2019年はドイツ、ワイマールにバウハウスが創設されて100年の記念の年であった。バウハウスとは、芸術と工芸の離反を防ぎ、工業(産業)と芸術の統合を目指した総合芸術学校である。そこではヴァルター・グロピウスの指導のもと、建築やデザインなどの発展において20世紀最も貢献を果たした学校である。

1919年に誕生したバウハウスは、ナチスの台頭により最後はベルリンで14年間という短い活動を停止した。しかしながら、バウハウスから育った多くの人材は世界各地へと拡散し、新たな人材を育成し、今日のデザイン文化を築いた。それらの中には日本からの留学生もおり、やがて日本の芸術、デザイン、建築系の大学で中心的な活躍を果たした。

その果実として、バウハウスで生まれたカリキュラム「実習」と「造形理論」という2つのコースは日本でも演習科目と講義科目の系統として採用されている。しかし、最近はIT技術の発達により、演習系の授業がバーチャルなものに代わり、本来の手や道具を使った実技・演習の体験的授業が少なくなっているようだ。

今回紹介する作者、マックス・ビルはスイスに生まれ、1927〜29年までバウハウスに在籍した。ワイマールからデッサウに移転したバウハウスで師事したのはワシリー・カンディンスキー、パウル・クレー、オスカー・シュレンマーなど、近代美術・デザイン史にその名を連ねる人達だった。

マックス・ビルの活動範囲は極めて広く、プロダクトデザインのほか、グラフィック、インテリア、タイポグラフィー、建築、彫刻、絵画などクリエイティブな分野にとどまらず、理論家、評論家としても多大な功績を残した。しかし、彼の名を世界に知らしめたのは、1955年、ドイツに「ニューバウハウス」とも呼ばれたウルム造形大学をインゲ・アイヒャー=ショル、オトル・アイヒャー等と創設したことであろう。機能主義的造形の重要性を説き、数学的な理論に基づいた美の追求は審美的哲学とも言えるものであった。

color wheel(カラーホイール)

しかし、世界的に注目されたウルム造形大学も財政難から、1968年、政治的圧力により閉鎖され、バウハウスと同様に短命なものとなった。ウルム造形大学が残した遺産ともいうべき「グーテフォルム(グッドデザイン)」の考え方は世界的に評価され、中でも日本には大きな影響を及ぼした。

colorful accents(カラフルアクセンツ)

写真のラグ(カーペット)はマックス・ビルのデザイン思想「法則性と論理性」を具現化したものだ。このラグはグラフィックデザインとして制作された作品がマックス・ビル財団の監修のもとで製品化された。素材はアクリル製のため発色性も高く、使用されているパイルの長さは15ミリと、足裏に心地よい感触を生み出す。ミッドセンチュリーに誕生した作品であるがタイムレスなアート作品である。

quiet(クワイエット)

■グラフィック・ラグ
メーカー:METROCS(メトロクス)
color wheel(カラーホイール)
サイズ:直径1600㎜・直径1800㎜・直径2000㎜
仕様:ホットカーペット・床暖房使用可
価格:アクリルラグ 64,900円~90,200円(税込)
   ウールラグ 104,500円~159,500円(税込)

colorful accents(カラフルアクセンツ)
サイズ:1600㎜×1600㎜・1800㎜×1800㎜・2000㎜×2000㎜
仕様:ホットカーペット・床暖房使用可
価格:アクリルラグ 64,900円~90,200円(税込)
   ウールラグ 104,500円~159,500円(税込)

quiet(クワイエット)
サイズ:1800㎜×1800㎜・2000㎜×2000㎜
仕様:ホットカーペット・床暖房使用可
価格:アクリルラグ 74,800円~90,200円(税込)
   ウールラグ 126,500円~159,500円(税込)

<問い合わせ先>
メトロクス東京
https://metrocs.jp
TEL.03-5777-5866