気にかけてしばしば様子を見に訪れてくれたおかげで、久しぶりに迎えた雪国の冬も安心して過ごせたといいます。「これも地域の工務店ならではの良さですね。これからも、この関係を大切にしていきたいと思っています」と、Mさんは笑顔で話してくれました。




