Tさんご夫妻が新築を考え始めたのは今から3年半ほど前、賃貸マンションに手狭さを感じ始めたのがきっかけでした。

Tさんは情報収集を進める中で住宅性能への理解を深め、性能の確かさが会社選びの最重要条件に。何社かに話を聞き、最も惹かれたのが佐藤工務店でした。対応したのは、同社代表の佐藤喜夫さんです。

Tさんは「例えば『床下エアコン』とか、話に出てくるキーワードが他社と違って最先端を研究されているように感じました。設計・施工がワンストップで、話が伝わりやすいのも魅力でした」と話します。

重厚な佇まいの外観を形づくるのは、イギリスから輸入されたコッツウォルズイエロー色のレンガ。通常の1/3の厚さにスライスしたレンガを乾式工法で仕上げている
重厚な佇まいの外観を形づくるのは、イギリスから輸入されたコッツウォルズイエロー色のレンガ。通常の1/3の厚さにスライスしたレンガを乾式工法で仕上げている
Tさんはその素材としての魅力を「年月が経つにつれて味わい深く変化していくこと」と話す。長い目で見てメンテナンスコストがかからないのも大きなメリット
本物の素材ならではの重厚感と落ち着きが感じられる玄関ポーチ。美しく連なるレンガづくりのアーチに職人の技が光る
Tさんの希望で、玄関の脇には3帖の広い土間収納を配した。Tさんの仕事道具をはじめ、家族で使うアウトドア用品や子どもの自転車など、外まわりで使うものをまとめて収納しておける
Tさんの希望で、玄関の脇には3帖の広い土間収納を配した。Tさんの仕事道具をはじめ、家族で使うアウトドア用品や子どもの自転車など、外まわりで使うものをまとめて収納しておける

佐藤さんに相談しながら、ご夫妻の実家に近く、子どもたちの通学にも便利な地域に好条件の土地を見つけて購入。本格的に家づくりがスタートしました。

完成したのは、重厚なレンガ造りでシンメトリーのデザインが美しい住まいです。「人が集まりやすい家にしたい」というご夫妻の希望から、1階は家族以外の人も気兼ねなく過ごせるパブリック空間に位置づけ、外ともつながりのある設計としました。

一方で2階には水まわりや寝室などのプライベート空間を集約し、使い方にメリハリを持たせています。

奥さんがこだわったのが、東京の専門店EKREA(エクレア)に発注したオーダーメイドキッチン。アイランド型であること、面材の色や素材、調理台の寸法や隠す収納、水栓金具など、すべてに奥さんの要望が反映されている。家電収納棚の壁のタイルは、Tさん自らDIYした
奥さんがこだわったのが、東京の専門店EKREA(エクレア)に発注したオーダーメイドキッチン。アイランド型であること、面材の色や素材、調理台の寸法や隠す収納、水栓金具など、すべてに奥さんの要望が反映されている。家電収納棚の壁のタイルは、Tさん自らDIYした
友人などを気兼ねなく招きやすい家にすることも、Tさんご夫妻の要望。そこで1階は、誰がどこに行ってもいいパブリックな空間に。キッチンからダイニング、庭へとシームレスにつながるレイアウトで、子どもがたくさん遊びに来ても目が行き届きやすく、みんなでのびのびと過ごしやすい
友人などを気兼ねなく招きやすい家にすることも、Tさんご夫妻の要望。そこで1階は、誰がどこに行ってもいいパブリックな空間に。キッチンからダイニング、庭へとシームレスにつながるレイアウトで、子どもがたくさん遊びに来ても目が行き届きやすく、みんなでのびのびと過ごしやすい
ダイニングの一角には、カウンターを造作してワークスペースを設けた。ご夫妻の作業や子どもたちの勉強など、家族みんなで使うことができる
ダイニングの一角には、カウンターを造作してワークスペースを設けた。ご夫妻の作業や子どもたちの勉強など、家族みんなで使うことができる

2階はご夫妻の寝室と3つの子ども室、水まわりといったプライベート空間を集約して、パブリックな1階と役割を切り分けた。
2階はご夫妻の寝室と3つの子ども室、水まわりといったプライベート空間を集約して、パブリックな1階と役割を切り分けた
洗濯機置き場と物干し場を兼ねた2階ホールと脱衣室の間には、双方向からアクセスできる収納を配置。柔軟なアイデアと工務店ならではの造作で、ロスのない洗濯動線を実現している
洗濯機置き場と物干し場を兼ねた2階ホールと脱衣室の間には、双方向からアクセスできる収納を配置。柔軟なアイデアと工務店ならではの造作で、ロスのない洗濯動線を実現している

重要視していた住宅性能の効果は、Tさんの想像を超えるものでした。「家での暮らし方が一変しました。冬も夏も快適で、入浴や朝の着替えなど日常生活が滞りなくできる。安定した温熱環境が、暮らしやすさにこれほど影響するのかと驚いています」。

冬は床下エアコン1台で家全体を暖房し、室温は24℃前後をキープ。子どもたちは布団を掛けずに寝ても風邪をひかなくなったといいます。

冬は床下エアコン1台、夏はロフトエアコンと1階の予備エアコンの2台で家のどこにいても快適。佐藤さんは「エアコンの気流感がないのが、心地よさにつながる」と説明する。1階は本体が見えにくいよう、木のルーバーで目隠し
冬は床下エアコン1台、夏はロフトエアコンと1階の予備エアコンの2台で家のどこにいても快適。佐藤さんは「エアコンの気流感がないのが、心地よさにつながる」と説明する。1階は本体が見えにくいよう、木のルーバーで目隠し
子どもたちの遊び場でもあるリビング。床材は、浮造り仕上げで裸足が気持ちいいニュージーランド産のラジアータパイン、壁や天井は、汚れたら上から塗装できるエコフリース(紙クロス)で仕上げた。いずれも体に優しくメンテナンスコストがかかりにくい同社の標準仕様
子どもたちの遊び場でもあるリビング。床材は、浮造り仕上げで裸足が気持ちいいニュージーランド産のラジアータパイン、壁や天井は、汚れたら上から塗装できるエコフリース(紙クロス)で仕上げた。いずれも体に優しくメンテナンスコストがかかりにくい同社の標準仕様

「最近は庭木の生長を楽しんでいます。BBQ台も自作しましたが、戸建ては住んでから自分でつくっていける余地があり、それが生活の充実につながっています」とTさん。想いを詰め込み、理想を叶えた納得の住まいは、今日もご家族の笑顔にあふれています。

Tさんはレンガの素材としての魅力を「年月が経つにつれて味わい深く変化していくこと」と話す。長い目で見てメンテナンスコストがかからないのも大きなメリット
Tさんはレンガの素材としての魅力を「年月が経つにつれて味わい深く変化していくこと」と話す。長い目で見てメンテナンスコストがかからないのも大きなメリット


担当者より

佐藤工務店 佐藤 喜夫さん 

Tさんの家は、耐震等級3を取得した認定長期優良住宅で、HEAT20ではG2グレードの高性能住宅です。

「できるだけ再生可能エネルギーを使いたい」というTさんのご要望で、3.6kWの太陽光発電システムも搭載しました。災害時の備えになりますし、埼玉県は一年を通して晴天率が高い地域なのでメリットも大きい。実際、Tさん宅の真夏のエアコン使用は発電した電気で賄えています。

持続可能性という観点では、躯体の丈夫さや性能、住み心地の良さに加え、「メンテナンス性が高く、メンテナンスコストが低いこと」も重要です。メンテナンスの頻度や労力、費用は、素材選びで大きな差が出ます。例えばTさんの家で使ったレンガは劣化しにくく、時が経つほどに風合いを増します。無垢床は傷すら愛着になり得ますし、自分たちでリペアも可能です。

30年、60年後にどれだけ労力や費用をかけずに済むか。Tさんのお住まいは、長い目で見て安心感のある美しい家になったと感じています。

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家づくりを始める際に重要となるのがパートナー選び。自分に合ったパートナーにたどり着くためには、まず、どのような選択肢があるかを知ることが重要です。

大きな住宅展示場にモデルハウスを持ち、多数のメディアで大々的に広告している大手ハウスメーカーに比べ、地域の「工務店」は、興味はあってもなかなかその実情を把握しにくいのが現状です。

そこで今回は、それぞれに特徴や強みの異なる工務店との家づくりをご紹介。工務店をパートナーに選んで建てた実例と住まい手の声を通じ、その魅力を紐解きます。

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