Interview 2
(株)藤城建設 代表取締役 藤城 英明さん

まず会社の紹介をお願いします。

藤城 札幌を中心に年間90棟程度を施工・販売しています。そのうち、太陽光発電を載せるのは20棟程度です。

お施主様への太陽光発電の提案は どうされていますか。

藤城 当社では高断熱と高効率設備は標準仕様ですが、太陽光発電は標準仕様ではありません。なるべく積極的に提案するようにはしていますが、予算の制約や意匠性が課題になっています。載せれば10年程度でもとが取れるのですが。

エネルギー価格の高騰へのお施主様の反応はいかがですか。

藤城 それほど関心は高まっていない印象です。太陽光発電の要望も多くはないですね。ただ、断熱リフォームのお問い合わせは増えていますね。

太陽光発電パネルはどのように設置されていますか。

藤城 札幌では、落雪到達距離をとる必要がある勾配屋根は少なく、通常は金属葺きのフラットルーフに、つかみ金物で固定しています。スノーダクト式の無落雪屋根のケースもあります。あと、冬にも発電するように壁付けも積極的に行っています。

太陽光発電の壁付けは非常にユニークですね。

藤城 屋根に9.38kW、壁に6.4kWのパネルをつけたオール電化住宅のデータを、図5に示します。

図5 雪が多い地域では太陽光発電パネルの壁面設置もあり!
太陽光発電パネルの屋根載せでは雪が積もると発電できませんが、壁付けであれば積雪の影響を避けられます。冬には太陽高度が低くなるので壁面への日射量が多く、また積雪による反射もあり、冬場の発電量確保が期待できます。特に冬に太陽の高度が低い高緯度地域で有効な手法です。
資料提供:(株)藤城建設 発電・消費は2021年の値

藤城 1月は屋根が雪に覆われていますが、壁のパネルが279kWh発電しています。1日で10kWh程度なので、家電や照明を賄うには十分です。壁面のパネルは雪がかからないだけでなく、周辺の雪面からの反射日射も利用できるので、雪国で有効な設置方法だと考えています。自社施工で、防水などもしっかり行っています。

雪国でも設置の工夫で太陽光発電は十分発電できるのですね。

藤城 この物件は、高断熱かつ高効率なエアコン暖房なので、年間の発電量1万3,160kWhは、消費量7,606kWhの約2倍に達します。つまりゼロエネを超えて「プラスエネルギー」です。さらに蓄電池もつけているので、年間の消費電力量7,606kWhに対して、系統からの買電量は3,590kWh。つまり消費の半分以上を太陽光発電で賄えています。

最後に、北海道の住宅での太陽光発電の課題をおうかがいします。

藤城 以前の訪問販売の影響なのか、太陽光発電に悪いイメージを持たれている方もいます。系統連携の手続きに時間がかかるのも問題です。そして、太陽光発電のコストメリットを分かりやすく示すことで、より多くの方に載せた方が有利であることを理解していただくことが大事でしょうね。

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