SHIMOKUが提案する木のリノベーション

公開日:2025.10.27 最終更新日時:2025.10.27

福島のリノベーションで注目の地域ビルダーをご紹介! 「活かす・変わる」という、リノベならではの魅力をお伝えします。

家を持つ選択肢のひとつとして「中古マンション購入+リノベーション」が、ポピュラーになりつつあります。郡山市を拠点とする総合建設会社、八光建設。その住宅部門であるSIMOKUが提案するのが、木をふんだんに使ったマンションリノベーションです。自然素材を軸に家をつくり続けてきたSIMOKUならではの木への信頼と想い、知識と技術。それらが体現されたモデルルームを通して、木のマンションリノベーションの魅力を紹介します。


 

南面と西面の2方向から光が入り、明るく開放的なリビング。窓の内側には内窓、障子、板戸を施工し、断熱性能をアップデート

SIMOKUがリノベーションし、モデルルームとして公開しているのは、築30数年になるマンションの高層階の角部屋。郡山市街や遠く会津の山並みを一望できるその部屋は、フィンランド語で“の空間”を意味する「ValoTila(ヴァロティラ)」と名付けられたとおり、2方向から入る陽光が心地よい空間です。郡山の住宅業界ではここ数年、中古マンションの買取再販の動きが加速。そんな中、「マンションでも木に囲まれて暮らしたい」というSIMOKUユーザーの要望を受け、このモデルルームが誕生しました。

無垢スギ材の床から一段下がったリビング・ダイニングは100%ウールのカーペット敷き。吸放湿性や吸音性、断熱性にも優れ、足触りも柔らか

扉を開けると、画一的なマンションとはひと味もふた味も異なる内装空間に驚かされることでしょう。床には奈良県吉野産のスギ、壁にはラワン、天井にはシナを使用。この木の温もり豊かな室内に、白河石、漆喰、和紙などの異素材が調和し、唯一無二のくつろぎ感を醸し出しています。設計全般を担当したのは、「木のマンションリノベーション」を早くから提唱し、全国で設計活動を展開する建築家の小谷和也さん。素材使いはもちろん、精度の高い採寸から生み出される美しい納まりなどにも小谷さんらしさがあふれています。

木とタイル、ステンレスの異なる素材が引き立つ美しいキッチンは、八光建設が手がけた「ホテリ・アアルト」のデザインをオマージュしたもの

木の家には、質感、触感、香りなど、五感に働きかける特別な魅力があります。自然素材であることから環境への負荷が少なく、サステナブルな循環社会に貢献できるのも、木の家の利点といえるでしょう。そして、マンションリノベーションにおいて特にメリットとなるのが、木の持つ調湿効果です。断熱施工が不十分な中古RC造マンションの一番の問題といえば、カビによる健康被害や建材の劣化を引き起こす結露だといわれています。そのため、湿度を適切に保つ木をふんだん取り入れることは、結露を和らげ、健康的な暮らし、住空間の長寿命化を約束してくれます。

廊下と寝室への2WAY動線を確保した玄関土間は、キャンプ道具やアウトドアグッズなどを置ける広さ。ドアの内側に設置した扉は、冬は断熱戸、夏は網戸になる

SIMOKUのマンションリノベーションは、結露にも大きく関わる断熱性能不足という課題を解消することが大前提です。というのも、それこそが本当に快適な暮らしの鍵を握るものであると考えているからに他なりません。「ValoTila」においても、外部に接する内壁に断熱材を施工し直し、すべての窓に内窓と障子、板戸を設置。また、リビング・ダイニングには床の下地材の上に遮音ボードを置き、さらにその上にカーペットを敷き詰めました。こうして断熱性能を強化したこの住まいでは、エアコン1台で一年中心地よい暮らしが可能。光熱費も少なくて済みます。また、中古マンションのもう一つの課題として、外部への音漏れや外部からの騒音が挙げられますが、前述した断熱対策は遮音対策を兼ねているという点も見逃せません。

断熱施工の様子
断熱施工の様子

18.1坪という空間の中で、パズルのピースをはめ込むように、無駄を省いて最適化された間取りも見どころです。高層階の角部屋という特性を生かし、眺望という最高の贅沢を享受できるよう、南面にリビング・ダイニングと大きなサンルームをレイアウト。また、浴室を中央に配置するという大胆なゾーニングにより、効率的に移動でき、空気も循環しやすい回遊動線を確保しています。置き家具で間仕切りすることで、可変性を持たせつつ、限られた空間を有効活用している点もポイントです。

南側の障子を開けると現れるサンルーム。冬は南側の陽射しを取り込みつつ室内を寒さから守り、夏の暑さもしのぐ熱境界の役割も果たす
置き家具で間仕切りされた寝室。低めに設定された天井も相まって、こもり感があり安眠できる空間
シンプルなデザインが印象的な独立型の造作洗面台。玄関から近い位置に設けられており、帰宅後の手洗いもスムーズに行える
入れ子状に空間の中心に設置されたバスルーム。ハーフユニット仕上げで、壁には白いタイルを施工。大きな窓を開ければ掃き出し窓越しに会津の山並みを一望できる

マンションでは難しいと思われていた木のリノベーションを高いレベルで実現。のみならず、中古マンションが持つ性能面の問題を解消し、そこにコンパクトで機能的な空間設計を取り入れて、真の快適さを追求した「ValoTila」。ここまでやり尽くすことができるのも、豊富な知識と高い技術力を持ち、木の優れた性能を理解しているSIMOKUならではといえるでしょう。

時とともに価値が磨かれるリノベーションを。

1964年に創業し、建築の分野で地域の暮らしや事業を支え続けている八光建設。住宅ブランドのSIMOKUも抱える同社では、新築はもちろん、リノベーションの実績も豊富です。「ホテリ・アアルト」やセレクトショップ「ラボットリビングスタイル」、「八光建設本社社屋」などの大型施設のリノベーションをはじめ、古民家再生や戸建て・マンションのリノベーションを数多く手がけてきました。「できるだけ壊さない・捨てない」をコアコンセプトに、既存の建物に新たな価値を加えながら、ライフスタイルを豊かに彩るお手伝いを続けています。

01.ホテリ・アアルト
磐梯朝日国立公園の中に立つ「ホテリ・アアルト」は、築40年の山荘をリノベーションしたリゾートホテル。建築家の益子義弘さんが設計を手がけています。もともとの地形や建物の骨格をできるだけ生かし、地元の木をふんだんに用いて構成された空間は、北欧と和のテイストが調和し、心地よさも格別。個性的な17室の客室のすべてに住宅で使うようなデザイナーズ家具や照明がさりげなく設えられ、「暮らすように泊まる」を体感できます。

02.LABOTTO
SIMOKUが展開するインテリアセレクトショップ「ラボットリビングスタイル」は倉庫からのコンバージョンで生まれた空間。国内外から集めた人気のインテリアや厳選された雑貨がそろっています。

会社情報
社名 SIMOKU(八光建設 株式会社)
URL https://simoku.jp

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