家を建てるとき、天然の木材の風合いや、ぬくもりある肌触り、本物の質感に憧れて、床を無垢フローリングにしたいと考える人が増えています。最近は商品バリエーションも多彩で低価格帯の商品も増え、手が届きやすくなっていますが、その分「どんな種類の木がいいの?」「色や仕上げのバリエーションがありすぎて迷ってしまう」という声もちらほら…。

そこで今回は、旭川に自社工場を持ち、長年木材加工会社として実績のある無垢フローリング専門店「シーゲル」さんに、お話を伺いました。シーゲルは全国でも珍しい無垢フローリング専門のショールームを10年前に札幌に開設。数多くの家づくりに携わってきた「無垢フローリングのプロフェッショナル」です。家づくりに役立つ無垢フローリングの特徴と樹種選びのポイントを教えてもらいましょう。


はじめに知っておきたい。無垢フローリングの特徴とは?

まずお伝えしたいのは、無垢フローリングは「足裏に接する面が無垢材でつくられた床材」ということです。質感や風合い、肌触りのよさといった他には代えがたい大きな魅力がある一方で、自然素材ならではの短所もあります。

特に冬が長く、暖房で室内が乾燥しがちな北海道をはじめとする寒冷地の高性能住宅は、無垢フローリングにとってとても過酷な環境。私たちは、乾燥し過ぎたお部屋にいると唇が渇いて割れたり、カサカサ肌になったりしますよね。木も人と同じで、冬の乾燥状態によって含んでいた水分が奪われ、その結果、板幅が痩せたり、割れたりしやすくなるんです。

だからといって無垢フローリングを諦めることはありません。板幅の痩せや割れ等のリスクを軽減する「ハイブリッド」という複層フローリングが今はあります。一枚板の単層無垢フローリングと同等の意匠性を持ちつつ、床暖房でも使えるほど乾燥に強いので、これなら寒冷地の高性能住宅でも安心してお使いいただけます。

2㎜厚の無垢の挽き板を張った複層フローリングは、単層の無垢フローリングと変わらない質感や風合いを纏っている
2㎜厚の無垢の挽き板を張ったシーゲルの「ハイブリッド」は、単層の無垢フローリングと変わらない質感や風合いで空間を彩る

「こんなはずじゃなかった!」と後悔しないよう、無垢フローリングには、機能性の観点からも北海道をはじめ寒冷地での住環境に適した選択肢があることを、ぜひ知っておいていただければと思います。それを踏まえて、次は樹種選びです。

「針葉樹」と「広葉樹」。違いは何?

ひとくちに無垢フローリングといっても、今はたくさんの種類があります。そのため木の種類や塗装・仕上げの方法、張り方などで床の印象は変わってきます。特にみなさんを悩ませることのひとつが「樹種」。木の種類ですね。無垢フローリングに使われる木は、大きく分類すると針葉樹と広葉樹に分けられます。

針葉樹
針葉樹
広葉樹

針葉樹は軽くて柔らかく肌触りが良い反面、キズがつきやすい。広葉樹は、針葉樹に比べると重くて硬い感触で、キズにも強いのが特徴です。

無垢フローリングに使われる代表的な針葉樹はパイン。広葉樹の代表格はナラでしょう。また風合いに高級感のあるウォルナットやチークも人気です。では、樹種による特徴はどこにあるのか?よく使われる無垢フローリングの樹種別にご紹介していきましょう。

ヴィンテージのパイン材
ヴィンテージの無垢パイン材
ヘリンボーン柄にした無垢ナラ材

トータルバランスの良さが魅力の「ナラ」

北海道内の住宅で最も人気の高い無垢フローリングがナラです。広葉樹なので硬質でキズがつきにくくて耐久性に優れ、塗装や加工がしやすいのも特徴です。ナラは木目の感じや木の色調が、インテリアや家具の色と合わせやすく、飽きのこないスタンダードな無垢フローリングといえるでしょう。

また、塗装や加工仕上げで風合いを変えやすいので、オールマイティーに使えます。部屋の雰囲気に合わせてグレイッシュカラーの塗装や、ヴィンテージ風加工をほどこすと、また面白い印象になりますよ。普及品のUNIタイプ(無垢材を縦方向にジョイントしたもの)だと比較的お手頃価格なのも嬉しいポイントです。

木目の感じや木の色調がインテリアや家具の色と合わせやすく、飽きのこないスタンダードさがナラの魅力
ヴィンテージ加工を施し、身体に害のない塗料で仕上げたナラの無垢フローリングで、より個性的な空間に

木目が控えめで上品な印象の「バーチ」

バーチは、主に寒冷地に育つカバの木のことです。木目が主張しすぎず上品な印象を与えてくれるので、和風や和モダン、人気の高い北欧テイストの雰囲気にもよく合いますよ。濃淡がはっきりしたものはカジュアルなスタイルの空間を、色合いのムラが少ないものは、統一感のあるすっきりした空間を演出します。

適度な硬さがあり、人の出入りが多い文教施設や店舗などでも広く採用されています。実際にバーチの無垢フローリングを採用したお客様からは「特別なお手入れをしなくても汚れや日焼けはあまり気にならなくて、味わいとして楽しんでいます」との声も聞きます。

シーゲルの無垢バーチ材「ラスティックグレード」を採用し、濃い茶色に塗装して仕上げた床。木の自然な濃淡が、空間に特有のリズムを生む。一方、濃淡が少ない無垢バーチ材「セレクト」は空間に統一感を持たせる

耐久性や耐水性にも優れる「チーク」

チークは落葉広葉樹です。昔から高級家具や豪華客船の甲板など、厳しい環境でも使われてきた木材で、耐久性や耐水性に優れているのが特徴です。

また日焼けによって色が深まり、味わい深い風合いに変化するのも魅力のひとつ。オレンジがかった温かな色みと表情豊かな木目で、程よい重厚感を与えてくれるので、高級感ある落ち着いた空間にしたい場合に向いていますね。

オレンジ色がかった温かみのある色が特徴のチーク材。木目の模様も主張しすぎず心地よい

シックで落ち着いた雰囲気が根強い人気「ウォルナット」

ウォルナットはクルミの木。広葉樹なので硬いと思われがちですが、弾力があるので、踏みしめると意外に肌触りが心地いいんです。欧米では古くから床材として使われていた木で、深いこげ茶色が特徴的なずっしり重厚な雰囲気の木です。

ダークな光沢が高級感を与えてくれるので、ウォルナットの床にすると空間がぐっと引き締まります。重厚感のある美しさと独特の質感にひとめ惚れする人も多く、無垢フローリングとしてはお値段が少し高めですが、こだわり派には人気が高い樹種。年月が経つほどに味わいが深まります。

シックで落ち着いた、上質な空間に好んで使われるウォルナット材。自然な木の濃淡も美しい

はじめに知っておきたい無垢フローリングの特徴と主な樹種について、シーゲルさんに教えていただきましたが、素材選びはやっぱり実物を見るのが一番。色や木目の印象、踏み心地など、実際にサンプルや張ってあるものを見てイメージをつかみ、納得の無垢フローリングを選んでくださいね。

(文/Replan編集部)

シーゲルの無垢フローリングショールームでは、さまざまな樹種やカラーバリエーションを見ることができ、ヴィンテージ加工などの仕上げによる違いも比較できます。もちろん「ハイブリッド」のラインナップも充実。専門知識の豊富なスタッフからはアドバイスもしてもらえて、きっと無垢フローリング選びのヒントが得られるはず。また特別なオーダーにも対応してくれるので「一般住宅でこのテイストは無理かな…」と諦めずに、ぜひ足を運んでみては?