山並みを一望するワイドな開口の下には、2階からの暖気を取り込むスリットが入れられている

緑の海と山並み、空が眼前に広がる絶景。3層に分かれたフロアの最上階から見るこの景色が、この家の最大の見どころ。建築家の名古屋英紀さんがこれまでの仕事の集大成として自ら設計したこの住宅は、実験的な試みとして、壁にケイ酸カルシウム板、床に構造用合板やスレート板などといった、ラフな工業系素材を多用し、自邸だから許される冒険に挑んでいます。つくりこみ過ぎず素材感を際立たせた空間に、不思議とフランスで集めてきたアンティークの小物が似合う、洗練された住宅です。

◎家族構成:夫婦40代
◎構造規模:木造・3階建て
◎設計:エープラス建築設計 一級建築士事務所
◎施工:(株)トラストリフォーム

ご夫妻が長年大切にしてきた家具、照明器具、観葉植物が美しくレイアウトされた3階のLDK

モノトーンを基調にしたキッチン、ダイニングテーブルは、奥さんの希望をもとに造作

2階には夫婦の衣類や洗濯機を収める壁面収納を造作。ここからあふれるほどのモノは持たない主義、だそう

建物の中央に設けた階段スペースは3階まで吹き抜け、暖かく空気と人の気配を運ぶ

明暗のコントラストが印象的な2つのフロアを結ぶ階段。3階窓際のスリットからこぼれる光が2階の壁をやさしく照らして

キッチンの真下にある2階水まわりとトイレ。引き出し式の吊り戸が設けられ、間仕切りできる

あらかじめパネル状に加工した白いガルバリウム鋼板を張った外壁

外壁に開いたスリットは対角にも設けられ、通風口の役割を果たす。3階の大開口はセットバックし、外部からの視線を遮断