これからの暮らしを見据えた絵になる平屋

公開日:2025.9.17 最終更新日時:2025.9.17

Replanが取材した、北海道・東北の素敵な住まいづくりの話をご紹介します。
(株)住文舎 / 仙台市・Sさん宅 夫婦60代


仙台市に住むSさんご夫妻は、14年前のご自宅の大規模リフォームを皮切りに、住まいに関するあらゆるアップデートを地元工務店の住文舎とともにしてきました。そして2025年、ご自宅の南側に広がるバラ園と、数年前に同社で建てた増築部分を解体し、安心して快適に老後の生活を送れるコンパクトな平屋を新築しました。

青空に映えるSさん宅。手前の下屋は4寸勾配、奥の母屋は6寸勾配と、屋根の勾配を変えてバランスを整えている
青空に映えるSさん宅。手前の下屋は4寸勾配、奥の母屋は6寸勾配と、屋根の勾配を変えてバランスを整えている
長年の憧れだった洋瓦の屋根と白い漆喰の壁により北欧テイストの外観を実現
長年の憧れだった洋瓦の屋根と白い漆喰の壁により北欧テイストの外観を実現
外観のやわらかな雰囲気と調和するよう、丸く加工した柱が印象的な玄関スペース
外観のやわらかな雰囲気と調和するよう、丸く加工した柱が印象的な玄関スペース

間取り図はSさん自らが作成し、住文舎の代表・牧田さんへと手渡されたそう。ほぼその図面どおりに完成した新居には、憩いの場となるLDKを中心に、必要な機能がしっかりと組み込まれています。

談笑するSさんご夫妻と牧田さん。プライベートや趣味の話など、家以外の話題も事欠かない間柄
談笑するSさんご夫妻と牧田さん。プライベートや趣味の話など、家以外の話題も事欠かない間柄

Sさんは今回の新築に当たっても、意思が明確でブレがなく、さまざまな選択の場面でも即断・即決でしたので、非常に進めやすかったです。「前の家の物で使えるものは使って」とご依頼いただいたとき、最初は「もったいないからかな」と考えていました。しかし、「内装も前の増築部分と同じにしてほしい」というご要望をうかがって、以前にうちで建てたあの空間が心底気に入っておられ、今回の新居はお二人にとってその延長線上にあるものなのだと腑に落ちました。そのお気持ちをくみ取れたからこそ、ベストなご提案ができたのかなと思います。この家で、これからの暮らしをさらに楽しんでいただけたら嬉しいですね。(住文舎/牧田誠司さん)

もとの自宅で使用していた薪ストーブを移設。炉壁や炉台には、豊かな表情が特徴的な地元産の秋保石を採用
もとの自宅で使用していた薪ストーブを移設。炉壁や炉台には、豊かな表情が特徴的な地元産の秋保石を採用
住文舎が手がける家では必ず用いられるアールのある空間。曲線が家族の関係もやわらかくつないでくれる
住文舎が手がける家では必ず用いられるアールのある空間。曲線が家族の関係もやわらかくつないでくれる

暮らしやすい間取りや動線はもちろんのこと、ご夫妻の最たるこだわりが現れているのが内装です。ナラの無垢床、塗り壁仕上げの天井や壁という設えは、色合いも含め、今回の新築のために取り壊さざるを得なかった増築部分と同じ組み合わせ。一部のサッシ窓や室内扉、照明、薪ストーブ、そして家具の大半も、以前の住まいから引き継いだものを使用しているそうです。「牧田さんに建てていただいたあの空間が大好きだったので、新しい家も同じ雰囲気にしたいと思ったんです」と語るお二人。そんなSさんご夫妻の意向をくみ、希望を叶えた住文舎の牧田さん。施主と工務店の間柄を超えた、長年の信頼関係を物語るエピソードです。

奥さんが好きな絵画が新居のさまざまな場所に飾られ、より「らしい」空間を演出してくれている。繊細な職人技が凝縮された階段のアイアン手すりは、この家のアイコン的存在
奥さんが好きな絵画が新居のさまざまな場所に飾られ、より「らしい」空間を演出してくれている。繊細な職人技が凝縮された階段のアイアン手すりは、この家のアイコン的存在
窓際からキッチン方向を望む。前の住まいを踏襲した内装や既存の家具が居心地の良さをさらに高めてくれる
窓際からキッチン方向を望む。前の住まいを踏襲した内装や既存の家具が居心地の良さをさらに高めてくれる
クオーツの天板と濃い色合いがスタイリッシュなオーダーメイドキッチンはインテリアとしても映える
クオーツの天板と濃い色合いがスタイリッシュなオーダーメイドキッチンはインテリアとしても映える

紺とグレーに統一したオーダーメイドキッチンや、アイアンの手すりがおしゃれなリビング階段など、オリジナリティーあふれる数々の造作も住文舎ならでは。これからの暮らしにフィットするサイズ感とお気に入りのインテリアに囲まれた空間で、随所に飾られた絵を眺めながら、ゆったりと日々の暮らしを楽しまれているSさんご夫妻です。

2方向から陽光が射し込む東側の洋室は、応接室や客間、奥さんの仕事スペースなどフレキシブルに使える空間
2方向から陽光が射し込む東側の洋室は、応接室や客間、奥さんの仕事スペースなどフレキシブルに使える空間
コンパクトながらも使い勝手の良いユーティリティ。北側にあるが、横長のハイサイドライトで明るさも十分
コンパクトながらも使い勝手の良いユーティリティ。北側にあるが、横長のハイサイドライトで明るさも十分

牧田さんとは気心が知れた間柄で、イメージを伝えるとすぐに分かってくださるので話が早いんです。今回も他のところにお願いする選択肢は頭にありませんでした。相談すると専門家の意見として真摯に返してくれる点も信頼しています。完成した新居は前の家と内装が同じということもあり、居心地の良さは抜群です。(Sさん)

玄関ホールを抜けた突き当たりの壁には、一番お気に入りの油絵を飾るニッチを製作。奥さんの目線の高さに合わせる配慮も
玄関ホールを抜けた突き当たりの壁には、一番お気に入りの油絵を飾るニッチを製作。奥さんの目線の高さに合わせる配慮も

お気に入りの増築部分とバラ園を取り壊して新居を建てることに初めは気乗りしませんでした。ですが、牧田さんの「お二人がこれまで決めて実行してきたことで、悪い結果になったことはないですよね?今が時機かもしれませんよ」という言葉に背中を押されました。老後の不安もなくなり、好きな絵を眺めて暮らせるのが幸せです。(奥さん)

会社情報
社名 株式会社 住文舎
URL https://juumonsha.com

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