「良いデザインの家」とは、見た目も間取りも、省エネ・省コストにつながる住宅性能も、トータルに考えデザインされた家。Replanでは「美しく暮らす 東北のデザイン住宅2022」の発刊に合わせて、そんな家づくりに取り組む東北の住まいのつくり手の声をお届けしていきます。今回は、岩手県盛岡市と東京都を拠点に注文住宅を手がける(株)NoMaDoS一級建築士事務所です。

新しい発想で想像の一歩先ゆく住み心地

「自分がほしいもの」を言語化するのはとても難しいことだと思います。私たちは建主様のほしい機能や空間についてヒアリングした上で、その言葉の裏にある一歩先の「理想の暮らし」をご提案します。

建主様と一緒に、新しい暮らしをシミュレーションしながら理想の形に近づけるように、図面、パースや模型で具体化して分かりやすくご提案します。また、社内に「環境設備設計」の専門家もおりますので、住み心地のよさを追求・ご提案することができます。

住宅は何十年も一緒に暮らしていくものです。毎日の生活にストレスなくなじむよう、機能性と美しさ、さらには楽しさを大事にしたデザインを心がけています。

自然を映す天井

建築地は北上川の支流を望み、対岸にはリンゴ畑の丘が広がる三角形の不整形地。建主様と最初に敷地を訪れたときから「この景色をどうにか家づくりに取り込みたい!」と話していました。

建主様の希望は、夫婦二人(+猫一匹)でつつましく暮らしたい、ということ。知人を呼んで集まる場というよりは、自分たちの日常の時間を豊かに過ごすための家を求められていました。

河川が近いためハザードマップを基に基礎の高さを計画
河川が近いためハザードマップを基に基礎の高さを計画

そこでご提案したのが、隣地や道路からずらした高さに開放的な大開口を設け、光沢のある天井の反射を利用して自然を取り込む「曲面天井の家」です。

窓の高さと、川の高さ、向こう岸のリンゴ畑の高さを考慮して検討を重ねつくり上げた、プライベートな開放空間。ダイニングの位置に座ってみると、天井は緑を映し、大きな窓には空が広がり、カーテンを開け放しても誰にも見られることがありません。

リビングから見た曲面天井
リビングから見た曲面天井。大開口の向こうにはリンゴ畑の丘が広がる
光沢塗装仕上げの曲面天井。壁際は2階への吹き抜けとなっている
光沢塗装仕上げの曲面天井。壁際は2階への吹き抜けとなっている
造作家具には盛岡市産材を贅沢に使用している
造作家具には盛岡市産材を贅沢に使用している
造作カウンターで囲ったシステムキッチン
造作カウンターで囲ったシステムキッチン

曲面の天井は温熱環境にも寄与しています。暖まった空気は吹き抜けから2階の曲面天井を経由して高所窓から排出され、スムーズな自然換気を促します。

地元産材の利用、高断熱仕様、水害対策、変形土地を活かした動線計画などにもこだわり、暮らしやすさに関しても決して妥協せずに、丁寧にデザインされた住宅です。

1階曲面天井の形状を活かした2階の階段収納・デスク
1階曲面天井の形状を活かした2階の階段収納・デスク
2階も自然換気を促進し、環境を取り込む曲面天井とした
2階も自然換気を促進し、環境を取り込む曲面天井とした
造作ベッド台のある寝室
造作ベッド台のある寝室
対岸から見た建物の夕景
対岸から見た建物の夕景

■建築DATA
岩手県盛岡市・Aさん宅 
家族構成/夫婦30代
構造規模/木造・2階建て
延床面積/86.52㎡(約26坪)

設計/(株)NoMaDoS 一級建築士事務所  乙坂 譜美、千葉 光、吉川 尚哉、高橋 良輔
施工/(有)岩井沢工務所

写真提供/(株)NoMaDoS 一級建築士事務所


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東北で活躍する建築家や建築会社によるデザイン性の高い住宅実例集のほか、2021年に宮城県石巻市で竣工したマルホンまきあーとテラス(設計/藤本壮介建築設計事務所)を取材した巻頭特集やインテリアアイテムに関するエッセイなど、住宅や建築を多面的に捉えたコンテンツで、家づくりの参考になる住宅のデザインを提案。

普段なかなか目にすることのないこだわりの注文住宅を多数掲載しています。ぜひ家づくりの参考にご覧ください!

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