玄関ドアを開けると目に飛び込んできたのは、タモの無垢床と開口越しの雪景色が広がるリビング・ダイニング。木の温もりと開放感あふれる室内には、元気な息子さんたちの声と足音が響いていました。

岩見沢の住宅街に完成したこの家の主は、イラストレーターのOさん。陶芸家の奥さんとともに、東京を拠点に創作活動していたOさんは「アトリエのある住まいを建てる」のが、長年の夢でした。岩見沢市で職を得たのを機に、一家で移住。借家住まいをしながら「緑を眺めて暮らせる土地を探していました」。

トドマツを張った屋根なり天井と大開口が面積以上の広がりを感じさせるリビング。リビングからダイニング、玄関ホールは間仕切りなしでそのままつながっている
トドマツを張った屋根なり天井と大開口が面積以上の広がりを感じさせるリビング。リビングからダイニング、玄関ホールは間仕切りなしでそのままつながっている
LDと分離したキッチンは、リビング側に開口が設けられ、奥さんは家事をしている間も家族との会話やテレビを楽しめる
LDと分離したキッチンは、リビング側に開口が設けられ、奥さんは家事をしている間も家族との会話やテレビを楽しめる
LDと壁だけで分離しているキッチンは、回遊動線の中心にレイアウトすることで、抜群の家事効率とほどよい閉鎖性を実現
LDと壁だけで分離しているキッチンは、回遊動線の中心にレイアウトすることで、抜群の家事効率とほどよい閉鎖性を実現

そんなOさんに地元の知人が紹介してくれたのが、周囲を雑木林が縁どり、遠くには公園の木立を望む200坪の“一等地”でした。「その知人が住んでいたのが、築30年の武部建設の家。木をたくさん使っているのに、特別なメンテナンスなしで快適に暮らせていると聞き、驚きました」。また、地元の会社だということにも安心感を覚えたといいます。ご夫妻は、武部建設の新築内覧会に参加し、木材の扱いと手仕事が得意な会社だと改めて実感。迷うことなく、新築の依頼をしました。

外の景色を眺めながらイラストの制作や読書ができる2階の書斎は、Oさんのお気に入り。デスクや棚は造作仕様。「仕事をしている時も、こんな風に子どもたちと一緒に過ごせるのが理想だったんです」(Oさん)
外の景色を眺めながらイラストの制作や読書ができる2階の書斎は、Oさんのお気に入り。デスクや棚は造作仕様。「仕事をしている時も、こんな風に子どもたちと一緒に過ごせるのが理想だったんです」(Oさん)

お二人が目指した新居は、暮らしとものづくりが共存し、家族の“声がつながる”空間。また、内装に用いる木の種類やボリューム感にもこだわりました。特に床は暮らしを重ねることで味わいが増していく無垢材を採用したいと、多目的ショールーム、結ホールを訪ね、いろんな材に触れ、一番しっくりくるものを選びました。武部建設は、照明や壁紙、コンセントカバーに至るまで素材やデザインを吟味したプランを作成。「僕らと同じ目線で一緒に楽しみながら家をつくってくれたのが、嬉しかったです」と、Oさんは当時を振り返って話します。

玄関はものづくりに取り組むご夫妻の「顔となる場所」と位置づけ、靴箱は高さを抑え、Oさんの絵が飾れるように壁面を残した。土間続きのアトリエの入り口には、奥さんが新築に合わせて焼いた陶器タイルが張られている。
玄関はものづくりに取り組むご夫妻の「顔となる場所」と位置づけ、靴箱は高さを抑え、Oさんの絵が飾れるように壁面を残した。土間続きのアトリエの入り口には、奥さんが新築に合わせて焼いた陶器タイルが張られている

玄関横にある奥さんの陶芸アトリエは、ラワンべニヤやカラマツの構造用合板、石膏ボートなどを採用。これからの創作活動で空間に“らしさ”が加えられるよう、あえてラフに仕上げた
玄関横にある奥さんの陶芸アトリエは、ラワンべニヤやカラマツの構造用合板、石膏ボードなどを採用。これからの創作活動で空間に“らしさ”が加えられるよう、あえてラフに仕上げた

2018年11月、待望の新居が完成しました。床暖房を施した玄関土間の右手には、奥さんの陶芸アトリエ。土間から続く自宅1階は、回遊動線を採用したオープンなつくり。作品が映えるようシンプルに仕上げた空間に、生活感が過度ににじまぬよう、キッチンや水まわりはリビングから分離し、造作収納もたっぷり用意されました。家族のプライベート空間を集約した2階も建具を極力使わず、セミオープンなつくり。2つのフロアは吹き抜けでつながり、家族が建物のどこに居ても互いの気配を感じ、声を聞くことができます。「開放的なつくりですが、住宅性能でも定評のある武部建設らしく、冬も暖かです。お陰で、願った以上に居心地のよい家ができました」。満足そうに語るOさんは、リビング直結のウッドデッキが活躍する緑の季節を心待ちにしています。

玄関ホールには水まわり、キッチンへつながる裏動線が設けられている。キッチン裏側にあたる壁には、パントリー的な役割を果たす造作収納を設置
玄関ホールには水まわり、キッチンへつながる裏動線が設けられている。キッチン裏側にあたる壁には、パントリー的な役割を果たす造作収納を設置
Oさんが願った「声がつながる家」を実現するため、2階主寝室と子ども室の間に吹き抜けを設けた。吹き抜けの採光窓から入る外光は、時間と季節の変化を教えてくれる
Oさんが願った「声がつながる家」を実現するため、2階主寝室と子ども室の間に吹き抜けを設けた。吹き抜けの採光窓から入る外光は、時間と季節の変化を教えてくれる
2階廊下と子ども室は、可動式造作収納で間仕切りしている。突き当たり奥は、Oさんの書斎。床は足触りがやさしいカラマツ無垢材を採用
2階廊下と子ども室は、可動式造作収納で間仕切りしている。突き当たり奥は、Oさんの書斎。床は足触りがやさしいカラマツ無垢材を採用
子ども室の造作収納は、親子のコミュニケーションがとりやすいように高さを抑えた。子供の成長に合わせ、造作収納を移動して2室に分ける予定
子ども室の造作収納は、親子のコミュニケーションがとりやすいように高さを抑えた。子どもの成長に合わせ、造作収納を移動して2室に分ける予定
雪景色に映えるカラマツ板張りの外観。手前は奥さんの陶芸アトリエ
雪景色に映えるカラマツ板張りの外観。手前は奥さんの陶芸アトリエ