中庭を中心に設計した自然光に満ちた住まい
Replanが取材した、北海道・東北の素敵な住まいづくりの話をご紹介します。
(株)HAUS / 盛岡市・Oさん宅 夫婦40代、子ども3人
希望の地域だが日射取得に課題
解決策として「中庭」に着目
お子さんの小学校進学を機に新築を考え始めたOさん。まず土地探しでは、盛岡市中心部であり、正方形に近い形状を望んでいました。しかしもとが町家街の市内中心部では、間口が約7m、奥行き約20mの南北に長い土地しか見つかりませんでした。



「細長い形状に加え、準防火地域であること、南側に9階建てのマンションがあることは日射を取得する上で大きな課題でした」。さらに、準防火地域では隣地境界に建物を建てる場合、延焼ラインにかかる窓には防火窓の使用が義務付けられていますが、防火窓は最大幅に限りがあるため日射取得に影響を与えてしまうという点もOさんを悩ませました。



周囲を探しても他に土地は見つからず、Oさんは設計でデメリットを補えないか思案します。その際、尊敬する建築家のフィリップ・ジョンソンが設計した「ロックフェラー・ゲスト・ハウス」を想起。この住宅は、マンションに挟まれた長方形の土地に建ちますが「中庭」から安定した採光を得ているのが特徴です。この手法で課題が解決できると考えたOさんは、ずっと悩んでいた土地の購入を決めました。

自然光を隅々まで導く間取りと
家具や中庭の植栽で心地よい空間
完成した新居は中庭を中心に、南側の1階には玄関、暖炉のある吹き抜けリビング、2階に奥さんのワークスペース兼趣味室、北側の1階にダイニング・キッチンと洗面室、ユーティリティなどの水まわり、2階に寝室と子ども部屋などのプライベートスペースが配置されています。


13帖の広々とした中庭に面したリビングとダイニング・キッチンには、中庭の風景が楽しめ、室内に自然光をたっぷり採り入れてくれる大きな開口部を設置しました。防火窓ではなく、木製の高性能窓を設置するために中庭と隣家の間に不燃材を使った防火壁を設計。さらに中庭への日射が増えるように、南側の建物の高さを北側より約40cm低くして遮へい物を減らしました。中庭からの自然光を可能な限り室内の奥まで導くために、吹き抜けをつくり、間仕切りを最小限にするなど、間取りにも工夫をしています。


ほかにも、Oさんが心地よい暮らしに大切な要素と考える「家具」と「庭づくり」も反映。北海道産ナラ材をリブ状に加工した引き戸で統一した造作収納や、内装になじむ家具や照明でさり気なく彩られた空間は上品な雰囲気を醸します。屋久島地杉をウッドデッキや防火壁の格子に使用した中庭も、植栽を施し、ガーデニングを楽しめる余裕を残しています。中庭によって、光や風、風景などの「いいものはすべて外から」というOさんの理念を体現した住まいが完成しました。


旧居は岩手山の麓という立地もあり、冬になると息で布団が凍るほど室内が寒かったです。結露のために収納していた服にカビが生えることも悩みでした。新居に引っ越してそれらの問題が解消し、しかも妻の冷え性も改善しつつあります。冬はずっと冷たかった妻の指先が温かくなりました。肌に触れるものは自然な素材にしたいと思い、県産木材を多く使用しています。コンパクトな家事動線と、ドライルームを併設したユーティリティは妻からも好評です。他にも絵が飾れる壁や吸音効果がある格子天井など、細かなところまで妥協せず、豊かで丁寧な暮らしが送れるように設計しました。(Oさん談)
- 会社情報
- 社名 株式会社 HAUS
- URL https://www.haus-iwate.co.jp
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