ほかにはない「心躍る設計デザイン」で、
みんなの「ワクワク」をカタチにする

「残された人生は、自分自身が心から楽しめる空間づくりをしたい」。3年前、代表の竹市真巳さんは30年以上続けたサラリーマン生活を卒業し、Cryptn(クリプトン)を立ち上げました。「独立前は、会社の新規事業として立ち上げた住宅部門で家づくりを手掛けていたんですよ」。サラリーマン時代、竹市さんは知人を介して、他社で同じ境遇で働いていた古市淳也さんと知り合い、意気投合。「ずっと飲み友達だったんですが、気づけば、独立後の僕の右腕になってくれていました」と竹市さん。

造作の本棚やウォールナットの大テーブルのある打ち合わせコーナーで、和やかにミーティングする古市さんと竹市さん、中川真理子さん(左から)。中川さんは古市さんと同じ会社で働いていたインテリアのスペシャリスト。古市さんと一緒に、Cryptnに移籍し、インテリアプランを一手に引き受けている
造作の本棚やウォールナットの大テーブルのある打ち合わせコーナーで、和やかにミーティングする古市さんと竹市さん、中川真理子さん(左から)。中川さんは古市さんと同じ会社で働いていたインテリアのスペシャリスト。古市さんと一緒に、Cryptnに移籍し、インテリアプランを一手に引き受けている

現在は二人三脚で、一般住宅のみならず、ホテルやクリニック、飲食店など多種多様な空間づくりを手掛けています。

リビング階段
ダイニング

Cryptnの家は十勝地方に適し、その厳しい自然環境下にも耐えうる住宅性能を基本としている。写真の住宅は、ゼロエネルギー住宅(ZEH)仕様
Cryptnの家は十勝地方に適し、その厳しい自然環境下にも耐えうる住宅性能を基本としている。写真の住宅は、ゼロエネルギー住宅(ZEH)仕様

帯広市内に建つ脳神経クリニック。トリプルガラスの木製サッシを採用した南面の大開口が特徴的
帯広市内に建つ脳神経クリニック。トリプルガラスの木製サッシを採用した南面の大開口が特徴的

木造とは思えないほどの大きな吹き抜けのある待合室
木造とは思えないほどの大きな吹き抜けのある待合室

「心躍る設計デザイン」をテーマに、リノベーションは主に竹市さんが、新築は古市さんが一貫して担当。そのオールラウンダーぶりが評判になり、独立当初に借りた事務所がすっかり手狭に。より「らしく」て快適な仕事空間を実現しようと竹市さんが入手したのが、国道沿いに建てられた築45年の元スーパーだった建物でした。

国道に面している入り口側の以前の姿
国道に面している入り口側の以前の姿
中通り側は閉ざされていた
中通り側は閉ざされていた

「35mの奥行きを持つ建物の特徴を活かしながら、木造で空間を再構築してみたいと思いました」。竹市さんは老朽化が激しかった東側の外壁は取り払い、傷みのない西側の外壁を生かしながら、2×4工法で3つの空間を新たに創出。壁が取り除かれた東側には雁木のような通路が設けられました。「事務所に必要なスペース以外は、2区画のテナントとしました。資金計画からプランニング、現場管理まで関われたのも楽しかったですね」。

国道側と真ん中の2区画をテナントにした
国道側と真ん中の2区画をテナントにした

着工から3ヵ月後の2018年6月、新しいオフィスが誕生。空間の中央に設置されたアイランドキッチンが目を引きます。「スタッフが自慢の腕を振るい社員食堂のように活用したり、お客さんに実際にサイズ感や使い勝手を確かめてもらったり、ね。昔から温めていたイメージが、ようやくこのオフィスで実現できました」。

Cryptnのオフィスは最も奥まった中通り側にレイアウトし、閑静な環境を実現。硬質なガルバリウム鋼板とレッドパインの赤い木肌のコントラストが美しい
Cryptnのオフィスは最も奥まった中通り側にレイアウトし、閑静な環境を実現。硬質なガルバリウム鋼板とレッドパインの赤い木肌のコントラストが美しい

そうにこやかに語る竹市さんは、このリノベーションで、改めて古いものに命を吹き込む楽しさを知ったといいます。「宅建登録もしましたので、これからは不動産と建物の両面から、再生住宅に取り組みたい。古い建物をリノベーションして、賃貸として提供するのも面白いでしょ」と竹市さんは目を輝かせます。

天井現しの室内は、木肌の温かさとアイアンの力強さを生かして。中央にあるキッチンの左右に打ち合わせ室を設け、スタッフのデスクはロフト風にしつらえた中二階にある。事務スペースの下には、隠れ家のようなしつらいの子ども用のプレイコーナーも
天井現しの室内は、木肌の温かさとアイアンの力強さを生かして。中央にあるキッチンの左右に打ち合わせ室を設け、スタッフのデスクはロフト風にしつらえた中二階にある。事務スペースの下には、隠れ家のようなしつらいの子ども用のプレイコーナーも

キッチン

打ち合わせスペース

竹市さんと古市さんの今後の目標は「もっとワクワクする会社にすること」だそう。「僕らもそうだけど、若い人にそう思ってもらえる会社にしたいな」と古市さんが言えば、「それがこれからの大工さんを育てることにもつながるんじゃないかなぁ」と竹市さんが言葉を続けます。息の合ったやり取りを繰り広げる2人から、これからも私たちを「ワクワク」させるニュースが届くことでしょう。