NPO住宅110番」は、住宅雑誌Replanが長年にわたって育ててきたインターネット上の家づくりのための「世論の場」です。住まいの悩みに、住宅建築の最前線にいる専門家のみなさんが回答しています。この記事では同WEBサイトに寄せられた皆さんからの投稿・アドバイスを抜粋(一部修正)しReplan誌面に掲載したものをさらに厳選してお届けします。

 

Q 新築戸建ての床下カビ

質問者/千葉県・かがみ
記事No.17582/カテゴリ:設備や内装一般

相談失礼いたします。仮契約中の新築戸建てにつきまして、本日、売買契約直前の内見にて床下確認をしたところ、床下天井にカビが発生しており、カビ臭が充満していました。素人目から見ると部分的に腐敗しているようにも見えるのですが、詳しい方いらっしゃいましたら、現状のカビや腐食の具合(対処可能か、改善は難しいか)等をご教示頂けますでしょうか。何卒よろしくお願い致します。

この程度のカビは、新築でもよくある事でしょうか?それとも、いわゆる欠陥住宅でしょうか?併せてご回答いただけたら幸いです。                             

A:回答者/(株)福地建装/HQ住宅研究所 ファース本部 福地 脩悦

この写真だけでは断言できませんが、見た限りかなり深刻な状況にあると感じます。床下は、土台、床下地はもちろん、土間もカラカラに乾燥してしていなければなりません。

またカラカラ乾燥に保持するには、先ず外部地べた面(グランドライン・GL)より、床下面が少しでも高くなっていることが有利です。床下面がGLより低い場合は地下水面位が、極めて低くて雨が降っても床下浸透しない特殊地盤面に限ります。

本件の地盤面がどのような地下水位になっているかどうかは解りませんが、とにかく床下は完全乾燥になるような仕掛けをしなければなりません。大量の換気量で空気が大きく動かすことで、梅雨時期、乾燥時期も関わりなく空気を動かす続けるとカビや腐朽菌は発生しません。

床下面がGLより低い場合は、家の周辺に側溝をつくり側溝枡から機械排水するような手段があります。

質問者より

福地様

ご意見、助言をいただき、ありがとうございます。”深刻な状況である可能性が高い”とのことで、慎重に契約および対策を考えていこうと思います。工務店の対応、カビ除去の施工を待ち、最終的に第三者検査機関に検査を依頼してみます。

a-1:回答者/emu

施工前から少し黴びている材を使ってしまったとかもあるかもしれませんが、新築後にカビてきた可能性が高そうですね。

内側基礎断熱にされているように見えます。その場合、基礎面に自然換気口をつけると断熱の意味が乏しくなってくるので、外気は遮断して基礎内で機械換気したり、除湿機を置いたりして湿気を除いたり、空気が流れるようにしてカビが生えにくいようにします。新築の基礎コンクリートからはかなり水分が出てきますし、床の木材が腐ってきたりしたら居住に影響も出てきます。カビ自体体に悪いです。

私の家は、床ガラリから居室内の空気を引き込んで床下にまわし、最終的に排気ダクトから湿気とともに排気するようにしており、床下にカビは生えていません。対策方法は色々あるかと思いますが、何も対策されておらずカビが増え続ける設計であれば、私は欠陥だと思います。

「梅雨時だけですよ、コンクリートからの水分も2年くらいで落ち着きますから、様子を見てください。カビもそのうち消えるでしょう」という説明だとしたら、不誠実だと私は思います。

質問者より

emu様
早々にご意見いただき、ありがとうございます。一旦、カビの除去、予防をしてもらったとしても何かしら継続的に対策をしなければならない旨、参考となりました。取り急ぎ、工務店側の対応方針を聞いて、契約するか否かを決めていきたいと思います


▶ほかにもこんな質問があります。興味のある方はこちらもどうぞ。
床下の浸水
床下に潜って見たら
新築2年目 床下水漏れ対応  等

▶▶その他の結露と換気の問題の相談については、こちらをご覧ください。
NPO住宅110番[設備や内装一般]カテゴリ最新の記事一覧