「平屋の間取り」のバリエーションはまだまだあります。前回、前々回に引き続き、土地の条件や住まい手が望んでいる暮らしにふさわしいかたちにデザインされた「平屋の間取り」を見ていきましょう。

広いロフトと上部収納で、
コンパクトでも暮らしやすく

延床面積/89.10㎡(約27坪)
家族構成/夫婦30代・40代、子ども2

築30年を超える2階建ての中古住宅を、コンパクトな平屋にリノベーションしたケース。部屋の配置は既存住宅とほぼ同じながら、お施主さんの希望でLDKを空間的にひとつながりにしたり、上部にロフトや大容量の収納スペースを設けたりと、今の暮らしにふさわしい姿につくり直しました。リノベーションでも、平屋を実現できるということがよくわかりますね。

point.1
上部に広々としたロフトと納戸を設けることで、十分な収納量を確保

point.2
ロフトへは子ども室から、収納へはリビングから上がれるうえ、ロフトと収納は行き来できる動線に
ロフトのある平屋のリビング
リビングは現しの梁が美しい大らかな勾配天井。子ども室のロフトから納戸を通ってリビングに降りることができる動線に
平屋外観
2階建てをシンプルなデザインの平屋に刷新。トドマツ材の外壁材が風景によく馴染む

設計・施工/(株)芦野組
Replan北海道 vol.119

 

家の中のすべての部屋から
森の緑を楽しめる

延床面積/90.54㎡(約27坪) 
■家族構成/夫婦50

ご夫妻が「土地選びの決め手になった」と話すのは、敷地の前に広がる圧倒的な緑。その緑を、家の中のどこにいても楽しめるように、この住まいは設計されました。カーテンがなくても人目を気にせず、家のどこにいても木々の存在を感じられます。一方で道路からの視線は、玄関の向きと配置を工夫することで自然に遮られています。薪ストーブが心地よい、夫婦2人のゆったりとした暮らしの場です。

point.1
玄関の位置を工夫して、道路側からの視線を自然なかたちで遮っている
point.2
LDKをはじめ寝室やお風呂までも、すべての部屋から森を堪能できるプランニング
森と薪ストーブ
お施主さんが最もこだわったLDKからの眺め。薪ストーブと森の緑が一緒に視界に飛び込んでくる
森と平屋
森と調和するよう低く設計された平屋。玄関の位置を工夫することで、道路側からの視線を遮っている

設計/SUDO設計  
■施工/SUDOホーム(須藤建設(株))  
Replan北海道 vol.118

 

広い敷地に細長い家で、
大きな庭を思いっきり楽しむ

延床面積/98.48㎡(約29坪) 
■家族構成/夫婦30代、子ども2

家の中も外も、ご家族にとってはすべてが大切な暮らしの場です。広い敷地を分けるように家を細長く設計することで、南北に空いたスペースに駐車場や庭の役割を持たせ「庭で暮らしを楽しみたい」というご家族の願いを実現しています。また遮るものなく真っ直ぐに伸びる廊下は、外と内を結ぶ縁側のような空間。通路として、また部屋の一部として、家全体の広がりを感じさせながら、家族の暮らしをつないでいます。

point.1
23mの長い廊下に沿うように居室が並ぶ。所々に設けたアルコーブ(壁面の凹み)が、収納やピアノの置き場所に
point.2
家を細長く設計して敷地を南北に分けることでそれぞれの庭に役割を持たせ、庭を楽しみたいという家族の願いを実現
アルコーブ(壁面の凹み)のある屋内
大きな窓から明るい光が射し込むリビング空間。外壁に沿うように設けたアルコーブ(壁面の凹み)が、収納やピアノ置き場になっている
横に長く伸びる平屋
横に長く伸びる平屋の前には、広々とした庭と家庭菜園。外遊びや畑仕事、薪割りなど、外での活動をのびのびと思いっきり楽しめる

設計/(株)エスエーデザインオフィス一級建築士事務所
施工/(株)大野建設
Replan北海道 vol.94

 

こうやってひとつひとつの平屋の間取りを丁寧に見ていくと、気づくことがあります。それは、一見すると突飛にみえるプランでも、実は土地の条件や住まい手の暮らしには、ぴったりと馴染んでいるということ。「自分たちだったら、どんな住まいがぴったりくるんだろう?」と考えるとワクワクしてきますね。ご紹介してきた間取りを参考に、自分たちだからこその「平屋の間取り」を、ぜひじっくり検討してみてはいかがでしょうか。

(文/Replan編集部)

こちらも併せてご覧ください ↓
・家族の数だけ、かたちがある。平屋の間取り vol.1
・家族の数だけ、かたちがある。平屋の間取り vol.2