住み心地の良し悪しを左右する暖冷房設備選びは、家づくりの要です。「暑い」「寒い」だけではない空間の快適性を実現するために、家づくりのプロたちが注目しているのが、ピーエス株式会社のセントラル暖冷房システム。
 
そこで今回は、同社のマネージャー、木村 翼さんに、北海道の工務店が求める暖冷房設備の条件、それを叶えるシステムの特徴、メリットなどをうかがいました。


開放感を大切にする
デザイン住宅に最適

「1年を通して、その存在を意識しなくても快適に過ごせる温熱環境が維持できること。それを実現できるのが、私たちが提案しているセントラル暖冷房システム、PS HRシステムです」。道内の工務店と一緒に理想的な温熱環境を追求してきた木村さんは、開口一番に話します。

ピーエスは1972年から、北広島市に生産拠点を構え、季節によって多様に変化する室内環境の波をコントロールするPS HRシステムを提案してきました。そのベースになっているのが、「天井・床・壁を冷やさない」「コールドドラフトを防止する」「寒い場所をつくらない」「寒い時間をつくらない」「空気をかき混ぜない」という「5つの原則」です。温風ファンで空気を暖める暖房とは異なり、PS HRヒータは温水ラジエーター(一般的にはパネルヒーターと呼ばれる)の輻射熱で壁や天井、床を暖めるのが特徴。例えば冬は30~60℃の温水が循環する温水ラジエーターを24時間運転することで建物全体が暖まり、室内が春のような空気感に包まれます。

「大開口や吹き抜けを設けたリビング、水平方向に奥行きがある住まいも隅々まで暖まり、寒い場所ができません」。その特性から、コートハウスや大開口を設けたデザイン住宅を得意とする工務店に採用されています。

住宅性能を引き出す
高い省エネ性

PS HRヒータが注目される理由の一つに、省エネ性の高さも挙げられます。「建物が冷え切ってから一気に暖めるよりも、低いエネルギーで24時間連続してゆっくり暖め続けるほうが、エネルギー消費が少なく、省エネにつながります。車の運転で一定の速度で走り続けると、燃費がぐんと良くなるのと一緒です」。少しのエネルギーで空間を暖め続けるPS HRヒータは、室内の熱を逃がさない高性能住宅と組み合わせることでダブルの省エネ効果も期待できます。


さらに、PS HRヒータは灯油やガスなどの化石燃料のほか、ヒートポンプや地中熱、地下水、地熱、太陽光発電など、自然エネルギーにも対応。熱源だけを替えることで、これからの住まいづくりに求められる脱炭素化、脱化石燃料にもしなやかに対応することができます。

「PS HRシステムは、使い方や温水ラジエーターの配置などで、建物のポテンシャルが変わります。性能スペックとシステムのコストバランスを工務店と一緒に考え、最適なプランを提案するのも私たちの大切な仕事です。工務店とプラン時から一緒に家づくりを行ってきた結果、家が寒いというクレームはほとんど聞かれません」と、木村さんは胸を張ります。

自由に、しなやかに
寄り添い続ける道産品

デザイン性の高さで工務店からの引き合いが多いピーエスの暖房機器は、すべてオーダーメイド。自社設立から50年間、蓄積してきた経験と技術によって北広島市で生産されている道産品です。

デザインやサイズは、空間に溶け込むように緻密に計画。カラーバリエーションも豊富なため、インテリアのアクセントとしても活用されています。LDKなどの間仕切りにPS HRヒータを用いることで、ラジエーター2、3台分を集約することもできます。また、PS HRヒータは、基本的にメンテナンスフリー。エアコンのように定期的なフィルター交換などのメンテナンスはありません。シンプルな形状のPS HRヒータは掃除が簡単。温風ファンのような気流が発生しないので、ホコリが舞うこともありません。クリーンな室内環境を保ちながら、ビンテージの家具のように空間と暮らしになじみ、寄り添い続けます。

「一般に弊社の製品は高いとよく言われますが、エアコンと他社のセントラル暖房を併用した場合とイニシャルコストは大差ありません。また、輸入製品のように納期確認に時間を要することもありません。これからもよりコストパフォーマンスの高い提案で、北海道の住まいづくりの一助になりたいと考えています」と、木村さんは力強く話してくれました。

屋外の気温の揺らぎと響き合うように、室温が変化するピーエスの暖冷房システム。北広島市のコンセプトショールーム「マダガスカル」で、その心地よさをご体感ください。

(文/Replan編集部)

取材協力/ピーエス株式会社

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