「みんなで土間に集まって炎を楽しむのが、冬のわが家の楽しみになりました。こうしてストーブを焚いていても室内の空気が爽やかです」と奥さん

自然へのアクセスが近い札幌市南区に建つ住宅。春から秋はカヌーや釣り、キャンプ、冬はスノーボードを楽しむOさんは、冬を楽しむための装置として薪ストーブを希望しました。1階に大きな玄関土間を設けてストーブを設置し、和室をレイアウト。さらに、大きな吹き抜けを設けて2階のLDKと土間空間を結び、空気の自然対流でストーブの熱が2階にも流れるようにプランニングされています。冬は土間に集まってみんなで炎を楽しむ、くつろぎの空間となりました。

◎家族構成:夫婦
◎構造規模:木造2階建て
◎設計:(株)フーム空間計画工房 一級建築士事務所
◎施工:(有)徹庚ハウジング

木、レンガ、アイアンといった自然の素材を生かして丁寧にしつらえた空間は、大人の2人住まいにふさわしい端正な佇まい

リビングの一角に設けた書斎コーナー。蔵書の多いOさんの要望で、吹き抜けの手すり下や壁に本棚を造作

ストーブ横の階段を上ると、目の前に間仕切りのないLDKが広がる。リビングに隣接して日射遮蔽を兼ねたバルコニーがある

ストーブは「美しい炎がよく見え、モダンな雰囲気が気に入った」と、スキャン アンデルセン8を採用。奥さんも扱える操作性の良さも魅力だそう
レンガの壁が目を引く造作キッチン。隣接して大容量のパントリーもある。ダイニングテーブルもスペースに合わせて高田さんがデザイン
熱や光を通す欄間、美しい納まりまで考えた建具、草木染の畳縁、本畳、和紙の手づくり照明、藁を漉き込んだ塗り壁。隅々にまできめ細かな手仕事が施された和室は、上質なくつろぎを演出
造作仕様の洗面コーナー

コウヤマキを用いた浴槽とヒバ羽目板の壁、FRP仕上げの床を採用した1階浴室。洗剤の飛び散りを防ぐシャワーブースを手前に設けて、メンテナンスがしやすいように配慮

新居完成後、Oさんが自ら仲間とつくり上げたという広々としたウッドデッキ。外部の視線を遮るルーバー壁も設け、暖かな時期はアウトドアリビングとして活用

木酢液を浸透させた下川町産マツ材を大和張りにした外観。建物と一体化したカーポートは薪置場も兼ねる。アプローチの札幌軟石を使った前庭のデザインも建物に合わせて高田さんが手掛けた