去る2月8日から10日、フィンランドのラハティで、ノルディックスキーのワールドカップが行われました。ラハティは、フィンランドの首都ヘルシンキから北へ約100kmにあります。ヴェシヤルビという大きな湖があり、ヘルシンキから電車で約1時間とアクセスのしやすい街です。

ラハティでのスキージャンプ大会の歴史は長く、1920年代からほぼ毎年行われています。現在のフィンランドでスキージャンプは、かつてほど人気の競技ではなくなっていますが(日本でいう野球やサッカーのようなメジャースポーツといえば、アイスホッケーです)、ラハティ住民にとっては特別なスポーツで、観客も大勢集まっていました。

私は前から一度は行ってみたいと思っていて、今年ようやく念願が叶いました。スキージャンプを会場に足を運んで生で見るのは初めて。ジャンプ台の高さに圧倒されます。

白地に青の十字がフィンランドの旗です。上が白で下が赤の旗はポーランド。ポーランドはノルディックスキーが盛んな国で、選手も強豪ぞろいなので応援団が熱心です。日本の国旗は、ひとつ見えますね。

「あんな高いところから人が飛べるのか…」と驚きながら観戦。日本チームは男子団体が3位、個人では小林陵侑選手が2位と大活躍でした!葛西紀明選手はフィンランドでとても有名です。葛西選手は個人戦に参加したのですが、ジャンプの前に名前が呼ばれると、フィンランド選手の時と同じような大歓声が上がりました。

こちらは日本選手などのサポートのボランティアをしている、ベンラ・モイシオ(VENLA MOISIO)さん。今回は2回目の参加です。普段はキャビンアテンダントの仕事をしています。ベンラさんは高校生の時に大阪に留学し、その後水戸のホテルで働いて日本語を覚えました。元々ジャンプはそれほど詳しくなく、初めてのボランティアの際には葛西選手のことも知らなくて、気軽に話しかけてしまった(!)とのこと。「選手がスムーズに競技に集中できるようにお手伝いをしたり、通訳をするのはすごく楽しい!」と話してくれました。

試合の後には、サプライズが。今まで試合を中継していた画面に映し出されたのは「結婚してくれますか?」の文字と、男性が女性に指輪を渡す様子。女性はびっくりしつつも感動しているようで、試合会場からは、大きな拍手が送られていました。基本的にフィンランド人はシャイな国民性なのでこのようなサプライズは珍しく、素敵な出来事に心があったかくなりました。