機械に頼らず、自然のチカラを利用する家づくり

「省エネ」や「再生エネルギー」など、新しいエネルギーを利用するためのトピックスは日々のニュースでも見聞きすることがあると思います。パッシブデザインとは、太陽の熱や光、風といった自然のエネルギーを、機械を使わずに建物に利用する設計手法のこと。ちょっと大げさに言えば、地球に負担をかけない家づくりの方法ということになります。

そこで今回は、「パッシブデザイン」のキホンについてご紹介します。省エネで省コストにもなり得る家づくりの考え方、1から学んでみませんか?

パッシブデザインの「パッシブ」って何?

リプラン誌面でもたびたび登場する「パッシブ」という言葉。テレビなどでも聞き覚えのある人はいるかと思います。自然の力を利用して省エネルギーな暮らしができるらしい、ということはなんとなく理解していても、その仕組みや、暮らしにどう関わってくるのかについては、「?」な人がまだまだ多いのではないでしょうか。

パッシブ(passive)は、直訳すると「受動的、受け身である」という意味で、住宅だけでなくいろんな分野で使われています。家づくりや暮らしに関する「パッシブ」というと、例えば、家の外と中との空気の温度差を利用して換気をする温度差換気や、風圧の差を利用する風力換気などは「パッシブ換気」と呼ばれるパッシブデザインのひとつです。また、冬に室内に太陽光をたっぷりと取り込んで室温を上げるのもパッシブデザインのひとつ。太陽(=ソーラー)を利用するので「パッシブソーラー」と呼びます。

【パッシブデザインのイメージ01:パッシブ換気の例】
天井付近にたまった暖かい空気を高窓から逃がすと、その分、建物の下のほうにある窓からは外気が入り、空気が入れ替わる
【パッシブデザインのイメージ02:パッシブソーラーの例01】
庇を設けて夏の高い太陽光が室内に入るのを防ぐ一方、冬の低い太陽光は室内に取り入れる
【パッシブデザインのイメージ02:パッシブソーラーの例02】
窓辺に、コンクリート土間やタイルなどの蓄熱性の高い素材を使用し、太陽の熱を溜めて暖房に利用する

パッシブデザインのキーワードは、「断熱・気密・蓄熱」

パッシブデザインを取り入れた家では、自然エネルギーを利用できる分、暖房や換気などに使うエネルギーが少なくてすみますが、そのためには、高断熱・高気密な家づくりがとても重要です。また、日照条件の良い地域では、基礎断熱によって地盤の熱容量を室内に取り込んだり、窓辺に土間を設けたりなど、陽射しによる熱を最大限に有効活用できるよう室内に蓄熱性を持たせることも大切です。

いごこちよく暮らしながら、未来の自然環境にも貢献できる省エネルギーな住まい、それがパッシブデザインの住まいです。これから家づくりをはじめる方はぜひ、パッシブデザインについても考えてみてはいかがでしょうか?
(文/Replan編集部)