地球上に存在する、ありとあらゆる生物のほぼすべてが、太陽の光と熱、大気中の酸素、そして飲んだり、地中から吸収するための水を必要とする。そのいずれかひとつでも無ければ生物のほとんどが死滅する。

しかしながら、これらの欠かせない要素は、時と場合によっては、ありとあらゆる生命や物質を破壊してしまうものでもある。太陽光の紫外線は一定量を超えると物質を劣化させたり、人体に大きなダメージを与える。また、空気中の酸素は金属や食物を酸化させてしまう。水もまたその量の増減により環境に大きな負荷を与えるし、多くの物質を時間をかけて浸食してゆくパワーを有している。

人類は科学技術の進歩と共にそうした必要不可欠な自然界の要素を巧みに利用したり、それからのダメージコントロールを行ってきた。そうした例は私たちの実生活の中にも至るところに見られる。

そんな一例が屋外で使用するための家具である。一般に木製の屋外用の家具には防腐処理がなされた材料が使用されるが、防腐剤の効果はあまり長期間ではなく、まめに物置などに出し入れして使うべきであろう。また、最近はキャンプなどアウトドアで使用する家具類が多種多様にあり、手軽に入手できる。

それらの多くは持ち運びに便利なアルミニウムのパイプフレームに化学繊維のシートを張ったものだ。それらは毎日使用するというよりも、年に数回のレジャー目的のものであり、使用頻度が少ない分、あまり強度の高いものではない。

一方、公園のベンチ等に見られる設置式のものは鋳鉄製のフレームに交換可能な板材や樹脂製のものが多い。一般的にスチールフレーム製のアウトドア用の家具には耐光・耐水性の高い塗装を施し、錆止めを兼ねたものだ。いずれのタイプも一長一短で優れた製品は少ない。

今回紹介するアウトドア用の家具は、テーブルと椅子が一体化されたものだ。これらのシリーズと同じ発想のものとして、フランスのジャン・プルーヴェの学童用の家具があった。また、日本でも学生食堂用の家具に同様の物が見られた。

この作品をデザインしたのはベルギー人のディルク・ワイナンツである。彼は家具職人の子として生まれ、ゲント市のセントルーカス建築大学の家具デザイン学科で学んだ。家具会社の営業を務め、市場のニーズを把握した後、1994年アウドドア家具に特化したブランド、エクストレミス(過激主義)を創設。自らデザインの中心的な活動を行い、次々と革新的な作品を発表した。

それまでアウトドア用の家具といえば、あまりデザイン性の高いものが無かっただけに高評価を得た。そして世界的に注目された建築物や企業で採用されたのである。2006年には自身のデザインスタジオ、ディルク・ワイナンツ・デザイン・ワークを設立している。

全天候型のアイデアに注力した結果、オフィスのコミュニケーションスペースなどにも向いており、注目される家具だ。

3〜5人掛けのコンパクトなピクニックテーブル。天板は、水抜き穴&パラソルホール有りタイプと、フラットの2タイプがある。背もたれもつけることが可能
天板は、水抜き穴&パラソルホール有りタイプと、フラットの2タイプがある。別売りの背もたれをつけることも可能
Virusのカラーバリエーションの一部

狭いスペースでもみんなで集まれる3〜5人掛けのコンパクトなピクニックテーブル
狭いスペースでもみんなで集まれる3〜5人掛けのコンパクトなピクニックテーブル
同じ座席数のVirusは3台までスタッキングが可能
同じ座席数のVirusは3台までスタッキングが可能

■Virus
メーカー:extremis(エクストレミス)
モデルタイプ:3人掛(水抜き穴&パラソル穴有り)/コバルトブルー
サイズ:Φ160×H74㎝、SH44㎝
重量:32.17kg
素材:溶融Zn-AI-Mg(パウダーコーティング)、アルミ(パウダーコーディング)、ステンレス(パウダーコーティング) カラー:パピルスホワイト、ベルディグリス、リードグリーン、カッパーブラウン、ブラックレッド、コバルトブルー、ベージュレッド、ボトルグリーン
価格:511,500円(税込)

<問い合わせ先>
MAARKET(マーケット)
https://maarket.jp/products/detail/1700