牧場の敷地内に立つ大きな片流れ屋根の家。ガルバリウム鋼板に板張りの外壁がアクセントを添えるこの家は、上士幌町で酪農を営むTさんご一家の住まいです。

牛舎や関連施設を含む広い敷地内に立つTさんご一家の住まい
牛舎や関連施設を含む広い敷地内に立つTさんご一家の住まい
天井高のある玄関ポーチは木板張りで外観にアクセントを与えている
天井高のある玄関ポーチは木板張りで外観にアクセントを与えている
東側に設けた仕事の行き来に使う裏玄関
東側に設けた仕事の行き来に使う裏玄関

ご夫妻がパートナーに選んだのは、敷地内の牛舎や関連施設の建設を担当して以来、20年近い付き合いになるという大野建設。これは「働きやすい環境をつくってくれた大野建設ならば、暮らしやすい家もつくってくれるはず」という、Tさんが同社に寄せる厚い信頼によるものでした。

広い玄関には収納力のある土間続きのシューズクロークも設置
広い玄関には収納力のある土間続きのシューズクロークも設置
廊下の西側に設けたFIX窓は豊かな景色を映しながら、やわらかな光を採り込む
廊下の西側に設けたFIX窓は豊かな景色を映しながら、やわらかな光を採り込む
幅広いカウンターを設けた事務仕事をするための書斎。ユーティリティから入って、廊下へと抜けられる。すりガラスの先が玄関ホール
幅広いカウンターを設けた事務仕事をするための書斎。ユーティリティから入って、廊下へと抜けられる。すりガラスの先が玄関ホール

新居は、1階に暮らしに必要な要素をすべて集約したほぼ平屋。ナラの無垢材を使った床や天井、現しの梁や柱など、適材適所に木を配した住まいです。この木の質感をさらに引き出し、深みを与えているのが、モールテックスのキッチンやモルタルで仕上げた土間などの無機質素材。勾配天井と大きな吹き抜けがもたらす開放的なLDKに、異なる素材が美しく同居して上質な空間をつくり上げています。

ゆったりとしたカウンタースペースを確保したキッチンは、モールテックスとナラ材を組み合わせた造作。ダイニングテーブルにも同じくモールテックスを採用して統一感を演出している。銅の照明や、壁面のタイル、ステンレスのスイッチプレートなど、細部にわたり素材選びにこだわった
ゆったりとしたカウンタースペースを確保したキッチンは、モールテックスとナラ材を組み合わせた造作。ダイニングテーブルにも同じくモールテックスを採用して統一感を演出している。銅の照明や、壁面のタイル、ステンレスのスイッチプレートなど、細部にわたり素材選びにこだわった
ガスオーブンをビルトインにした造作食器棚。出し入れをする際に屈まなくてもいいように高い位置に設置した。日本製だとコンロ下など設置場所が限定されるため、オーブンはイタリア製のものを採用
ガスオーブンをビルトインにした造作食器棚。出し入れをする際に屈まなくてもいいように高い位置に設置した。日本製だとコンロ下など設置場所が限定されるため、オーブンはイタリア製のものを採用
洗面台を介して左奥は書斎、洗面台の裏手にはウォークインクローゼットがある
洗面台を介して左奥は書斎、洗面台の裏手にはウォークインクローゼットがある
寝室は住宅の西側に配置。ウォークインクローゼットの先は浴室につながっている
寝室は住宅の西側に配置。ウォークインクローゼットの先は浴室につながっている
寝室と廊下を挟んだ位置に設けた長女の部屋は、本人希望の淡いピンクを基調にしたかわいらしい色合いに
寝室と廊下を挟んだ位置に設けた長女の部屋は、本人希望の淡いピンクを基調にしたかわいらしい色合いに

「モールテックスは設計担当の城岡さんの提案です。素材の雰囲気も好みで、料理をしていて気分が上がるキッチンになりました」と言う奥さんは、その居心地の良さに一日のほとんどをキッチンで過ごしていると笑います。新居に移り住み、程なくして冬の気配がやってきた上士幌町。奥さんたっての希望で導入した薪ストーブが、パチパチという薪のはぜる音とともに美しい炎で新居を暖めています。

大きな吹き抜けが圧倒的な開放感を演出するリビングは、無垢床や天井の羽目板、柱や梁など木の質感が心地よい空間。周辺の緑や木々を映しながら陽光を採り込む適材適所の窓配置で、室内はいつも明るくやわらかな光に包まれている
大きな吹き抜けが圧倒的な開放感を演出するリビングは、無垢床や天井の羽目板、柱や梁など木の質感が心地よい空間。周辺の緑や木々を映しながら陽光を採り込む適材適所の窓配置で、室内はいつも明るくやわらかな光に包まれている
リビング横の和室は必要に応じて掘りごたつにできる。床座を楽しむセカンドリビング的空間
リビング横の和室は必要に応じて掘りごたつにできる。床座を楽しむセカンドリビング的空間
火のある暮らしに憧れて導入した薪ストーブは、調理も楽しめるモデル。テラス窓を介して薪の運び入れができるようになっていて、モルタル仕上げの土間と炉壁が、無垢材と調和しながら空間を引き締める
火のある暮らしに憧れて導入した薪ストーブは、調理も楽しめるモデル。テラス窓を介して薪の運び入れができるようになっていて、モルタル仕上げの土間と炉壁が、無垢材と調和しながら空間を引き締める

大野建設は1979年の設立以来、十勝エリアを中心に地域に根ざした家づくりを行っています。建築家物件を多く手がけていて、無垢材をはじめとした自然素材や薪ストーブを採用した事例も多数あります。

家族や友人を招いて食事をする機会が多いというTさん宅。暮らしの中心になるキッチンは意匠性の高いものにしたいと考えて、仕上がりの雰囲気が個人的にも好みだったモールテックスを提案しました。そのキッチンをはじめ、無垢床や現しの梁や柱といった経年変化が楽しめる木部、モルタルの土間など素材選びにこだわりながら、色数を抑えた落ち着いたトーンでまとめています。廊下に設けたFIX窓の向こうに見えるのは、豊かな木々や緑が魅せる絵画のような景色。四季の移ろいが楽しめるこの窓もまた、Tさん宅の自慢の一つです。