長野から北海道に移住してきてしばらく経った頃、近くのスーパーで「おやき」の文字を見つけ、「おおっ、長野のおやきはそんなに全国区になったのか!」と側に行って見てみてびっくり。売られていたのは「おやき」という名の今川焼き(大判焼き)でした…というエピソードはきっと、北海道に来た長野県人あるあるでしょう。

北海道のおやき

長野県で「おやき」といえば、野菜メインの具材を小麦粉(場合によって+蕎麦粉)の生地で包んで焼いたり蒸したりしたもの。主食にもなれば、おやつにもなるお手軽料理です。例えば夏の休日。家でのお昼ごはんに「そうめんだけだと物足りないから、おやきもプラスして食べよう」といった感じで、ポジション的には、道民にとっての「とうきび」のような存在(リプランの道民スタッフAさん談)でしょうか。

GWで帰省した際、全国的にも有名になった「いろは堂」の本店で、定番&季節のおやきをいただいてきました。いろは堂のおやきは、窯で焼くスタイル。そば粉が入っているのもポイントです。長野市の駅ビル内などにも出店しているのですが、長野市鬼無里(けっこう山奥)の本店で食べる作りたては絶品です!

いろは堂本店のおやき

観光客の一番人気は野沢菜ですが、今の季節、外せないのが「のびろ(のびる)」という山菜のおやき。山菜といっても、意外とあぜ道とかに生えている本州の田舎では比較的馴染みの植物で、ねぎのようなニラのような味わいの、この時期ならではの具材です。切り干し大根は、定番ですね。

のびろのおやき
切り干し大根のおやき

お店のおやきはもちろんとても美味しいですが、私にとっての一番は何といってもおばあちゃんがつくる自家製の蒸しおやき。そもそも長野のおやきは家庭で手軽につくるものなんです。

つくり方はけっこうシンプル。小麦粉(地粉)に少々の砂糖と適量のお水を加えてよくこねて、しばらく冷蔵庫で寝かせます。それから作っておいた具材(大根と人参を味噌で甘辛く煮たものや、丸なすで味噌を挟んだもの、小豆あんなど)を包んで、場合によっては少し焼き目を付けてから蒸し上げます。もっちりとして素朴な甘さのある生地と、ちょっと濃く味付けた具材の相性はバツグンです。

こねた小麦粉の生地
具材を包んで蒸し器へ投入
自家製おやき

北海道ほどの華やかさ(!)はないものの、長野も魅力的で素敵な場所です。今年の夏は昨年よりも長い期間で、丘珠空港 ⇔ 信州まつもと空港便が臨時就航するようなので、道民のみなさんもぜひ長野を旅してみてください!

大町市中山高原の菜の花畑と北アルプス(後立山連邦)

以上、編集部のNマキでした。