栗山町内で社宅住まいだったKさんご夫妻の休日の楽しみはキャンプ。育ち盛りの息子さんたちと一緒に、雄大な自然の中でのびのびと過ごすのが何よりのリフレッシュになりました。「2年前、家族で町内のレストランへ出かけた帰り道、キャンプ場で見ていたのと同じ満天の星が夜空に瞬いていました。直感的に、ここに住もうと決めました」。

外壁に道産カラマツ板張りを採用した外観。同素材でカーポートも設えた。カーポートは薪置き場も兼ねる
外壁に道産カラマツ板張りを採用した外観。同素材でカーポートも設えた。カーポートは薪置き場も兼ねる
Kさんの要望で武部建設の自社林から切り出したカラマツの丸太「トヨエモン」を採用した玄関ポーチ
Kさんの要望で武部建設の自社林から切り出したカラマツの丸太「トヨエモン」を採用した玄関ポーチ

緩やかな丘陵に広がる分譲地で仰ぎ見た星空に導かれ、ご夫妻は早速、家づくりを開始。新築依頼先を検討していたKさんに知人が武部建設を紹介してくれました。「古材や道産材、薪ストーブの良さを生かした武部建設の家づくりに共感し、新築をお願いしたいと思いました」。そして、ご夫妻は分譲区画から武部建設の設計担当者と一緒に眺望を吟味し、雑木林や緑地に隣接する165坪の宅地を購入しました。

横長の玄関土間には水まわりへつながる裏動線を設け、シューズクローク脇に洗面を配置。帰宅後の手洗いにとても便利だそう
横長の玄関土間には水まわりへつながる裏動線を設け、シューズクローク脇に洗面を配置。帰宅後の手洗いにとても便利だそう
上下階に家族の気配を伝える6.3mの吹き抜けとカラマツの木肌の温かみが、心地よい広がりを生むリビング
上下階に家族の気配を伝える6.3mの吹き抜けとカラマツの木肌の温かみが、心地よい広がりを生むリビング

玄関から吹き抜けのあるリビングを見る。天井高のコントラストが抜け感を演出。窓からこぼれる光が、家族とゲストを迎える
玄関から吹き抜けのあるリビングを見る。天井高のコントラストが抜け感を演出。窓からこぼれる光が、家族とゲストを迎える
ソファに座ると、自然と目線が丘の景色を映す連続窓に。窓台にはカラマツ同様、経年変化で赤みを帯びるアカマツを採用
ソファに座ると、自然と目線が丘の景色を映す連続窓に。窓台にはカラマツ同様、経年変化で赤みを帯びるアカマツを採用

子育てが卒業間近なご夫妻にとって、初めての家づくりはこれからの暮らしを考える機会にもなりました。「夫婦2人住まいなら、互いの気配が感じられるコンパクトな家で十分。その代わり庭は広く、家にはできる限り木を多く使い、薪ストーブを採用したい。夫婦でこれからの暮らしを楽しむ場所にしたいと思いました」と、Kさんは話します。

隣接する雑木林や緑地を望むダイニング・キッチン。ダイニングの一角には、タモ材の造作カウンターやピクチャーウインドウも設けた
隣接する雑木林や緑地を望むダイニング・キッチン。ダイニングの一角には、タモ材の造作カウンターやピクチャーウインドウも設けた

武部建設は、プラン時に周囲の雑木林や丘陵地の四季の移ろいを楽しめるよう、開口の大きさや位置に工夫を凝らし、造作カウンターを設えたピクチャーウインドウを提案。薪ストーブは住まいの広さや雰囲気に合うものを、武部建設と懇意にする専門店がセレクト。設計担当者は、木を生かした空間にしっくりなじむレンガの炉壁、タイル張りの炉台を提案しました。「それぞれのプロの協働で見事なバランスの仕上がりになりました。さすがという言葉しか見つかりません」と、Kさんは満足そうに話します。

奥さん念願の景色が見える対面式キッチンには、日用品のストックも置けるゆとりある食品庫も備えている
奥さん念願の景色が見える対面式キッチンには、日用品のストックも置けるゆとりある食品庫も備えている
カラマツの構造現し、カツラ古材の親柱、薪ストーブ。ご夫妻がイメージしていた「木の家」がそのままカタチになったリビング
カラマツの構造現し、カツラ古材の大黒柱、薪ストーブ。ご夫妻がイメージしていた「木の家」がそのままカタチになったリビング

2022年4月、Kさん一家は20年超の社宅生活に別れを告げ、念願の丘の住人となりました。道産カラマツを床や構造、階段に用いた住まいは、延床33坪。木の温もりに包まれるようなリビングは、頭上に吹き抜けが広がり、連続する窓越しに緑の景色、大きな空がどこまでも続きます。「美瑛のような丘の景色と空の移ろいを眺めていると、いつまでも座っていたいと思います。夜は星も美しく、これから流星群もここで観られるでしょう。もう出かける理由が見つからなくなりました」と、Kさんは笑います。

高身長のKさんと長男のため、2階も通常よりも天井を高く取った。「ドアをくぐらずに出入りでき、圧迫感もありません。こうした調整をしてもらえるのも、注文住宅ならでは」とKさん
高身長のKさんと長男のため、2階も通常よりも天井を高く取った。「ドアをくぐらずに出入りでき、圧迫感もありません。こうした調整をしてもらえるのも、注文住宅ならでは」とKさん
屋根なり天井を採用し、屋根裏部屋風に仕上げた2階の次男の個室。
屋根なり天井を採用し、屋根裏部屋風に仕上げた2階の次男の個室。

今後は、外構や庭空間の整備にも着手。夫婦で菜園づくりにも挑戦する予定とか。「市街地からほんの少し離れただけなのに、田舎へ移住したみたいに思えます。ここだからできる“不便な暮らし”を大いに満喫したいと思います」と、奥さんも楽しげに話してくれました。