プライバシーと眺望が両立する2階リビングの高性能住宅

公開日:2025.12.15 最終更新日時:2025.12.15

Replanが取材した、北海道・東北の素敵な住まいづくりの話をご紹介します。
(株)栞家建築舎 / 滝沢市・Aさん宅 夫婦30代、子ども1人


お施主様に信頼される道標として
快適・安心な住環境を提供

現代はインターネットですぐに情報が手に入る時代です。しかし、すべてが正しい情報ではありません。玉石混交の情報を選り分ける必要があります。「栞」は本来、通行人に進むべき方向を示す「道標」という意味を持ちます。専門家の視点から家づくりのための正確な情報、施主にとって利益になる情報を提供し、後悔のない住まいの完成へ導く道標になりたい。「栞家建築舎」という社名には、そんな想いが込められています。

自然の鉱物からつくった保護材「エコ・ウッド・トリートメント」に黒の顔料を混ぜて塗布した県産スギ材の外壁。一度塗布すると60年以上メンテナンスの必要がない。オープンテラスに設置された物置の中に、外水道や室外機が隠されている
自然の鉱物からつくった保護材「エコ・ウッド・トリートメント」に黒の顔料を混ぜて塗布した県産スギ材の外壁。一度塗布すると60年以上メンテナンスの必要がない。オープンテラスに設置された物置の中に、外水道や室外機が隠されている
アプローチの飛び石には御影石、玄関ポーチには札幌軟石を使用。ご夫妻の要望だった「和風の空間」を玄関から表現している。ジュンベリーの木を植えて、お子さんと果実の収穫を楽しんでいる
アプローチの飛び石には御影石、玄関ポーチには札幌軟石を使用。ご夫妻の要望だった「和風の空間」を玄関から表現している。ジュンベリーの木を植えて、お子さんと果実の収穫を楽しんでいる
タイル張りにした約3帖の玄関土間。1階の床は県産アカマツ材を使用した。針葉樹の特徴である柔らかい肌触りと温かみが、帰宅した家族に安心感を与える。スウェーデン製の断熱ドアはパイン材で、床材とも調和する
タイル張りにした約3帖の玄関土間。1階の床は県産アカマツ材を使用した。針葉樹の特徴である柔らかい肌触りと温かみが、帰宅した家族に安心感を与える。スウェーデン製の断熱ドアはパイン材で、床材とも調和する

同社が建てる住宅の基本性能は耐震等級3、UA値0.32以下、C値0.5以下で、次世代省エネ基準で建てた住宅の1/2以下の暖房費を実現します。暖房にはヒートポンプ式温水パネルヒーターまたは床下エアコンによる輻射熱を利用。気流がないので空気の乾燥を軽減し、風が肌に当たる不快感がありません。快適な住み心地の実現には、ほかにも間取りや素材、採光、室内からの景観、外構などの要素が大切です。どの要素も高いレベルで実現する同社の設計力は、Aさん宅にも遺憾なく発揮されています。

リビングにはAさんが集めたビンテージ小物が飾られている。梁を現しにしたり、板を渡したりしてキャットウォークをつくった。猫にとって落ち着く居場所になっている。LDKや家族共用の趣味室がある2階は利用頻度が高いため、床材には丈夫で傷が付きにくい県産クリ材を使用した
リビングにはAさんが集めたビンテージ小物が飾られている。梁を現しにしたり、板を渡したりしてキャットウォークをつくった。猫にとって落ち着く居場所になっている。LDKや家族共用の趣味室がある2階は利用頻度が高いため、床材には丈夫で傷が付きにくい県産クリ材を使用した
キッチンの収納は造作仕様。収納したいものや使い方を相談して、奥さんが使いやすいように設計した。料理をしていると、小上がりの窓越しに学校から帰宅するお子さんが見えるという
キッチンの収納は造作仕様。収納したいものや使い方を相談して、奥さんが使いやすいように設計した。料理をしていると、小上がりの窓越しに学校から帰宅するお子さんが見えるという

 

断熱・気密・耐震・デザイン
すべて叶えた妥協のない家づくり

お子さんの小学校進学を見据え、2023年にマイホームを検討し始めたご夫妻。旧居では冬の寒さと夏の暑さ、結露が悩みの種でした。依頼先を決めるためにハウスメーカーや地元工務店などを10社以上訪問。同時にYouTubeで住宅の勉強も開始しました。断熱・気密性能の必要性を知り、さらに勉強すると新住協(新木造住宅技術研究協議会)を発見。住宅性能を重視する理念に共感し、会員名簿をチェックしたことが栞家建築舎との出会いでした。

旧居の座卓が気に入っていたため、新居もダイニングは約4帖の小上がりとした。ペンダントライトはヴェルナー・パントンのフラワーポット。壁紙は下地に紙クロス「オガファーザー」を使用し、天然の植物・鉱物でつくられた室内用塗料「クレイペイント」で仕上げている
旧居の座卓が気に入っていたため、新居もダイニングは約4帖の小上がりとした。ペンダントライトはヴェルナー・パントンのフラワーポット。壁紙は下地に紙クロス「オガファーザー」を使用し、天然の植物・鉱物でつくられた室内用塗料「クレイペイント」で仕上げている
スタディスペースの天井高は1.8mとコージーな空間。お子さんが勉強をするほかにも、奥さんがマンガを読んだり、Aさんがゲームをしたり。家族全員の趣味室として使われており、3人でいることが多い場所という
スタディスペースの天井高は1.8mとコージーな空間。お子さんが勉強をするほかにも、奥さんがマンガを読んだり、Aさんがゲームをしたり。家族全員の趣味室として使われており、3人でいることが多い場所だという
約18帖のLDKは最高3.3mの勾配天井でおおらかな空間となっている。Aさんの要望で秘密基地のようなロフトを設計。その下はスタディスペースとなっている。隅々まで一定の室温が保たれているので、空間を余すことなく使える
約18帖のLDKは最高3.3mの勾配天井でおおらかな空間となっている。Aさんの要望で秘密基地のようなロフトを設計。その下はスタディスペースとなっている。隅々まで一定の室温が保たれているので、空間を余すことなく使える

2025年3月に完成したAさんご一家の新居は、自然素材を使った和風の空間という要望が見事に実現されています。土地は道路に面していますが、晴れた日は南部富士と呼ばれる岩手山を望める好立地。プライバシーを確保しつつ景観を生かすため、リビングを2階に配置しました。断熱・気密性能も高く、エアコンの設定温度は夏で28℃程度、冬は24℃で、1階から2階のロフトまで家全体が快適な温度になります。それでいて毎月の電気代は約1万円程度です。

ストックヤードからランドリールーム、洗面脱衣室と回遊できる家事動線。ストックヤードには勝手口があり、オープンテラスから直接荷物を運べる
ストックヤードからランドリールーム、洗面脱衣室と回遊できる家事動線。ストックヤードには勝手口があり、オープンテラスから直接荷物を運べる
造作洗面台のパステルグリーンの小さな花形をしたタイルは奥さんのチョイス
造作洗面台のパステルグリーンの小さな花形をしたタイルは奥さんのチョイス
14帖用の床下エアコン1台で全館を暖める。給気口は床上に出るように設計。手前の床板が外せるようになっているので、フィルターの掃除も楽にできる
14帖用の床下エアコン1台で全館を暖める。給気口は床上に出るように設計。手前の床板が外せるようになっているので、フィルターの掃除も楽にできる
ドイツのメーカー「UNILUX(ユニルクス)」の高性能トリプルガラス(樹脂サッシ)を採用。ドレーキップ窓で内開きと内倒しの2つの開き方ができる
ドイツのメーカー「UNILUX(ユニルクス)」の高性能トリプルガラス(樹脂サッシ)を採用。ドレーキップ窓で内開きと内倒しの2つの開き方ができる
スギ材を使ってオーダーメイドの木製サッシも設えた。隣地の田園風景や裏山を切り取るピクチャーウィンドウとしての役割も果たす
スギ材を使ってオーダーメイドの木製サッシも設えた。隣地の田園風景や裏山を切り取るピクチャーウィンドウとしての役割も果たす

「住み始めて半年ですが、なんの後悔もありません」とご夫妻。住宅性能、間取り、素材、ランニングコスト。どこをとっても後悔のない快適な住まいが実現しました。


施工事例のデザインが好みだったので問い合わせてみたところ、丁寧なご対応や打ち合わせで、要望や心配事についてもしっかり受け止めてくれた姿勢に信頼を感じ、依頼を決めました。デザイン力の高さはもちろん、室外機を隠してくれたり、小さな段差を解消してくれたりと、細かなところまで配慮が行き届いた設計で、私たちは要望をまとめることに専念でき、ストレスのない家づくりができました。もし次に家づくりをすることがあっても、また栞家建築舎にお願いしたいです。(Aさん談)

会社情報
社名 株式会社 栞家建築舎
URL https://shioriya-archi.com

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