第1回「秋田の家」〜高断熱・真壁の家
現場に精通した高断熱・高気密住宅の第一人者・鎌田紀彦氏のこれまでの活動の中で設計した住宅、氏と共に新住協を支えている会員の設計などを紹介しながら、そこから生まれた新しい技術や計画手法、 高性能住宅ならではのデザインを紹介します。

配置・間取り計画
施主のOさんとは、私がスウェーデンのルンドに6ヵ月滞在したときに知り合いました。家族とともに数年留学して秋田に帰ったOさんから、家を建てるので相談に乗ってくれと連絡があり、そこから設計が始まりました。秋田の西方設計と池田建築店に声をかけ、半年くらいの設計期間の後、工事に着手。1999年春のことです。
施主の希望は、スウェーデンの住宅のような暖かく快適な家がほしいということでした。スウェーデン風なデザインも希望されたが、当時私たちが追求していた、内外真壁デザインの工法を提案して受け入れられました。プランニングは、当初西方君のほうで基本プランをいくつか提示してもらったが、途中から私も口を出し、結局敷地の出っ張りをうまく利用した雁行型の住宅部分と、2台分の車庫との間にアプローチを取り、そこを風除室兼巨大なサンルームとする案に落ち着きました。住宅部分は比較的コンパクトでありながら、このサンルームが住宅の中心でいろいろな動線の中心となり、生活の上でも空間的にゆとりをもたらして、Oさん夫妻にも好評。奥に長い敷地の中心に居間を配置できたこともうまく納まりました。

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