サンルームというと、「洗濯物を干す場所」「植木を置く場所」といったイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。ある程度の広さも必要なので「サンルームは贅沢」とも見なされがちですが、プランニング次第で「あって良かった嬉しい空間」になります。そこで今回は、物干しスペースのほか、さまざまな機能を備えたサンルームのある住まいをいくつかご紹介します。
リビングの延長+物干しスペース
断熱効果もあるサンルーム
雪国・青森で暮らすJさんご家族。雪の多い地域では、冬の光はとても大切です。そこでJさんご夫妻が建てたのは、室内にたっぷりと陽光を運んでくれるサンルームを備えた、横に長い平屋のような住まいです。
サンルームの1階部分はリビングの延長として、2階部分は洗濯物を干す専用の場所として設計されました。小さなスペースですが、この場所のおかげで室内干ししやすく、乾いたらすぐに階下のクローゼットへしまえます。共働きで忙しいご夫妻にとっては、掃除や片付けがしやすい住まいが条件の一つだったので、このプランはとても快適だといいます。
また、木製の大きな建具で仕切られているサンルームは、外と室内の緩衝空間となり、冬場の寒さをカットする効果もあるそう。複数の機能を兼ね備えたサンルームが、Jさんご家族の暮らしをより豊かにしています。
渡り廊下がサンルーム!
薪置き場の機能もプラス
普段は関東にお住まいのNさん。両親の生活に合わせて改築したバリアフリーの平屋は部屋数も少なく手狭でした。そこで、誰でも使える「離れ」を建てることにしたのですが、その離れと母屋をつなぐ渡り廊下に、サンルームの機能を持たせたのです。
![2棟の建物がさりげなく調和するNさんご一家の住まい。手前の木の塀は直接伐採してきてつくったお手製のもの](https://www.replan.ne.jp/wp-content/uploads/2020/02/d3e0f5015362bb71db228270df82cb12.jpg)
好きなアンティーク家具を並べて、照明は間伐材の枝に設置するなど、通路でもあり部屋でもあるこの空間は、Nさんらしさでいっぱい。この渡り廊下のおかげで、離れと母屋との行き来は楽々。陽当たりが良くタイル張りで熱を溜めるので、冬でもポカポカ暖かく、サンルームとしての機能も抜群です。
この渡り廊下は雨・雪に濡れる心配もないので、薪ストーブがある離れの薪置き場としても最適。遊び心が随所に光り、機能性も申し分ない多目的なスペースとなりました。
![東に面したサンルームが日中の光を蓄えて一日中暖かい](https://www.replan.ne.jp/wp-content/uploads/2020/02/36431-01-06.jpg)
2階ホールがサンルーム!
物干し場のほか、パソコン・裁縫部屋も兼用
豊かな緑に囲まれた郊外で暮らしていたKさんご夫妻。歳を重ねるごとに交通の利便性の低さに不安を感じ、地下鉄の駅から近い土地を手に入れて、終の棲家を建てました。暮らしやすさを考え、シンプルな間取りを意識したという新居では、2階ホールをフリースペース兼サンルームにしました。
![屋根材にコロナルーフを採用したり、大きなカーポートを設置するなど、年齢を考えて除雪を最低限度に抑えられるように工夫したKさん宅](https://www.replan.ne.jp/wp-content/uploads/2020/02/36198-01-11.jpg)
南と西からの陽光が降り注ぐ2階ホールを広く使ったサンルームは、物干し竿が2つかけられて、洗濯物がたっぷり干せます。パッシブ換気システムを採用したKさん宅は、床下で暖められた空気がガラリを経由して住宅を循環。2階にも暖かく新鮮な空気が届き、採光と相まって洗濯物がよく乾くといいます。2階はプライベート空間なので、「洗濯物を干しっぱなしにしていても気にならず、そのまま畳んで個室へ収納できるので家事も楽!」と奥さんも満足の様子です。
![ご夫妻が一緒に使っても十分な広さのフリースペース。写真右側に見えるガラリから暖められた空気が出される](https://www.replan.ne.jp/wp-content/uploads/2020/02/36198-01-08.jpg)
今回の記事で紹介したように「サンルーム」は、太陽の光や熱を採り入れること以外にもさまざまな役割を持たせると、より活用度の高い魅力的な空間になります。サンルームを検討する際には、どこにどう配置するか、どのように場所を有効利用するかを考えて、使い勝手のいいプランを実現してくださいね。
(文/Replan編集部)